3 ボス戦
では、次にボス戦を開始します。戦い方を学ぶためのものであるため、勝敗にかかわらずチュートリアルは終わります。
敵の攻撃を受け、HPが0になるとゲームオーバーとなります。本来だと、お金やマジックバックに、入っているアイテムがロストして、ゲーム内時間で2時間ステータスダウンとなりますが、今回はチュートリアルのため何もロストせずステータスダウンもありません。その場で復活しますから安心してください。
それでは、開始しますか?
→YES NO
という、コマンドがあらわれた。私は軽くその場で身体を動かしたりした後、YESを押した。
BGMがおどろおどろしいものに変わり、いかにもボス戦って感じの音に変わった。そして先ほど水色のスライムのいた場所に黒色のスライムがあらわれた。さっきのスライムと比べて10倍くらい大きく、頭に王冠みたいなのを被っている。
ボスの名前を見るとスライムキング《劣化版》と書かれていて、明らかにさっきのスライムとは違う強そうなスライムだとわかる。とりあえず攻撃パターンもわからないため、私は距離をとりながら弦を引いて3発ほど当ててみたが、HPは0.5割も減っていない。
的面積がでかいため外したわけでは無いが、HPの減り具合をみる限り長期戦になるかな?そんなこと考えていると黒いスライムが魔法の構築を始めた。そして5色のボールが黒スライムの上にあらわれる。水色、赤色、ちょっと見にくい黄緑色そして黄色と黒色だ。水色はスライムが使っていたウォーターボールは確定として、赤色はファイヤーボール。黄緑色はウィンドボールとか?黄色は光っているしライトボール?じゃー黒色はダークボールとか?
正直詳しくはないから見てもわからないけど、あれはまともに食らわない方がいいよね?
私は、見極めるためにさらに距離をとって、5種のボールを観察した。一番最初に飛んできたのはウィンドである。距離を取っている間に一瞬見落としてしまったため、気づけばほぼ目の前まできていた。私はちょっと無理な態勢を取りながら右横に飛び込み前転をした。ここが現実なら腕を痛めていたかもしれないがゲームの世界だから特に問題ない。
ウィンドを避けた後、他のボールは私の方に飛んできていたので一瞬追尾型かと思いウィンドの方をみたが、ウィンドは壁にぶつかって消えていた。それなら大丈夫かと、残り4つをみた。ファイヤーボール、ウォーターボール、ライトボールは比較的に避けやすく、余裕を持って避けれた。私が避けたあとは追尾機能消えるらしくそのまま壁まで飛び消える。問題はダークボールだ。
他の4つに比べると、明らかに遅すぎる。こんなに遅ければ誰でも簡単に避けれる。だからこそ何かしらあると思う。私は警戒を強めながらそれをみていた。すると、ダークボールは私の50センチ前くらいに止まり、周りの空気を吸うかの様に吸収し始めた。私は嫌な予感がして、すぐさま大きく距離をとる。ダークボールは吸収し始めたら動かないらしく余裕で距離をとれた。
その後半径1メートルほどの大爆発が起きた。
危なー。私は安全な場所から見極めれてよかった。と、安堵のため息をこぼし、ボスにむきなおった。5種のボールを警戒しながらボスも見ていたが、5種のボールを撃った後一切動いてない。押しつぶされたかのように平べったくなっていて、核らしきものもみえる。
どうやらこのスライムは、5種のボールを撃つと弱点出して行動不能になるらしい。私はその隙を見逃さず核に向けて次々と撃っていく。核は一発0.5割も攻撃が入るらしくマジのボーナスタイムだ。
そうして、体力を約5割きったときに、スライムキング《劣化版》は押しつぶされたかの状態から戻り、弱点である核も見えない位置に戻った。ボーナスタイムは終わりらしい。私は再び距離をとった。
そして、完全に元の体制にもどった、スライムキング《劣化版》はウォーターボールを10発ほど浮かばせて、私の方に連射で撃ち始めた。とはいえ、ウォーターボールなど見慣れたものだ。私が!避けていると、スライムキング《劣化版》もウォーターボールに混じって速いスピードで突撃してきた。
牽制で何発か撃ったが、HPが少し減少するだけで止まらなかった。私は突撃してきた、スライムを蹴飛ばすかのように、足を振り抜き、バック飛びして距離を開けて、そのままダッシュで逃げた。さすがに、弓ではなく蹴りが来るとは思っていなかったのか、スライムキング《劣化版》は一瞬だけ怯み、私は何とか距離をとれた。少し自分の足が速い気がしたが、今はそんなこと考えている隙もない。
次にスライムキング《劣化版》は触手を、伸ばしてきた。さすがに、あれに捕まるのは嫌なため触手を打ち抜く。触手にもダメージ判定があり、打ち落とすことができた。触手は本体よりもダメージが入らないらしく少ししか減らないが、これで残りHPは3割半だ。
この初心者の弓と初心者の矢が入っている矢筒は矢が自動に補充されるのがありがたい。矢が切れて敗北はいやだしね。もし、それがなかったら私は触手につかまっていたかも。今は敵を除けば1人。触手に捕まるとは誰得だよ。と、心のなかで思ったのは秘密だ。
触手が通じないと感じたのか、今度は身体から水色の物体を飛ばしてきた。またウォーターボールかなと避ける準備をしていると、その物体が飛ばされながらウォーターボールを構えているではないか。私は咄嗟にウォーターボールのほうに矢を撃って、ウォーターボールを壊した後、バックステップで後ろに下がりそのウォーターボールをだした物体をみた。
その物体はスライムだった。つまりこのスライムキング《劣化版》は自分の仲間を出すことができるのか。私は、その小さなスライムを撃ち抜いた。黒いスライムも一体では足りないと判断したのか、次々にスライムをだしてきた。だがこの仲間出すのも永遠ではないらしい。一匹の頃は気が付かなかったが、スライムを出せば出すほど、スライムキング《劣化版》はHPが減っていた。
現在フィールドにスライムが14体でており、スライムキング《劣化版》の残りの体力は2割だ。さぁ正念場だ。




