23 にゅい
私にチャットが届いたみたいだ。もちろんだけど私にチャット飛ばしてくるのは今は結依くらいしかいない。ゲームの中ではにゅいだから呼び間違えないようにしなきゃ。
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にゅい やっほー。今大丈夫かな?さっき初回討伐の報
告のアナウンス流れていたみたいだし。
セミスミ 大丈夫。
にゅい 了解。今度こそ合流しよ。今どこにい
る?
セミスミ ムスイラの家の近く
にゅい 了解。ってそれどこ?
セミスミ スライム草原にむかう門の近くにある
にゅい 了解。じゃーちょっと待ってて。
こっちもマザーラットの討伐もう終わるから
セミスミ わかった。待ってる。
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にゅいから連絡きて思い出したけど、そういえば連絡ほしいってさっき書かれてたかも。ボスにデスされかけて、その後怒涛のクエストの連チャンだったから忘れてた。合流したら謝っておこう。
それからスライムの草原にむかう出入り口で、知らない人からのパーティーの勧誘を適当にあしらいながら、しばらく待っていると、
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《ただいまラットの地下道EXの攻略を確認しました。》
《攻略者の名はにゅい。》
《EXダンジョンが、攻略された為、クエスト、アイテムが新たに追加されます。》
《これからもNext Eden Fantasia World onlineをお楽しみください。》
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と、放送が流れ、無事にクリアできたんだね。とおもっていると、その後すぐににゅいが走ってきた。
「やっほー。ミーちゃん。元気?」
にゅいは挨拶しながら私に抱きついてきた。にゅいは、私とちがい黒色で統一されたような服だ。顔は現実とさほどいじっておらず髪も黒色。上の洋服は黒のインナーに黒い装束。ただ、丈はたりてなくて、インナー越しとはいえへそがわかる。そして下は、黒のショートパンツにタイツもはいているみたい。まるでくノ一のような男を挑発しそうな格好だ。にゅいにすごく似合っていると思う。
普段にゅいは私のことスミスミと呼ぶけど、ここではミーちゃんとよぶみたい。ゲームでは現実バレを回避するため、現実の呼び方をしないのがルールだ。VRMMORPGなれしているにゅいがそのへんをミスするはずもない
「元気ない。」
実際にいまの私はもみくちゃにされていて、息が詰まっている。ゲームの世界で息ができなくて死ぬということはあるのかな?などと、馬鹿なこと考えながら私はにゅいが落ち着くのを待っていた。
「はぁ〜。ミーちゃんを堪能できた〜。ゲームの中のセミスミとか珍しいからね。」
と、女の子同士じゃなかったら警察案件だと思うような発言をしながらにゅいは離れた。いや女の子同士でもやばいか。まぁ私とにゅいの付き合いだしまあいいか。
「それで、どうする?」
私はにゅいに聞いた。私はいまやりたいことはスライムダンジョンのボスの違いをみるくらい。それにVRMMORPGじたい最近やっていないため、セオリーなどがあったらわからない。それを踏まえてにゅいに聞いてみた。
「うーん。それなんだけどさー、一つ確認したいんだけど、ミーちゃんもEXクリアしたんだよね?どこなの?」
と、聞き返された。ミーちゃんもってことはやっぱりさっき流れた放送はにゅいだったんだね。さすが。私は心で称賛しながら
「スライム。」
と、完結に答えた。
「やっぱりそうだよね。そういえば弓だったら初期のモンスターはスライムだったね。しかもこのスピードでEXクリアということは、僕とおんなじでチュートリアルを特殊クリアしたんだね。さっすが。」
にゅいは私のことをかなり褒めてきた。これには私も鼻が高くなる。それと、特殊クリアと言われるやつってことなら尚更普通ではなかったんだと思う。まぁ過ぎたこと気にしたらまけだな。
「まず初めにね説明すると、チュートリアルって四パターンあるんだ。選んだメイン職業が、近距離ならゴーレム。中距離もしくは盾ならラット。遠距離ならスライム。特殊職業もしくは魔法使いならゴブリン。そして私は、アサシン。アサシンは基本短剣で戦うけど、投擲攻撃なども使えるから中距離扱いなんだ。それでラットの特殊クリアをしてきたから、今、EXをクリアしてきたんだ。特殊クリアはチュートリアルでボスの弱体化前に倒すことみたい。掲示板では1回目は負けイベントと、言われているみたいだけど。それで話戻るんだけどさ、せっかくパーティー組むなら、お互いのクリアしたダンジョンに潜ってレベル上げしない?イベントもあるみたいだしさ。」
へーと私は心のなかで感心していた。私がスライムだったの必然だったみたいだ。そしてにゅいの誘いに断る理由もない。
「うん。問題無い。」
私がそう答えるとにゅいは笑顔になり、わたしの手を掴み
「それじゃ〜早速出発〜。僕についてきてね。」
と、言いながらわたしの手と繋ぎながら歩き始めた。ついてきてね。とはと思ったが、それについては言わなかった。いつも通り結依は私を引っ張る存在だ。少なくとも結依がいなければ友だち一人もできなかったかもしれない。そしてそれが私も落ち着く。これからのことに期待をしながら進むのだ。




