奇襲
ーーーーーーーーーーカーンッ!カーンッ!カーンッ!
生まれてから一度も聞いたことがない音に驚いた。
眠い目をこすりながら、外に出て確かめに行くと皆が同じように出ていた。
「魔物がきたぞぉーーーーーーーー!!!攻撃準備ぃーーーーーーーー!」
「魔物!?なんで!!?」
「あぁ神よ・・・。お助けください・・・。」
「女子どもは高台に避難しろっ!」
「ままぁ・・・怖いよぉ・・・・」
「どきなさいよ!!私が先よ!!」
「じじばばを運ぶ者と攻撃するものに分かれろ!!」
「自分らの家族を守るために戦うぞーーーー!」
「「「「おーーーーー!」」」
一気に混沌と化した辺り。
何が何だか訳も分からぬまま逃げる。喚く。祈る。逃げる。
確かに耳を澄ますとドドドドドドと籠る音が聞こえて余計に恐怖を募る。
籠る音ではあるのに数が多いのかどんな魔物なのかも分からない。
「メイ!トーマを連れて逃げるんだ!!!高台でも危ない!!できるだけ反対側の村まで行くんだ!!」
「そんなっ!ダンテあなたは!」
「俺も後から向かうが、ジジババどもも運ばなくてはな!村で落合おう!」
「・・・・。愛しているわダンテ。また後で」
「もちろん俺もだメイ。そしてトーマ。母さんを頼んだぞ!」
「うん。父さんも気を付けて。」
訳も分からぬまま母さんに手を引かれ、この村から逃げ出した。