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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
ラストウオー
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11-26 オマゾンを救え②

 魔軍総司令部の参謀部が考案した『毒蠍(サソリ)作戦』は、オマゾン地域の有尾族を手なずけて傭兵に使うというものだった。

幸い、老軍団長オロブマムはオマゾン地域の有尾族たちと良好な関係を築いていた。

原住民である彼らと諍いを起こしては、作戦に差しさわりがあると考えたのだ。


 ただ、彼は有尾族を手駒代わりに使うということは考えてなかった。そこまで魔軍は堕ちてないと考えたのだ。

老軍人であるオロブマムは、この年代の者がほとんどそうであるように、頭が固く伝統と格式を重んじる魔軍将軍だったのだ。


 オロブマムに代わって第三軍の軍団長になったボリゾディスは、固定観念に捉われず、結果さえ出せれば方法は構わないという若者独特の柔軟な思考の持ち主だった。

 オロブマムの後を継いで軍団長に任命され、任地に着くと、早速オマゾン地域の有尾族について調査をさせ、手駒にするのはもっとも戦好きで狂暴、そして人口の多いカインガー族を手なずけることを決定したのだ。

 そしてカインガー族の大酋長ツピナンバをプレゼント攻めで味方につけたのだ。

大酋長さえこちら側につければ、ほかの酋長たちも右に倣えで魔軍側についてしまった。

有尾族は長い尻尾を使って木の枝から枝へ飛び移ったりできるので、ジャングル戦では圧倒的に有利だし、彼らの使う武器、吹矢は音もせずに敵を倒せる。


 しかし、有尾族を味方につけるという策は、実はボリゾディスの考えだしたことではない。

この話は彼が部下たちに語って聞かせる自慢話で、実は魔軍総司令部の参謀であり、ボリゾディスの元恋人であったボウデイッカが考えてボリゾディスに教えたことなのだ。 

 ハイバデイッカとボウデイッカは、彼女たちに参謀学を教えた魔軍の元参謀ヅァルドス― 戦いで片腕と左目を失い退役軍人として暮らしていた― に、母親のベイアリア(ラヴォルジーニ134)とともに魔都に連れて来られた。


 魔軍の高層部(トップ)にコネのあったヅァルドスの口利きもあって、魔軍の司令部にはいることができたベイアリアは、その才能都美貌を魔王に認められて総軍統括長になった。

 ハイバデイッカとボウデイッカも参謀部に入ることができたのだが、そのときの二人の恋人がボリゾディスとバリゾディスだったのだ。 



 パタチョン族の奴隷たちに長い丸太に綱で縛られて担がれて連れて来られた三匹の人魚を見たとき、ボウデイッカはあっけにとられた。

 ちょうどそのとき、彼女は援軍司令官グヴァシル将軍やほかの参謀たちと司令部の建物で作戦の打ち合わせをしていたのだが、急に外が騒がしくなったので窓から見た。

 すると、司令部から15キロほど離れたところにあるイリリ川まで補給物質を運んできた水中船まで出かけたボリゾディスたちが帰って来ていた。


 つい十日ほど前にカインガー族が部族同士の戦いを挑んで勝ったパタチョン族の有尾人たちが奴隷として積み荷を下ろす作業に使われており、彼らが水牛に引かせている荷車の上に三匹の人魚が丸太に縛られた状態で連れて来られ、司令部の中へ連れて来られたのだ。


「ボリゾディス、なに、この娘たちは?」

「なにって、ごらんの通り人魚だよ」

「人魚って初めて見るんだけど、こんなものを司令部に連れて来てどうするの?」


 見ると三匹ともグッタリしており気を失っているようだが、ひと目で美しいメス‐と言っていいのかどうか、あまりにも人族そっくりの顔つきなのでボウデイッカは内心おどろいていた。

胸なども布みたいなので先端が覆われているがボウデイッカよりも豊かなようだ。


「人魚の肉を食べると長生きするんだって!」

「あなた、まさかこのかわいい人魚たちを...」

「まさか!食べるのはツピナンバ大酋長さまだよ。俺は三日間借りただけ!」


そこまで聞いてボウデイッカはボリゾディス の意図を察して唖然となった。


「ボリゾディス、あなた、まさかこの人魚たちと...」

「そう。手慰みにしてやるんだよ。何か要望でもありますか? 総司令部参謀さま?」


 元カレだったボリゾディスは、今や軍団長だ。

作戦や任務遂行能力に問題がない限り、いくら総司令部から派遣されて来た参謀といえどプライベートなことで口をはさむ理由はない。

 それは増援軍の指揮官として、いっしょに来たグヴァシル将軍も同じ考えのようで、若い人魚たちをめずらしそうに見てはいたが、何も言わなかった。

 彼は増援軍の指揮官で、戦地ではボリゾディス軍団長の指揮下に入るように命令を受けていたからだ。


「とにかく、この娘たちをこのままにしていても仕方ないでしょう? 

逃げ出さないように金網かなにかで囲って、近くにある湖に夜まで置いておくといいわ!」

「俺はいろいろと忙しから、そんなに気になるのなら参謀さんがやってくれよ」

そう言い残すと、ボリゾディスはシャワーを浴びるために彼の部屋の方へ歩いて行ってしまった。


「しかたないわね... ちょっと時間をちょうだい。この人魚たちの面倒を見てあげるから」


作戦図がおかれたテーブルの周りにいた軍団参謀や将校たちにそう言うと、ボウデイッカは自分の副官の女性将校に数人を呼んで人魚たちを綱からほどき将校用のバスタブまで連れて行くようにたのんだ。


 すぐに6人ほどの魔軍女性将兵がやって来て、丸太に縛りつけられたままの人魚たちを担いで女性将校用のバスルームがある方に連れて行った。

 床からふたたび担ぎ上げられたとき、一匹の人魚が「ううーん...」とうなるのを聞いて、この人魚たちはおそらく麻酔でもかけられているのだろうとボウデイッカは思った。

 

 副官ローズルが前もって指示していたらしく、バスルームでは女性将校たちはキビキビと動き、人魚たちを綱からほどく者、バスタブに水を満たす者、丸太を外へ担ぎ出す者と手際よく進め、水がいっぱいになったバスタブに胸を覆っていた布をとってハダカにした人魚たちを入れると、泥や落ち葉などがついた身体を洗いはじめた。


 三3匹の人魚は、いずれも若いらしく、人族の女性のそっくりで顔もうつくしく、胸も張っていた。

一匹は水色の長い髪を持つ人魚で、どうやら格式のある人魚のようで、頭に金と宝石で飾られたリングをはめていた。

 あと二匹のうち一匹は緑色の髪をもち、もう一匹は黄緑色の髪で、こちらは水色の人魚よりも胸が大きかった!


 “なに、この人魚の胸? 私の胸より大きいじゃない!”


 ボウデイッカは、人魚の胸の大きさにおどろきながら、も黙って見ているだけでなく、三匹の中でもっとも美しい、水色の長い髪をもった若い人魚を洗いはじめた。

 人魚は上半身は人族そっくりだが、下半身はウロコ状のもので覆われていて、大きな尾ひれがあり、体長は尾びれが長いこともあって2メートルを少し超える大きさだ。

 

“頭にこんなアクセサリーをはめているなんて... 

もしかしてこの子はノーブル人魚? 年齢はいくつくらいなのかしら...?


髪を洗うのに邪魔になるので、金と宝石で飾られたリングを外してつくづくと見る。


“それにしても、人魚ってこんなに美しいのね”


胸も張りがあって形よく、ポッチリもピンク色でとてもきれいだ。

洗っているときにわざとを胸をさすると―


「ああ...」


無意識ながら気持ちよさそうな声がかわいい口から漏れた。


「人魚でも、やはり交尾はするんでしょうね?」

いっしょに洗うのを手伝っていたローズルが誰にともなく言った。


彼女はボウデイッカより二つほど若いが、総司令部の若い将校とアツアツの仲だとボウデイッカに話したことがある。休みの日などは彼とたっぷりアレを楽しむのだそうだ。


「人魚も動物だから、孳尾(つる)むのするでしょうけど... 人魚って腰はあるけど、どうやってやるのかしらね...」


「参謀、これじゃないですか?」


若い人魚の体を調べていたローズルが、人魚のかわいいオヘソの20センチほど下にある切れ込みのようなスリットを見つけた。


「えっ...? それがそうなの?」


「と、思いますけど」


そう言うと、ローズルはスリットを両手でそっと開いた。

人魚の生理学にかなり興味があるようだ。


「この人魚、まだヴァー〇ンみたいですよ、参謀。」

「えっ、よくわかるわね?」

「だって、これを見てください。これは処〇膜でしょう?」

「えーっ、ショ〇ョマク?!」


 ボウデイッカが素っ頓狂な声を出したので、周りの女性将兵たちがおどろいて彼女を見る。

そして二人が何をしているのか見て、彼女たちも若いし、人魚に興味があるようで(それとも面白半分?)、それぞれ緑色の髪と黄緑色の髪の人魚の体のあちこちをさわったり、いじったりしはじめた。


「あぁん... ピュ――…」

「ふぅん... ピュゥ――…」


気持ちがいいのか、緑色の髪と黄緑色の髪の人魚たちが無意識のまま、声を出しはじめた。


「あら、気持ちがいいみたいですわ、参謀!」


「え? 人魚って、私たちみたいに感じるのかしら?」


若い女性参謀たちは、もう人魚たちを洗い終わっていたので、好奇心から人魚たちを面白がってなでたり、さわったり、もんだりしはじめた。



緑色の髪と黄緑色の髪の人魚が、ほぼ同時に目を開けた。


「■■■■■!■■■!ピュ―――――!」

「■■■■!■■■■■!ピュ―――――!」


周囲の状況におどろいて、意味のわからない言葉を出して両手で胸を押さえて、警笛みたいな音をたあてる。


その音で気がついたのか、水色の髪の若い人魚も藍色のうつくしい瞳をパッチリと開けた。


「!... ■■■■■■■!ピュ―――――!」


同じように、露わになっている胸をあわてて隠して汽笛のような音を出した。

そしてバスタブの中でちぢこまってしまった。


「だいじょうぶよ。私たちはあなたたちに危害を加えるつもりはないわ!」

「そう。泥だらけでよごれていたから洗ってあげただけよ!」


ボウデイッカとローズルが必死に口々に言ってなだめると、言葉がわかったのか静かになった。

ただ、水色の髪の人魚はなぜか顔が真っ赤になっていた。


「あら、この子は私たちの言っていることを理解しているみたい...」


ボウデイッカは、人魚の女の子が赤くなったのは、ローズルが言ったことを理解して、ボウデイッカたちが何を自分にしたかを察したための羞恥だと思った。


「この子たち、予想以上に知恵がありそう...」




 *  *  *





「レオさま」


「うん? どうしたの、アイミちゃん?」


 勇者王国オクタゴン・ハウスのレオ王の寝室。

たった今、アイミ女王はレオと夫婦がするべきことをしたあとで、幸福な余韻にひたっていた。


 アイミはレオの腕を腕枕にして、白くて細くやわらかな身体をレオの身体によせて、キラキラ光る蒼い目で愛するレオを見ていたが、急に半身を起こすと真剣な顔でレオを見て言った。


「人魚のお姫さまが助けを求めています!」


「ええええ―――? ニンギョおお?」


「はい」


「人魚って、あの身体の上半身はアイミちゃんみたいにきれいで、下半身がお魚さんみたいな生き物?」


「じょ、上半身が私のように小さい胸かどうかは知りませんけど、おっしゃる通り、上半身は人族そっくりで下半身はお魚の種族です。」


レオもガバっと半身を起こすと真剣な目でアイミを見つめた。

そしてやおら両手をのばしてアイミの小ぶりだがふっくらとした胸をさわった。


「レ、レオさま... なにをなさっているのですか?」

「いや、なに... 人魚さんの胸もこんな感じなのかな、と思って」

「レオさま、私は真剣です!」

「オレも真剣でアイミを愛しているんだよ?」

「えっ、ムギュッ!」


そのあとは言えなかった。

レオがアイミのかわいい口を吸ったからだ。


「ムギュギュギュ!」

(わかっているって... 人魚姫さまを救いに行かなければダメなんだろう?)


レオはアイミに濃厚なチューをしながら念話で話す。


「ムギュギュ...(そ、そうです。こんなことをしている...)ギュ!」

(今すぐ行かなきゃ死んじゃうの?)

「ムギュ...(いえ、今すぐ死にはしませんけど貞操の危機がせまっているそうです)ギュギュ!」

(えっ? 貞操? 人魚姫さまの貞操の危機?)

「ムギュウ...(かよわい人魚のお姫さまの貞操の危機なんです))フムギュ!」

(それは今すぐ?)

「ムギュギュ...(いえ、今すぐじゃないけど...)ギュギュ!」

(じゃあ、あと1時間や2時間はだいじょうぶだな?)

「フギュギュ(あと1時間も2時間も愛してくださるのですか?)ギュ?!」

(そのつもりだよ)

「フギュギュ(うれしーい!)ギュー!」


 アイミはヒシっとレオに抱きつきついた。

そしてやわらかなオシリで、ベッドの上に座っているレオのひざの上に座った。


「こうやって、アイミちゃんの方から積極的にアプローチしてくると、アイミちゃんがオレにプロポーズしたときのことを思い出すな...」

「私が石にされたのを、おばあちゃんが元にもどしてくれたあとのこちですね?」

あの日、レオはアイフィママから呼び出しを受け、アイミの家に行ったのだが、アイミはいなくてオイヴァルドパパ、アイフィママ、アイホおばあちゃん、それにオジロンじいさんがいた。


応接室の椅子に座るのを待ちかねたように、アイフィママが開口一番切り出した。


「レオさん、私たちはあなたに一日も早くアイミと結婚して欲しいと思っています!」


そんな話を切り出されるとは予想していなかったレオは、一瞬頭の中が真っ白になったが、


“はは~ん。アイミがいたら、「まだ早すぎます!」とか言って反対されるのを恐れて、アイミ抜きで話す気だな...” と考えた。


オイヴァルドさんがアイフィママの後を続けた。


「たしかに、君もアイミも若い。だが、万一、昨日のようなことがまた起こって、次は取り返しがつかない状況だったら、アイミは好きな君と結婚できなかったのを悔やむと思うのだよ。」


 たしかにそうだ。

アイミは純粋だし、その純粋さでレオを愛しており、レオのためなら自分の命でさえも投げ出すということは、レオをかばって石化された今回のエピソードでも明白だった。

しかし、親としては一人娘のアイミに、人並み‐いやエルフ並みというべきか‐に平凡に結婚して家庭を持ち、子どもを作って欲しいというのが本当の気持ちだ。


「レオちゃんは、まだアイミとアレはしてないでしょう?」

 アイホおばあちゃんが後ろの椅子から平然と聞いた。


「えーーっ、な、なんですか、その質問はーー?!」


レオがシドロモドロになり、「まだイチャイチャしかしていません」と答えようとしたときに、ドアがバターンと勢いよく開いてプンプン顔のアイミが入って来た。


「その質問には私が答えます!」


最初にそう言ったエルフ美少女は、続いてハッキリと言った。


「レオさまとは、まだアレはしていません!」


そう言うとたちまち真っ赤になってしまった。

そしてトトトっと走って来て、ぴょんとレオの膝の上にすわったのだ。

やわらかいオシリの感触がずんと膝に感じられて、レオのどこかがたちまち反応した?


 アイミはノースリーブのかわいい白ブラウスと裾がふわっと広がった白のロングスカートを着ていた。

アイミは白い腕をレオの首に回して、積極的に自分からレオに口づけをした。


甘くいい香りがする。


レオはムフフな気分だった。


アイフィママは、と話しをするために、口実を作っていとこのメリッサの家に行かせたのだが、

アイミをごまかせきれなかったのだ。


そう。

アイミは、いつも積極的なエルフなのだ。


冒険においても


恋においても





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