覚醒
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1年が過ぎ村も元に戻る中、山の反対側と行き来し修行を重ねた。
あの事件がきっかけでサラたち一家や他の村のみんなも移住したらしい。
「スゥーーーーーーーッ。ハァーーーーーーーーッ。」
感じる。身体中がぐるぐると凄まじい速さで何かが動くような熱い感覚。
視えない。右も左も光も闇もわからなくてどこに自分がいるのか。
呼ばれている。ずっと出れなかった場所からコエが聞こえる。
徐々に内側から溢れる光から最後は閃光が走りやがて消えるーーーーーー・
「やっとか。ゲームじゃ早かったけど、現実だとかなり時間かかるもんなんだぁ。」
「おいルーモス!なんだよこれ!全身が熱いぞ!」
「トーマ。覚醒おめでとう。やっと第一歩だ。見習い魔導士だな。」
「見習い魔導士・・・・。俺は平民の魔力ない子どもで、」
「もうあるんだよ。試しに、使ってみればわかるさ。”レイ”と唱えてごらん」
「”レイ”」
そう唱えると光の筋が出てきた。
暖かさやそう言ったものはなくただの光。
「まぁ慣れればわざわざ口に出さなくとも頭で考えるだけ出来るさ。」
「すっげーな!!ルーモス!」
「別にすごくない。これからはダンジョンに入りつつ修行だね。」
「よっしゃぁ!俺は強くなるぞーーーーーー!」
そう、これからが冒険の始まりだった。
【第1章】完