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DK世界に行ったら100倍がんばる!  作者: 独瓈夢
転生の章
36/526

2-17 いよいよ冒険の旅スタートです!

 そして今ふたたび―


レオにとっては例のオブジェを抱えて行ったり来たりしたので十数回目だが- 

みんなは地下聖堂のゲートの前にいた。全員、しっかり装備し、背中にバッグやリュックを背負ったり、肩掛けバッグをもっている。


「オーケーよ。今、呪文を唱え始めるわ。シーノちゃん、お願いするわ!」

(じゃあイザベル、始めるわよ)

「おう!オレたちの方はいつでもオーケーだ!」

 

 イザベルが呪文を唱え始めると魔法陣の斜め上に停止したシーノの光の輪がみるみるうちに大きくなり、レオ、カイオ、イザベル、アイミ、ギブを包む。

金色の光の輪はさらに大きくなり、魔法陣までその範囲に入ってしまった。


「ジ…ジジジ…ジジジジ…」


聖堂内の空気が震えるような音がする。


 魔法陣の描かれた壁の下方にあった黒い石- 横4メートルほど、縦2メートル半ほどの一面に白く魔法陣が描かれてある石- がブンっとうなり 次の瞬間、まるで巨大なスクリーンに投影しているように、ミイテラの世界の景色が現れた。


「よし、行くぞ!」

「オーケー!」

「行きましょう!」

「はい!」

「はいっ!」


 次々とゲートをくぐりミイテラの聖堂に出現した5人の勇者。

元エルフ国の首都アルフヘイムー 今は魔王ルシードが魔国デーモンランジアの首都カーマダトゥーと名付けた聖域は朝だった。


霧が深く立ち込めている。日はまだ上ってないようだ。

「よし、じゃあアイミさん、打ち合わせ通りステルス魔法でみんなの姿を隠してもらえますか?」

「はい!」


アイミが詠唱をはじめると、みんなの周りに空気のレンズのようなものがかかった。これで外からは中にる者が見えなくなる。


「では、道は避けて森の中を神の山目指して行きましょう。」

「聖堂は神の山の東だから西を目指すのね。」

「はい。」

「じゃあ行こう!」

「おう!」


 5人は森の中を神の山ミトラカルナーを目指して走りはじめた。

アイミたちによると、聖堂からミトラカルナー山の麓までは10キロくらいの距離だというから、2時間ほどで到着できる予定だ。

 アイミにはステルス魔法のほか、疲労がたまらないように数分毎に回復魔法をかけてもらう。

魔軍の巡回警備隊に見つからないように気をつけて街道や道から離れたところを走る。


 アイミの回復魔法の威力はさすがで、1時間走ってもまったく息も上がらなければ疲れも感じない。もっとも、テラでは時間の許す限り、みんな体力をつける訓練や剣術の訓練などをしていたのだが。

「さすがに舗装された道を走るように速くは走れないが、この分だとあと1時間もすれば麓に到着できるな!」

霧が晴れあがり、森の中から前方に真っ白にそびえて見えるミトラカルナー山を見ながらカイオが言ったとき、シーノがアラートを発した。


(みんな気をつけて、ドラゴンがこちらに接近してくるわ!)

「くそっ、見つかったか?」

「いいえ、ドラゴンには見つかるはずがありません。たぶんふつうの哨戒飛行だと思います。」

「止まってやり過ごすか?」

(イザベル、弓で撃ち落としなさい)

「あ、はい!」

(飛んでくる方向は、あなたの左側よ。ドラゴンの姿が見えたら連射でしとめて!)

「わかりました!」

イザベルは背中に担いでいたガンデーヴァの弓をとり、矢を弓につがえて左上方の木々の隙間に向けた。


 数分のちにそれは現れた。

高度は100メートルくらいだろうか、

両翼を伸ばすと14、5メートルもある黒いドラゴンは悠々と飛んでいた。

「あれはブラックドラゴンです。もっとも残忍で危険なドラゴンです。」

アイミが声をひそめて言う。


シュッ、シュッ、シュッ、シュッ、シュッ


アイミが言い終わらないうちに、イザベルはマシンガンのように連射した。

まるで光のような速さでブラックドラゴンの胴体に吸い込まれると、次の瞬間、ブラックドラゴンはギィエーっと一声鳴くと錐もみに森の中に落ちていった。

(無視して急ぐのよ!)

シーノにせかされて、ふたたび走りはじめる。イザベルもガンデーヴァの弓を背負って走りはじめる。


 みんな何も言わなかったが、イザベルの弓の威力に驚いていた。

それにプラスしてシーノのレーダー索敵能力!

“これならイケる!”とみんな感じていた。


しばらく走ると森が切れミトラカルナー山の麓に着いた。

草が一面に生えている麓をしばらく上ると、瓦礫と岩だらけの斜面だ。

そして、白いミトラカルナー山の地肌である岩面が見える。

(レオ、今度はあなたの出番よ。あなたの剣で山の岩を切り取って!)

「えっ、岩を切るの?刃が... 欠けないかな...」

(そんなやわな剣ではありません。大きさはあなたが持てるくらいのサイズよ。)

「よし。ト――ォ!!」


シュバッ、シュバッ


二振りでV字型に白い岩を切り取った。

岩はまるでカミソリで切ったように、滑らかな断面を見せていた。

「この剣の切れ、ハンパないな...」

(そのフラガラッハの剣は、どんなモノも切り裂くことができ、抜こうと思うだけでひとりでに鞘から抜け、使う者の手におさまるのよ。それに敵に向かって投げれば、剣自らが敵を倒し、使う者の手元に戻ってくるし、フラガラッハによってつけられた傷は治癒されないの)


さらにシーノは切り取った大きなカケラを切り分けるようにレオに言った。

言われるままに、フラガラッハの剣を数回振り下すと、一片が5、6キロくらいのカケラが見事に切断されて数個地面に転がっていた。


「げにも恐ろしい伝説の剣だな...」

カイオ王子の言葉には答えず、シーノは一つのカケラに向かって何やらつぶやき始めた。お祈りの一種のようだ。

すると切り取った岩のカケラ―かなり大きいカケラだが― が白く光りはじめた。まさしく神の山と同じ輝きだ。


(その岩をのカケラバッグにしまって担ぐのよ。これであなたの短命問題は解決ね!)

「えっ、これから先、いつもこの5キロはありそうな岩のカケラを背負って生きるの?」

(あとで持ちやすい形にしてあげるから、今はグズグズ言わずに言った通りにするのよ)

「はい、はい。わかりました。」

(はいは一度でいいの!)

「はい。」


(なんだ、最初は“マスター、マスター”ってオレをたよっていたのに、今ではすっかり成長してオレをアゴで使って。まるで年上の姉さん女房じゃないか...)


心の中で思うレオだったが、年上女房風な守護天使さまのメリットをガチ享受していのもレオだった。



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