2-27 賞品に夜叉娘をもらっちゃいました!
ヤマト軍の剣豪たちと野試合をして勝ったレオだったが…
その賞品(?)にランちゃんをくれると言うノブノブ将軍の言葉に、驚きのあまりズッコケそうになるレオ。
アイミも目を丸くしている。
「しょ、将軍、ランちゃん、いや、ランさんをオレにくれるとはどういうことですか?」
「なに、言葉通りの意味じゃよ。煮るなり焼くなり好きにするがよい。」
「煮るなり焼くなりって言われても...」
「レオ殿、ワシはな、“直観”というものを信じておる。これまで度々これが最後かと思うような事態に直面したこともあるが、ワシが直観で召し抱えた者の働きや、直観で立てた作戦ですべて凌いでこれた。」
「はあ......」
「ワシは、貴公を最初に見たときに、“この若者はとてつもない大きな何かをもっている”と感じたのじゃ。もしかしたら戦局を、いや、ヤマト国の歴史を大きく変えることができる者かも知れぬ、とな!」
「.........」
「ランもこのワシの決定に異議はない。のう、ランよ?」
ノブノブ将軍は、慈しむような眼で黒髪の微笑をを見る。
「はい。お養父様の仰せの通りに、今後はレオさまにしたがわせていただきます。」
なぜかランは頬を赤く染めて答えた。
「それにのう。貴公はそこにおるアイミと呼ばれるエルフ魔術師とも、すでにイノチの絆を結んでおるようじゃが、ランを“ちゃん付け”で呼ぶほど貴公とランはすでにイノチの次元で繋がっておるということじゃ」
「えっ、あ、あれはついアイミを呼ぶときのクセが...」
「よい、よい。それにな、ランは貴公に後ろから抱かれたときに、もしランが貴公を攻撃しようと思えば出来たのだ。それをあえてしなかったというのは、貴公を自分のイノチを預けるに足りる者― つまりランの主人と考えたゆえであろう」
「えーっ、オレがランちゃん、いや、ランさんの主人?」
「わたしではイヤですか、レオさま?」
顔を赤くしながらちょっと下を向いた姿勢から上目遣いにレオを見る黒髪の夜叉娘。
「イヤ、そうではないけど...」
「では、決まりじゃな?」
「不束者ですが、これからヨロシクお願いします。レオさま!」
どういうつもりか、ランはまるで嫁入りした女性が言うようなセリフを言った。
「は... はい。こちらこそよろしく。」
しどろもどろで返事をしたが、こうしてあれよあれよと思う間に、女性のPTメンバーがもうひとり増えることになってしまった。
いや...
これははたして、女子PTメンバーなのだろうか???
“大体、“ヨロシクお願いします”って何だよ? まるで、オレのおヨメさんに来るみたいじゃん?!”
レオは少々混乱していたが、あらためてよくランを見ると…
たしかに美しい。
動作もおしとやかで、いかにもヤマト国の女性らしい。
胸も...
アイミのよりはかなり大きい。
“これは需要だぞ。Dカップくらいかな”
などと想像しながら、先ほどランを後ろから抱いたときの感触を思い出していた。
ふと視線を感じて見回すと、アイミがレオを凝視していた!
そしてレオがランの胸と彼女の胸を見比べているのを察知したのか
アイミは顔を赤らめて、胸を両腕で隠してしまった!?
昼過ぎから、ノブノブ将軍は全ての方面司令官や武将たちを集めた。
そして、「わが軍は、これから魔軍に対する反撃作戦を練る!」と告げたのだ。
部下たちからは響きが上がった。
「当然、わが軍の反撃計画にはレオ殿たちの参加が不可欠であるが… とにかく、レオ殿とアイミ殿の話によれば、ドワーフ軍側にもヤマト軍と同時に魔軍へ攻撃をかける作戦の提示がされるそうじゃ。
レオ殿もアイミ殿も、並外れた戦闘能力を持っておるそうじゃが、ドワーフ軍との折衝を任された3人も、レオ殿たちの話によれば、桁外れた戦闘能力をもつらしい。
すべては、ドワーフ軍との折衝次第となるが、その時のためにもわが軍は準備をしておかなければならん!」
その後で、ノブノブ将軍が部下の将軍たちと作戦会議室で反撃作戦について話し合っている間、レオは別室でランから話を聞いていた。
ラン ― 本名はモリ・ラン。
彼女はノブノブ将軍の養女で、年齢は18歳。
鬼人族の中でも希少種である夜叉族と人族のハーフだが、角はない。
身長152センチ、陶器のように美しい肌と黒い髪をもつランの特技は瞬間移動と念力。
野試合の時も瞬間移動で20メートル飛んでレオを攻撃したそうだ。
メッチャ危険なチートだ。
ちなみに、ランのステータスとスキルは、
《ラン:ステータス》
《装備:》
E 脇差
E 鎖帷子
E シノビ装束
E ブーツ
スキル:瞬間移動、念力
そして、ランは2年前の魔軍による首都エド攻略の裏事情について語ってくれた。
それによると、首都エドの防衛軍司令官であったアケチ・ハニー・ヒデが魔王に懐柔され、魔軍部隊が夜陰に紛れてエド湾より上陸したという報告があったのを「オットセイかアザラシが上陸したのを見間違えたのだろう」と無視し、魔軍の上陸を許したために対応が遅れ、ヤマト軍の首都防衛軍はほとんど戦わずして魔軍に殲滅された。
また、担当の連絡将校を殺してオダ・ノブノブ将軍に魔軍侵攻の情報が届くのを阻止し、その上、魔軍との戦いで起きた混乱を利用して、手持ちの部隊に魔王がオダ将軍に成り代わっているとデマを飛ばし、ノブノブ将軍を殺そうとしたが、危険を察知したランの機転によってノブノブ将軍は間一髪で逃れることが出来た。
しかし、残念なことに、ノブノブ将軍の妻とランの両親もすべて皆殺しにされた。
もっとも、将軍の長男と次男はミッッデンランジアにいたので無事であったが。
「そうか。じゃあランちゃんはその時はすでにノブノブ将軍といっしょに住んでいたわけだ。」
「はい。私はノブノブ将軍のお父様であるノブサラ様が、ミッッデンランジアの各種族と平和協定を結んだときに、ノブサラ様の人格に深く感銘した祖父― 夜叉族の酋長 ― が、わたしの母をを、ノブサラ様に側室にと差し出したのをノブサラ様がヤマト国へ連れて帰り、しばらくしてオダ家で勤めていたモリ・イチシンという若い従者- 私の父となった方ですが- その男性と結婚して、それで生まれたのが私なのです」
つまり、ランは人族の父と夜叉族の母をもつハーフと言うことになる。
ちなみに、ランによれば両親は相思相愛の仲となっていたのをノブサラ将軍の妻が気づき、結婚させたのだそうだ。そして娘がいなかったノブノブの妻は、ランを養女として育てていたのだそうだ。




