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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
転生の章
58/526

2-39 ホワイトドラゴン

メインストーリーの再開です。



「ノブノブ将軍、ノブノブ将軍はいずこにー?!」


「将軍、将軍ー! たいへんですーっ!」


部下の将校たちが数人、ドタバタと洞窟の中をノブノブ将軍を探している。


「ワシはここだー!どうした、騒がしい。魔軍の攻撃がはじまったか?!」

“朝っぱちからうるさいな...”とズボンのベルトを締めながら将軍はトイレから出た。


「あ、将軍、ここにいましたか、たいへんです!」

「ノブノブ将軍、たいへんなモノが発見されました!」


作戦会議室に向かう将軍のあとを追いかけながら将校たちは大声で言い続ける。

その作戦会議室では、レオがノブノブ将軍の部下の将軍たちと作戦について検討していた。

アイミもランもそこにはいない。どこかで女子トークか恋バナでもしているのだろう。


「で、魔軍の攻撃でなければ、どんなたいへんな事が起こったんじゃ?」

作戦会議室の自分の椅子に座りながら聞く。

「偵察隊がギフの町から90キロのところにあるカイの町を調べていたところ、郊外にミハリバンと呼ばれる岩山がありまして、そこで真っ白いブラックドラゴンが二匹見つかったのです!」


「なにィ? 白いブラックドラゴン?なんじゃ、それは?」

「偵察隊によると、ミハリバン山は、どうやらブラックドラゴンたちが巣に使っていた場所のようで、岩山の下には馬や牛や人族の骨がたくさん散らばっていたそうです」

「ほーぅ!」

「偵察隊がその岩山に行ったときは、すでにブラックドラゴンたちは魔軍といっしょに逃げていったあとだったそうですが、その岩山にあった大きな洞窟の中に白いブラックドラゴンが二匹閉じ込められていたと言うのです!」


「なにィ?閉じ込められていたァ?」

「はい」

「それも白いブラックドラゴンだと?報告間違いではないのか?」

「いえ、たしかに白いブラックドラゴンだと。」

「どうしてその二匹は白いのだ?」

「さあ、我々にもわかりませんが、かなり弱っていたそうですが、ブラックドラゴンに変わりないから殺そうとしたそうですが、偵察隊の隊長のミヤモト中尉が、ノブノブ将軍が興味をもつかも知れないから、まずはご報告をしてご意見を聞こうと言われて、急ぎ報告に伝令をこちらに送ったそうです。」


「ふうむ... 白いブラックドラゴンとはたしかに奇妙だな...」

「ちょっとオレが行って見て来ます。」

「おお、レオ殿が見に行ってくれるか?」

「ええ。アイミとランを連れて行きたいのですが、どなたか知らせてくれますか?」

「誰かあの二人を探して伝えて来い!」

すぐに一人の将校が部屋から出て行った。部下に命じて探させるのだろう。



しばらくすると、アイミとランがやって来た。

二人ともかなり仲がいいみたいだ。

「レオさま、なにかありましたか?」

「レオ様、どうかなさいましたか?」

白髪と黒髪の美少女が同時に聞いてくる。


「あ、実はね、カイという町の郊外にあるミハリバンとかいう岩山で白いブラックドラゴン... 白いのにブラックドラゴンというのも変な呼び方だけど― が二匹見つかったんだって」

「えっ?白いブラックドラゴン?」

「それでアイミちゃんとランちゃんを連れて見に行こうかと思っているんだよ。」

「その場所知っています!」

「なら都合がいい。ランちゃんに道案内してもらうとするか!」

「はい。おまかせください。」

「よし、これで決まりだ!ここからだと、どれくらいの距離があるのかな?」

「そうですね、ギフからカイまで90キロほどの距離ですから、ここからギフまでは50キロなので150キロくらいの距離になりますね。」

「そうか。じゃあ、さっさと走って行ってくるとするか...」


それまでだまって聞いていたノブノブ将軍が驚いて聞く。

「なんと!レオ殿はカイの町まで走って行かれるのか?馬は使わんのか?」

「いえ、馬は必要ありません。走って行けば、1時間半もあれば着くでしょう」

「うむむむむ... レオ殿はたいしたものだのう。わが軍のニンジャ部隊の中にも、そのような瞬足の者はいないであろう...」

「では、こちらに来た時とおなじく、私がレオさまの背に...」

「ちょ、ちょーっと待って、アイミちゃん。そのことについては、ちょっとオレたちの部屋で話そう。持っていくものもあるし...」

「?...」



 アイミはなぜレオが自分の話そうとしたことを中断したのかわからなかったが、移動方法などという些細な事で将軍たちの貴重な時間をとってもしかたないから、と判断したのだろうと思って、だまってレオについてランといっしょに自分たちの部屋まで行った。


 部屋に着くとレオはアイミを見て話しはじめた。

「あのさ、アイミちゃんはオレの背中におんぶされて移動するつもりなんだろう?」

「はい!」


当然のごとくアイミは元気よく返事をする。


と…


「えーっ、アイミさまはレオ様におんぶされていくんですかぁ?じゃあ、私は?」

「それなんだよね... 行くのはアイミちゃん一人じゃないから、どうやって二人をいっしょに担ぐかなって考えて、作戦会議室でそんな話をしてもしかたないので、ここでよく話し合おうって思ったんだよ。」

「私もレオ様におんぶされていきたいです...」

ランがちょっとプーっとふくれた顔で言う。


「あの... ランさん、お気持ちはわかりますけど、おんぶ席はすでに私の指定席となっているのです。」

「おいおい... なんだよ、その指定席というのは?」

「あ、いえ、レオさまのおんぶ席は、すでに私が優先権をもっているとランさんに言っているのです...」

「アイミさん、ズルい! レオ様はそんなこと言ってないじゃないですか?」

「ええ。でも、私が先におんぶしてもらったので、当然、私に優先権があるのです。考えてごらんなさい...」

レオのおんぶをめぐって夜叉娘とエルフ少女が目から火花を散らしていた!


「しかたないな。天秤棒に二つ籠を下げて、それに二人を乗せていくか...」

「えーっ、テンビンボー?」

「そんなの嫌です。魚や野菜じゃないんですから!」

二人ハモって口をとがらせてブーイング。


「じゃあ、行きはアイミちゃんをおんぶ。帰りはランちゃんをおんぶということにしよう。」

「じゃあ、もう一人はレオさまのアタマにでも座って行くのですか?」

「まさか。もう一人はオレの前な。つまり前だっこというわけさ」

「前だっこ?」

「あ、それいいかも!」




 出発は昼食後として、それまでの数時間はちょっと忙しかった。

そう、レオが前に女の子を入れるカゴを作ったのだ。カゴといっても、自転車の前に取りつける子どもを乗せるようなモノで、ヤマト人たちが農作業などでふだん使っている大きめの籠を改造して、大人が入って座れるようにちょっと改造したのだが、実際に乗ることになるアイミとランにも手伝ってもらった。


 自分の方を向いてカゴの中に座るようにしても、女の子の顔がレオの顔に近すぎてレオが走るのに集中できないと思って、走行方向を向いて座るカゴを作るようにと二人にたのんだ。


 アイミとランが二人だけでカゴの改造をすることになったのだが、部屋を出る前にレオが二人の作業を見ていると、アイミは()()()()()()()でほとんど何も出来なかった!

 予想以外だったのはランで、けっこう器用に小刀を使ったり、ハサミで布を切ったり、針で縫いつけたりと手さばきも上手に作業していた。


 アイミとランが作るのは、座る部分にカゴの底を使い、その上に座布団を縫いつけ、足を出す穴をカゴに開け、そのカゴを上下から二本ずつベルトでレオに固定するというものだった。

 もちろん、カゴの底が抜けないように補強はしなければならない。


“不器用なエルフに器用な夜叉美女か... 

でも、奥さんにするなら不器用な奥さんもドジばかりやってカワイイし、器用な奥さんも何でもできていいな…”


なんてレオは想像していた。


「ところで、今回の任務とはぜんぜん関係ないんだけど、アイミちゃんとランちゃんって料理とか得意?」

「えーっ、なんでですか、突然に。レオさま? 私は小さいころから魔法の修行ばかりで料理を習うヒマなどなかったんです...」

とちょっとかわいいエルフ耳を下げるアイミに対して


「私はしっかりとノブノブ将軍の奥様に教えられましたので、一応なんでも出来ます。

今度、材料を集めてヤマト料理など作って差し上げましょうか、レオ様?」

とエルフ少女にくらべてはるかに豊かな胸をはって言う夜叉美女。


「まあ、料理ができなくてもいい奥さんになれるし、料理が上手ならダンナさんもよろこぶよね?」

「......」

「......」


 二人ともだまってレオの言葉を聞いていたが


アイミ:“うれしい... 料理ができない私でもレオさまの奥さんになれるんだ...” と内心よろこび。

ラン: “やったー!これでポイント稼げたわ!今度おいしい和食を作ってあげれば、たぶん私が奥さん候補の最短距離ね!”と心の中でガッツポーズを決めた。


好きな男性を前にした女性たちの戦いとは凄まじいものがある。

知らぬはレオばかりだった。


そこへ、一人の将校が来て、レオに魔軍のことでノブノブ将軍が聞きたいことがあると伝えたので、レオは作戦指令室へもどっていった。


しばらくしてから部屋にもどって来たレオ。

「レオ様、カゴできました!」

「あんがい座り心地よさそうです!」

「よし、では早速前にカゴをくくりつけてっと... オーケー、これでいい。ちょっとしゃがむから、アイミはおんぶ紐をかけて、ベルトをオレに渡してくれ」

「はい。」


アイミはおんぶベルトを自分の背にかけて、いそいそと背中におぶさるとレオの肩にベルトの両端を渡し、おしりを支えるベルトと合わせしっかりと締めてもらう。


ムギュ~ゥとアイミの体がレオの背に押しつけられ、アイミはひとり頬を染めていた。


「よし、こんどはランだな。じゃあ、その椅子を引き寄せて、椅子を台にしてカゴに入ってくれ。」

「はい!」


言われたとおりに椅子を引き、その上に乗ってから横に立っているレオが抱えているカゴに入ったラン。

「はい。これでおーけーです!」

とレオのマネをしてOKサインを出すラン。


しかし…


「ラ、ランちゃん...!」

なんとキスができそうなほど近いところにランの顔があるのに慌てるレオ。


「はい、なんですか、レオ様?」

「カゴの入り方、間違えてない?」


するとランはさらにレオの顔に近づいて

“ヤバイ... 彼女の吐く息が感じられる...”

「いいえ、最初からこういうふうに使うように作りましたので!」


それまでは、久しぶりに感じるレオの背中のあたたかさを堪能していたアイミ。

ふと、何やら異常なこと(?)が起こっていると感じ、レオの肩から顔をのぞかせて前を見た。


「ちょ、ちょっと、ランさん!」

「はい。何でしょう、アイミさん?」

「な、なんですか、その体位は?!」


「あ、これですか?私はレオ様が1時間に100キロも走ると伺って、そんなに速いと怖くなるので、前を見ないように後ろ向きに座るようにしたのです!」

平然と答える夜叉美女。


「つっ.....」

「.........」


何も言えないレオとアイミ。


エルフ少女と夜叉少女の目からさらに激しい散る火花が散り、二人の美少女のライバル意識はさらに高まった。


レオは前途多難を感じた。




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