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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
転生の章
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2-42 反撃作戦考えます

「ノブノブ将軍、この地域の地図はありますか?」


 洞窟の中の会議室で、まず最初にレオが要望したのは地図だった。

将校の一人が壁にかけた地図をずーっと黙って見るレオ。


 ノブノブ将軍もほかのヤマト国軍首脳も黙って見ているだけで何も言わない。

彼ら- ヤマト国軍は、圧倒的な魔軍の戦力の前になすすべもなく、イーストランジア大陸の南端にまで後退を余儀なくされたのだ。


 いわゆる、“戦略的撤退”とか言われるものだが、戦略的もなにもない。

魔軍は兵力的にも装備的にも、ヤマト軍を圧倒しているのだ。いくらあがいても絶対に勝てないとヤマト軍は知っていた。

 ただ、“おめおめとわが祖国を魔軍に渡したくない”

- それだけの気持ちでジリ貧状態の中で、絶望的な戦いを続けていたのだ。



 アイミは用事があると言ってランといっしょに出て行ってここにはいない。

女の子同士で何かすることでもあるのだろう。レオのこと以外では、仲のいい二人なのだ。

それにしても、毎日毎日、女子2人だけで何をやっているのだろう?

それほど女子トークとか恋バナとかは話題があるものだろうか...?


 どこか遠くで雷鳴が響いている。

しかし、雨が降る気配はないし、それほど蒸し暑さも感じない。

山岳地帯だから雷が発生しやすいのだろうか。



 十分ほど黙って地図を見ていたレオは、ノブノブ将軍たちに向かって聞いた。

「この開けたところは何というところですか?」

「そこはクシャミガ原というところで魔軍の占領地域です。」

サル顔のサルが答えた。

「魔軍が退却したので、今は誰もいないのでは?」

「うむ。たぶん今は敵はいないであろう。」

ノブノブ将軍が答える。


「では、このクシャミガ原の地形を利用して、もどって来る魔軍を殲滅させましょう!」

「なに?魔軍を殲滅させる?」

「それは無理というものだ。そもそも、ヤマト軍にどれだけの兵力があるのか知っているのか?」

「魔軍は我々の数倍の兵力を擁し、装備も整っておるほか、無敵の騎馬隊、それに多数の戦車(戦闘用馬車)までもっているのだぞ? 勝てるはずがない!」

「レオ殿の大絶叫でもってしても、魔軍部隊を吹っ飛ばし、恐れさせることはできたとしても、何十万という魔軍軍団を殲滅することはできないことは誰が考えてもわかることだ!」

「魔軍はギフの町では不意を突かれたということもあるが、魔軍のことだ、必ずやレオ殿の大絶叫対策をもって大軍で押し寄せて来るに違いあるまい!」


サルやトクガワなどの武将が口々に魔軍と正面切って戦うことの難しさを言う。

「サルやトクガワ殿の言っていることも、もっともだ。レオ殿の力をもってしても魔軍には歯が立たないであろう」

さすがのノブノブ将軍も部下の武将たちの意見に同調せざるを得ない。


「いえ、魔軍軍団を殲滅するのは、オレではなくて、ノブノブ将軍、あなたの軍です。」

「なにィ? ワシの軍隊が魔軍を殲滅する? どのようにしてだ?」

「そうだ、レオ殿はわが軍の実情をご存じない!」

「おまけに、山岳地帯ではなく、平原で? それは全軍全滅しろと言うのと同じだ!」

「そうだ、そうだ。平原での戦いにおける騎馬隊と戦車(戦闘用馬車)の圧倒的な破壊力を知らないから、そんなアホなことを考えるのだ!」

「戦いと言うものは、頭の中で考えただけでは出来ないのだ!」

「わが軍は孤立しておるのだ! 援軍もたのめんのだぞ?」


またもや武将たちが侃々諤々(かんかんがくがく)と騒ぎはじめた。


「まあ、待て。ひとまずレオ殿の考えをよく聞こうではないか?」

ノブノブ将軍の言葉で静まった武将たち。

それでもブツブツと小声で文句を言っている者がいる。

“こんな若造の話しなど聞くにも価せん!”と、軽蔑した顔そのままで、そっぽを向いている者もいる。

毎日、死ぬか生きるかという戦場で生きている武将というものは、気が短いのだ。



レオは、そんな武将たちの顔つきや小声はまったく気にせずに、ノブノブ将軍を見て説明しはじめた。

「ヤマト軍が、兵力的にも装備的にも勝っている魔軍に勝つ方法。それには、まず......... をして、次に......... そして......... するのです。」

レオは落ち着いて、考えた作戦をノブノブ将軍に説明した。


「しかし、それをするには.........が......... で困っておるのだ」

ノブノブ将軍が言う。

「そうです、ノブノブ将軍のおっしゃっている通りです。それがわが軍の悩みでもあるのです」

と武将のひとりも言う。


「それに対する策はもう考えました」

「おう... なにィ? 〇〇を使うゥ?......」

「おお、それなら出来るかもしれませんな....」

「ふーむ... それはうまくいくかも知れん、いや、きっとうまく行くだろう!」

ノブノブ将軍も武将たちもレオの作戦に興味を示しはじめました。


「どうです?乾坤一擲(けんこんいってき)、勝負に出て人族といわず、同盟軍の大反撃のキッカケとなるような戦いをしませんか! ヤマト軍、ここにあり!と魔王に知らしめせ、同盟国にもヤマト軍はやる! 

ヤマト軍はやはり強い! と宣伝するのです。そうすれば、今後の作戦においても- 首都エドを奪還し、ヤマト国から魔軍を追い落とす戦いもさらに有利に進めることができるでしょう!」


“ヤマト軍はやる!”

“ヤマト軍はやはり強い!”

“首都エドを奪還!”

“ヤマト国から魔軍を追い落とす!”


 ヤマト人であれば、ヤマトの軍人であれば、誰でもウルっと来て、ヤル(戦う)気を奮い起こさせるワードを駆使したレオの雄弁に、そっぽを向いていた者も、小声でブツブツ言っていた者も、あまり関心をもって聞いてなかった者も、全員、レオを見た。


 そして... 


彼らの目が輝きはじめた。


おいおい、これは熱血スポーツマンガかよ?”

と誰かからツッコミが入りそうな、見事な状況の変化だった!


「よーし。みなの者、レオ殿の説明はよく分かったな?」


「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」

一斉に返事をする。


「ようわかりましたぞ!」

トクガワ・イヌヤスが大きく頷き


「合点できましたぞ!」

サル顔のサルも膝を拳で打った。


「では今から作戦の詳細を詰めることにしよう」


かくして、ヤマト国軍による反撃計画がスタートした。




 ヤマト国軍が対峙しているのは魔軍第六軍の120万の兵力。

 対するヤマト国軍の兵力は80万。


 数量だけからいえば魔軍は1.5倍であり、その装備もヤマト国軍を上回っている。

 第六軍は軍団長と副司令官の二人をレオに倒され、ギフの町に駐留していた魔軍はレオの衝撃波攻撃により大きな被害を(こうむ)り大混乱に(おちい)って無様にも退却し、その噂を聞いた前線部隊もこぞって北へ逃げて行った。

しかし、魔軍はすぐにでも新しい軍団長を任命し、大勢を立て直して巻き返しに来ることは必須だ。



 それをどこで迎え撃つか?

地図を見てレオが決戦の場所として選んだのが、数日前までは魔軍の占領下にあったクシャミガ原という場所だった。

三方を山に囲まれた平地で、そこに北側- イーストランジアにおいて魔軍が占領を続ける元エルフ国の領土- から入るには、幅のせまい山間を通らなければならない。

この特殊な地形をうまく利用することをレオは考えたのだ。


 しかし、魔軍は雪辱戦と考えて、ヤマト軍を殲滅させるべく大兵力を差し向けて来るであろうし、迎え撃つヤマト国軍は全戦力をこの決戦に投入するわけにはいかない。「最大でも40万であろう」とノブノブ将軍は言った。


 魔軍の兵力は圧倒的だ。

万一、作戦が失敗した場合に後詰めがなければヤマト国軍はイーストランジアの南から追い落とされることになり、さらに王国政府が亡命しているエゾ島まで魔軍の標的になりかねない、と将軍の側近たちが安全策を提言したのだ。


 ノブノブ将軍も事の重大さは十分承知しているため、側近の武将たちの意見を無視するわけにはいかない。したがって残りの40万の兵力は後方で温存されることになった。


レオはそんなデリケート状況も理解しつつ、ある秘策を「これだけは絶対にやってください!」とノブノブ将軍に言った。


           クシャミガ原

           挿絵(By みてみん)




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