13 運営視点
運営視点
「結局メガラット《劣化版》も倒されてしまったな。」
リーダーの1人がつぶやいた。全員が心のなかで思っていることだ。プレイヤーネームはにゅい。メガラットは基本地面に潜っているため時間がかかるのはしょうがないとしても、それでも目をみはるものがあった。
「アサシンとはいえあそこまで的確に背後つけるものですかね?いや疑っているわけではありませんが、不正も無かった為。」
1人の運営が同じところ巻き戻して再生していた。その映像は、多くの雑魚を軽くのしたあと、集中して周りの音を聞きたてている。そして現れる瞬間素早く回り込んで首元をナイフできる。一見やっていることは単純だが、そのやり方はプロレベルだ。ゲームをプレイしている、元データテスターの人達ですら、初見は難しい。そして何よりにゅいの強いところは、チャンスがあっても深追いはせずにアサシンでありながら距離を保っている。
アサシンは背後や死角からの攻撃はかなりつよいが、その分防御は弱いものだ。当たりさえするなら安全圏から攻撃のできる弓とはちがってリーチの短さもある、ほんとに死と隣り合わせっていっても過言ではない。
「そういえば、同じく劣化版攻略した、あの弓使いはどうしてる?どこかダンジョンとか入ったか?」
と、疑問が飛んで、1人が調べてみます。座標確認した。
「入ってますね。スライムの草原...えっEX?しかも1人?」
その言葉に全員反応した。
「ちょっと待って。確かに条件上ははいれるが、通常をさしおいて、EX?流石に無謀ではないか?誰かとパーティー組んでも厳しいぞ。」
と、リーダーは再び反応した。
「え、映像出しますね。」
そこに再生されているのはスライムキングとの戦闘シーンだ。まずはかなり遠くからスライムキングに毒つきの矢を放つ。そして飛んでくる攻撃を見極めて避ける。やっていることは簡単でも、実際にできるのは難しい。
「ちょっと待って。彼女、いま何レベルだ?攻撃もスピードも初期の劣化版倒したパラメーターじゃないのか?」
と、誰かがつぶやいて彼女のステータスが表示されると驚きの事実が載っていた。
「SP温存者?こんな人いないでしょ。ってネタで作った称号獲得しているだと?つまり彼女はここで一切SP振ってないのか。」
その言葉に運営ルームは絶句した。普通なら無謀というのが、当てはまる。だが、調べてみてもやはりチートは使っておらず、全ての攻撃を自力でよけてる。
「お、おい。EXの攻略適正人数何人だったか?」
その言葉にEXのダンジョンを管理している、運営が答えた。
「一律、8人でレベル22から25想定となっております。上位グループのいくつかがEXの書を獲得するためのクエスト進行中の為、特別配布の彼女を除くとだいたいこれくらいになるかなと言う計算してたはずなのですが。」
つまり、弓使いのプレイヤーセミスミは、そのプレイヤースキルのみで、EXに渡り切っていることになる。
「あっ残り1割になりました。これより近くの敵のもとに飛び込むモーションが開始されます。」
1人の発言で再び画面に注目された。セミスミの近くに降ってくる。セミスミは待ってましたと、ばかりに矢を放つ。そして体制を矢よりかなり低くとる。スライムキングはオーラで矢を叩き割る。そのオーラをかいくぐるように体制低いまま、まるで足払いかのようにスライムキングを蹴り一瞬怯んだスライムキングに体制を整えて矢を放つ。今度はオーラで消し伸ばせずその矢をくらい毒のダメージもあいまってスライムキングは倒れてしまった。毒を使っているとはいえ、その完璧な倒し方に一瞬目を奪われてしまった。
「まるでスライムキングのモーション知っていたかのようだな。どうしてだ?」
1人がかろうじて出た言葉に別の運営が調べ始めて、
「どうやらこれが1回目の遭遇ではなく2回目らしいです。その時は偶然避けれたみたいですが、2回目の今回は1回目より近づきモーションを確認していたのかもしれません。」
との、考察が出た。1回偶然で避けれたあと2回目でここまで修正できるものかという疑問がわくがチートも使っていない以上目の前のこれが現実なのだろう。
「それと今調べて分かったのですが、セミスミと言うプレイヤーネーム。他のジャンルにはなりますが、FPSやシューティングゲームで同名のプレイヤーネームで、有名なプレイヤーらしいです。同じ人物かはわかりませんが、昨日セミスミというプレイヤーが、wpsのゲームで世界1位をとりました。」
と、いう爆弾がなげられた。銃と弓では扱いが違うかもしれないが、その並外れたエイム力を考えると、別人とは言いづらい。
「もしかしなくても本人なのでは?とりあえず彼女のことは一旦保留としよう。チートは使っておらず、純粋に楽しんでいるようにおもえる。それに世界1位の実力ならNEFWoとしても大歓迎だろ。」
こうして運営同時視聴による野良のスライムキング討伐は終わった。もちろんセミスミの知らないところでの話である




