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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
転生の章
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2-57 ドワーフ陸軍兵器廠②

 陸軍兵器廠はもうてんやわんやの一日だった。


 まあ、レオにとっては、スチームエンジンの概念とシステムについて技術者たちに説明したので、あとは彼らが頭をひねって、試行錯誤しながら実物を作ればいいと気楽に考えていた。

レオはエンジニアではないので、設計とか部品強度とか言われても皆目わからないし。


スチームエンジンの概念

挿絵(By みてみん)



「それでさ、レオ、あの白いブラックドラゴンはなに?」

ようやくドン長官やポチ開発課長― モモの次兄で名前はドイダワ・ジロポーティ・バンディ、通称ポチさん― らの技術者たちから解放されたレオにイザベルが聞く。

「ああ、あれね。アールとビーナと言ってね、ブラックドラゴンの白子(しらこ)なんだよ。」

「えっ、シラコってなに?」

「ほら、オレたち人間は日を浴びると肌が焼けて黒くなるだろう?」

「ええ。だから太陽は女性の敵!」

プフフフ...とランが笑い、アハハハハとモモが笑う。

アイミはニコニコしている。


「肌が黒くなるのは、太陽の光にふくまれている紫外線というヤツが...」

以前、アイミやランに説明したのと同じことをイザベルとモモに話した。

「じゃあ、アールとビーナはアイミちゃんの“エルフの日焼け止め”を塗っているの?」

エルフの日焼け止めと聞いて強い関心を示したのはモモだった。

やはり女の子だ、白い肌でいたいのだろう。


「いや、そんなヒマなくてさ。アールとビーナを見つけてから、無性にイザベルやカイオに会いたくなっちゃってね...」

「なーるほど... まずはイザベルが恋しくなった、と。ボクはついでなんだな?」

「なーに言ってんだ、カイオ!こう言った方が女の子はよろこぶんだよ!」

「えーっ、なに、それ??」

イザベルは頬をふくらませて文句を言う。

しかし、なんだかうれしそうだ。


しかし、アイミもランもモモまでも“うんうん”とレオの言葉に大きくうなずいている。

「まあ、それはそれでひとまずいいとして、じゃあどうやって日中に飛んできたのよ?」

「シーノちゃんのおかげだよ!」

「シーノちゃんの?」

「そう。イザベルはおぼえているだろう、聖堂でシーノが光が外にもれないようにバリアーを張ったのを?」

「ああ、あれね... もちろんおぼえているわ」

「その反対のバリアーみたいなの張ったんだよ。つまり、外からの紫外線を通さないバリアーをね。」

「あ、なーるほど!」


会話を注意深く聞いていたモモがアイミにたずねる。

「アイミさん、シーノちゃんのバリアーって何? 今日いっしょに来てない別の勇者さん?」

「うーん... シーノさまのことね。どうしようかな...」

それを見たカイオがアイミに言った。

「アイミちゃん、モモちゃんもボクらの仲間だから包み隠さず何でも言っていいよ。」

「あら、そうなの? では問題ありませんね。シーノさまというのはレオさまの守護天使なんですよ」

「えっ、しゅ、守護天使――っ?」

「そうです。創造主エタナールさまがレオさまが、この世界― ミィテラの世界とテラの世界のことだけど― で勇者として戦うのを手伝う目的でお付けになった天使なのよ!」


「シーノちゃんはすごいんだよ。攻撃が通じないバリアーはもちろん、テラからこちらへ来れたのもシーノちゃんの力だし...」

イザベルが話に加わる。

「えーっと... ミィテラはわかるけど、テラとはなんですか?それに攻撃が通じないバリアーというか防護盾みたいないものは?」



 モモにとっては、何もかもはじめて聞くことばかり。無理もない。

そこでイザベルとアイミが交互に説明をする。ランもあまりよく知らないことが多いので、真剣に耳を傾けている。

その間、レオはカイオと今まであったことをお互いに話し合って情報の交換をしている。


「この世界のほかに、そんな別の世界があるなんて想像もできないわ。でも、アイミさんはそこに行ったんでしょう?」

「はい。あちらには魔族がいなくてとても平和な世界です。みなさんもとてもおやさしくて。」

「魔族がいない世界なんて、ちょっと信じられない感じです。守護天使という人も、いや天使も見たことないし... って、どこにいるの?そのシーノっていう天使さんは?」

「遮光バリアーを広い範囲でずーっと張って来たから、少し疲れたと言って、今レオさまのペンダントの中で休んでいます。」

「ぺ、ペンダントの中?」

「ええ。ペンダントがシーノさまのお家みたいなものだそうです。」

「天使って、縮んでペンダントの中に入るの?」

「さあ、どのようにして入るのかは知りませんけど、シーノさまってホタルみたいに小さいんですよ。」

「...!」


どうも腑に落ちない、と言った表情のモモを見て、イザベルがモモの肩を軽く叩きながら言った。

「モモちゃん、そんなに考えなくても、シーノちゃんは一休みしたら出て来るわよ。そうしたら、よく見て、初対面のアイサツをして、仲良くなってあげて!」

「そうね... 私、知らないことたくさんあるし、ちょっと信じられないようなこともたくさんあるけど、これから経験しておぼえて、習って行けばいいのよね...」

「その通り、その通り。レオもシーノちゃんも、カイオもアイミちゃんも、みんな素晴らしい仲間だから、じきにもっと仲良くなっていっしょに冒険できるわよ」

「はい!」



元気いっぱいうなずくモモだった。

 


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