幸せな誕生日
「おぎゃ、、、ぎゃあ!、おぎゃあ!」
「メイさん、生まれましたよ!元気な男の子です!」
「嬉しい・・・・。やっと会えたわ・・・私の、かわいい赤ちゃん・・・。名前は、、トーマよ、、、」
「あぁ・・・・ありがとうメイ・・。ありがとうトーマ・・・・。」
トーマは、距離でいうと王都から馬車で6ヵ月ほどあり、更に山を3つ超えた後の山であるハイアルト山にある小さな村で父ダンテ、母メイの平民同士の間で生まれた。
基本的に自給自足の村でたまに冒険者が来たり、村で足りないものを村人が代表で麓に行く。
そんな生活にも慣れ、病気一つせず健やかに育った。
「トーマ!!お前ももう6歳だな!早いものだ!かっはっは!!」
「早いものね、トーマもこんなに大きくなっちゃって。ふふふ」
「もう母さんも父さんもやめろよな!照れるっつーの!嬉しくねーし!!」
そう言われながら両親に抱き着かれると応えるように強く抱きしめ返した。
今日はトーマの誕生日。大好きな両親に毎年祝われ、母は自分の好物を作り、父は普段忙しく畑や狩りに行く分一日中遊んでくれるそんな幸せな日。
「トーマは母さんに似て美形だから村の女どもにも人気出ちまうなぁ!」
「もう。お父さんったら。お嫁さんに困らないわね!トーマ!向かいのサラちゃんが好きなんでしょ??」
「んなっ!!!あんなつるぺたなガキ興味ねーし!!俺は漢の中の漢としてそんな浮ついたことは思わないんだからな!!」
「はいはい(笑)」
「つるペタなんて意味わかって使ってるの??全くませてるわねぇ」
「はぁ??それくらい知ってるっつーの!サラの姉ちゃんのほうが俺はタイプだし!!」
「かーはっはっは!男ならば村で一番の美女に愛されてこそだよなぁ!!俺みたいに!!」
「まったく親子似た者同士なんだから」
そうして幸せな気持ちで眠りについた。