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天才怪盗の社会奉仕  作者: ハルサメ
ファントム事件
115/118

密談

「昨日の夜、剣道部の部員がやられたらしいぞ」


「これで七人目か。いよいよ冗談じゃなくなってきたぞ」


「今年はなんて言うか、例年とは様子が違くない?」


「名前を語る偽物って可能性もある。というかかなり高い」


「でもいったい誰が? なんのために?」


「そんなの私は知らないよ。でも、これで終わるようには思えないよね」


「そうは言っても、色々なところから不満が出ているのは確かだ。不信、って言った方がいいのかな」


「例年とは違うっていうけど、そもそもその存在自体が怪しいんだからさ」


「だからこそ、ここで手を打たなければ。明日は我が身だぞ」


「そうは言ってもどうするの? 次に誰が狙われるかなんてわからないし」


 しばらくの沈黙。


「分室に頼むのは?」

「却下」

「ない」

「それはダメだ」


「ここに来て反応早い奴らマジウケる」


「でも分室はダメだ。今までの先輩たちも自分で対処していた。僕らの代がそれを投げ出すわけにもいかない」


「だからと言って、これはもういつものとは状況が違うでしょ。実際にけが人が出ている。過去、そこまで被害が出たことはないはずでしょ。立派な傷害事件だよ」


「それはそうだが」


「ならむしろ警察では?」


「余計話がこじれる。話は学園内で収めるべきだ」


「しかも警察入れても対処できるかどうか。今年の奴は本気でやばいぞ」


「なら、『彼』に頼むのは?」

 再び少しの沈黙。


「彼……か」


「適任。やってもらおうよ」


「賛成」


「それで行こう」


「何かあってもこちらに損害はないな。いいと思う」


「結局分室に頼るアホ」


「でもこれからインターハイシーズンだ。どの部も対応する余裕はなくなってる」


「決まりだね。この件は『彼』に任せよう」


「だがどうやって引き出す? はっきり言って彼は私たちの手におえる相手じゃない」


「俺たちに秘策がある。要はあいつをこっち側に引き込めばいいんだろ?」


「なるほど、君たちならできそうだ」


「流石の彼も気づかないだろう」


 集った者たちは様々な思いを抱えながらも、ゆっくりとうなずいた。


「結崎流斗を巻き込むぞ」

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