表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/66

1

「これとこれ、それから、あちらの服と、あの服に合ったネックレスがあったはずだから、セットで荷物に詰めてちょうだい。贈呈品は、なにがいいかしら……下手なものは、持っていけないわよね……」


 初雪がちらつき始めた冬の始め、ザリア家では、お母様を筆頭に、慌ただしく、旅立ちの準備が進められていた。お母様は、歩き回りながら、侍女たちにテキパキと指示を出す。

 

「それにしても、不満だわ。……ルーちゃんの印象を良くする作戦も、中途半端なまま、最近では、アメリアをいじめているという噂まで、出るようになってきたというのに」


「この大事な時期に、よりによって、隣国への親善訪問を、ザリア家が任されるなんて」


 お母様は、私を心配してか、この話を受けてから、ずっと怒っている。


「お母様、仕方ないですわ。陛下直々のお達しですもの。それに、確かに隣国の武力と経済力は、最近では、ますます脅威となっていますから」


「円満な関係性をアピールするためにも、ウィルキア王国の重鎮が行ったほうがよいという、陛下のお言葉も、納得できます」


 お母様を慰めるために、そう言ったが、予想に反して、お母様は、準備を忘れて、しばらくぽかんとした後、呟いた。


「……驚いたわ。お父様と話しているみたい。……気がつかないうちに、ずいぶんと事情に詳しくなったようね? そういえば、ルイ先生に勉強を教わり始めて、もうずいぶんと経つのだったわね。ルイ先生、さすがだわ……ルーちゃん、あなたも頑張ったわね」


 お母様は、1人納得すると、私の頭を、優しく撫でてくれた。


「そういえば、ルイ先生って、何者なんですか? マナーにもお詳しいし、知識も豊富、馬だって乗れるし、エドの剣術の相手もできて」


「それにこの間、魔法も使えるって……伯爵家とはいえ、我がザリア家の家庭教師でいるのは、あまりに、もったいないと思うのですが」


 ふと、気になっていたことを聞いてみた。ルイ先生の完璧超人ぶりは、すでに日常だが、馬で早駆けしていった精悍な姿を見て、さすがにこれはおかしいのでは? と、疑問符が付いた。


 それに、この間、何気なく魔法が使えるか聞いたら、もちろん使えますよ、と答えが返ってきたのだ。もちろんて、どういうことだ。どれだけ凄い人なんだ。


「あら、聞いてないの?」


 お母様は、少し驚いたように尋ねてきた。


「? なにをですか?」


「うふふ、本人が話してないなら、わたくしからは言えないわ」


 質問の意味がわからなくて、聞き返すが、言葉を濁された。こうなると気になるが、お母様には勝てる気がしない。そのうち、ルイ先生に尋ねよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ