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「なにがなんだかわからないんだけど」

髪を掴んで水を搾り出し、次にスカートを搾ってから一ツ目を冷ややかに見下ろす。

「慰めにきたなら他を当たってくれない?

そういうのいらないから」



「そうか、慰めはいらないか。それなら話は早いや」

一ツ目は相変わらず弾んだ声で言った。

「実を言うと慰めたりするのは苦手でね。

まあそれ以前に、慰める気はあんまりなかったんだけど」



一振り払う隙も与えずに私の肩に飛び乗ってくる。

ぞっとするほど重量がなかった。

きちんと内臓と骨と筋肉とが詰まっているのかすら疑わしい。



「嘉埜、君の運命が動き出す気配がするんだ。

だから僕は、君を監視しにきた」


「はあ?」

これほど現実味のない与太話も珍しいな、と私は噴き出した。



さっきまでトイレの床に倒れていた女が急に明るく高笑いをし始めたものだから、一ツ目が少し面食らったのが気配でわかった。


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