86 卵
私とサマーでもう一度潜り直した。運よく、次もEXではなかった。一度EXをクリアした私達にEXがでる可能性は50%。つまり二分の一ででるのだ。正直、2人はきつい。どちらかがスタン入った時点で終了。まぁ今日は出てないので一旦考えないことにする。
とりあえず、もう一周して新たにヴェアヴォルフの毛皮とヴェアヴォルフの尻尾が落ちた。残り3つだ。
「流石にノーマルとはいえ、連続でヴェアヴォルフ挑むのはだいぶ疲れるっすね。」
と、2人でボスが終わったあとダンジョンの外で休憩していた。私も近接してみて、死と隣合わせのその戦いは精神的に疲れる。肉体の方はノーダメージだし大丈夫だけど。
「順調にいけば後2周。」
私がそうつぶやき、サマーも頷く。
「あっ忘れてたっす。今日の夜ご飯ってもう決まっているっすか?」
サマーが何かを思い出したように私に聞いてきた。今週は晴ちゃんのターンの週のため。私は特に何も考えてない。晴ちゃんに頼まれたら作るけど、多分予定がないならそのまま晴ちゃんが作ると思う。
「決まってないと思う。妹次第。」
私がそう伝えると、サマーも納得したように頷いて、
「なるほどっすね。今日自分たちのお母さんが、合格祝いとしてお寿司に連れて行ってくれるっす。そこで、都合が合うならセミスミちゃんと妹ちゃん、そしてシロンちゃんもどうかな?って言っていたっす。」
なるほどね。私達家族とサマー達の家族は持ちつ持たれつの関係。せっかくのご厚意だし、受けようかな。皆で食べるほうが楽しいしね。
「分かった。とりあえず妹にも送っとく。」
私はゲーム内でルインを開き、晴ちゃんにひと言送った。普段ならすぐに返信くるけど、今日は何かの途中なのかすぐには返信が帰ってこない。私は一旦それを閉じてサマーに振り向き、
「どうする?」
と、ひと言だけ聞いて。サマーもその意味を理解したのか、
「今日はもうヴェアヴォルフは大丈夫っす。流石に疲れたっす。今日はゲームを一旦やめて、近くのゲーセン行くっす。にゅいちゃん達には自分からルイン送ったっすけど、晩ごはん後に全員でログインでどうすっか。」
流石に1stのダンジョンボスなだけあって、サマーも疲れているみたいで今日は夜からまたやるらしい。現在14時半。私も朝からWPSとかもやったから頃合いかな。私も気分転換として、午後はサマーについていくことにした。
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にゅい視点
僕がログインした後、すぐにシロちゃんもログインしてきた。後はみーちゃんとサマちゃんなんだけど、そう考えているとピコンと画面に何か現れる。それを読もうとしているとすぐに消えかかりそうになり、慌ててYESをおした。そしてそのYESを押したのを確認すると、
「これは......」
「ふふ。サマーとセミスミ。結構めんどくさいクエスト攻略中なのですね。腕がなります♪」
と、シロちゃんがそう返した。どうやら2人はタイミングよくログアウトしたらしく、クエストのことについて聞けない。まぁまた夜もやるって言っていたから夜4人集まれるよね。
「どうする?2人だけどヴェアヴォルフ行ってみる?」
私がきくと、サマーも少し考えて、
「そうですね。現在クエストクリアされてないみたいですし、2ndエリア見て回るのもいいですが、持ちつ持たれつ。せっかく受けたので協力しましょう。」
と、返事が返ってきた。それに僕も頷き、
「やっぱりそうだよね。よしそれじゃー1stに出発〜。」
私の掛け声のもと2人で1stにトラベルした。私達がヴェアヴォルフのボス部屋入ると、運が悪かったのかまたEXだった。序盤は苦戦はするものの何とかなった。オオカミも今回は8匹だったため、僕が落葉を使い一瞬で片付ける。前回5人で20だったことを考えると、恐らく4×人数だね。
そして、シロちゃんは前回の反省を活かし、最初のほうはスタンをミラーミュージックで跳ね返して、後半の方は大きく距離を取って対応している。正直メイン火力が不足しているけど、シロちゃんのバフなどで何とかなっている。だからこそ僕がスタンしたら壊滅。いい感じにプレッシャーかかるけど、このプレッシャーもゲームの醍醐味だよね。
終盤、僕が判断ミスして、攻撃食らいそうになったとき、ピキッと音がしたかと思うと、僕は使用してないのに落葉が使われた。僕は疑問に思いながらでも、ヴェアヴォルフの攻撃より先に加速した僕の攻撃でヴェアヴォルフにとどめをさした。
「ナイスです。にゅい。無事に勝ててよかったです。」
「うん。シロちゃんもありがとう。正直シロちゃんの援護なかったら勝てなかった。やっぱりEXのヴェアヴォルフはつよいね。」
僕達は互いに健闘を讃え、その後報酬を受け取ってダンジョンから出ようとしたとき、僕の腕輪が光り始めて、卵が僕の前に現れた。




