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転生勇者の異世界TS冒険録  作者: 森羅万象
2/5

二話 TS勇者、入学試験で絡まれる

本日二話目です。見ていってください。

「あ、この姿で僕だって説明する自信が無いんだけど」


僕がゼロだとわからないと、話ができない。どうしようか。


「簡単じゃ。聖剣を見せれば良かろう。それに、腕利きの魔法使いならば魔力で解るじゃろ」

「そうか、その手があったか」

「やっぱり馬鹿じゃろ。まぁいい、早く聖剣を召喚するのじゃ」

「オーケー」


聖剣は、僕の固有武装ユニークウェポンの一つだ。固有武装ユニークウェポンは、自分固有の武器や防具等を召喚する技能だ。しかし、固有武装ユニークウェポンは、誰にでもある訳ではなく、ごく稀に生まれた時に授かるのだ。しかも、一人一つだけで、二つ以上持っている者は更に稀だ。僕の知っている限り、二つ以上固有武装ユニークウェポンを持っている者は自分以外居ないだろう。僕の固有武装ユニークウェポンには、聖剣や鎧等がある。


「それじゃあ行くよ。蒼き閃光を纏いしは、聖を司る白銀のつるぎ──青蓮アズール()聖剣シュトラール


手の中に光の粒子が集まっていき、青い光が溢れ出す白銀の聖剣となった。聖剣からは聖なる力が溢れ出ている。


「あとは──収納」


そう言うと、目の前に一つの鞘が現れた。収納は、物を入れたり出したり出来る魔法だ。身体が変わって出てこなかったらどうしよかと思っていたが杞憂だったようだ。

この鞘は、一見普通の鞘に見えるが、聖剣から溢れ出すオーラを隠す力を持っている。あのままだと目立つからな。


そう思い鞘に聖剣をしまおうとした時だった。


「ルナ! 避けるのじゃ!」


僕とサラに向かって魔法が飛んできた。初級魔法の火球ファイアボールだが、威力とサイズ、スピードが馬鹿みたいに高い。


僕は聖剣で切り飛ばし、サラは上に飛ぶことで回避したようだ。魔法が飛んできた方を見ると、そこにはよく知っているハイエルフがいた。威力などから考えて、恐らくレミア本人だ。


「その歳でこれを避けるのね。そして、片方は聖剣を持っている…………」


僕は急いでサラの所まで行き、事情を説明した。


「あれがレミアだ。僕の聖剣の気配で来たんだろう」

「あれがルナの友人のレミアか? 随分好戦的なんじゃのぅ」

「怖いから怒らせないようにしてよ?」


二人で話していると、レミアから質問をされた。凄く圧を掛けながら。


「あなた達。お名前は?」

「ルナです」

「サラじゃ!」


取り敢えず答えておいた。こいつは怒ると怖い。出来るだけ怒らせないようにしよう。


「そう、ルナさんにサラさんね。サラさんは何歳なのかしら?」

「十五じゃ」


詳しい年齢は解らないが、サラに合わせておこう。


「じゃあゼロは?」

「十五です…………あ」

「私はゼロに聞いたんですけど?」

「あのーそのーええっとー」

「やっぱりお主馬鹿じゃろ」


まんまと嵌められてしまった。そこから質問攻めにあったり、説教されたりと、レミアの話は五時間ほど続いた。しかも、その間僕は正座で、レミアは常に笑っていない笑顔を浮かべていた。


「くそぅ! 策士め!」

「お主が馬鹿なだけじゃろ」

「ゼロが馬鹿なだけでしょ」


長い時間をかけ、僕とサラの事情を説明し終わった。


「というわけなんだ。学園に入れてくれない?」

「あなた達、運がいいわね。試験日は今日よ。三十分後に学園に来なさい。試験があるわ。学費は私持ちにしてあげる」


運がいい。後ほど知った事だが、試験日の日に転生するようにサラが調整したらしい。ラッキーと思った気持ちを返せ。


「あ、あと聖剣とかは使用禁止よ。勇者って言ってるようなものだからね」

「他の固有武装ユニークウェポンは大丈夫なのか?」

「ええ。魔王、いやサラは固有武装ユニークウェポンを使っていいわよ」

「わかったのじゃ」

「それじゃあ三十分後ね」


そう言うと、レミアは瞬間移動テレポートで消えた。早速、固有武装ユニークウェポンを準備しよう。


「じゃあ妾も固有武装ユニークウェポンを出そうかのぅ。紅蓮の炎に抱かれし断罪のつるぎ──断罪レーヴァ()紅剣テイン


ニヤニヤしながらサラは固有武装ユニークウェポンを出した。炎を纏った紅の剣だ。恐らく、あの剣は固有武装ユニークウェポンの中でも最上級の強さを誇るだろう。


「じゃあ僕も! 紅き雷霆を纏いしは、魔を司る漆黒のつるぎ──紅蓮ブラッディ()魔剣ブリッツ


僕が召喚したのは、紅い雷を纏った漆黒の剣だ。因みにこれは、サラの固有武装ユニークウェポンを上回る強さを誇っている。その剣を鞘にしまい、王都へ向かった。


「ルナ、忘れてるじゃろうから言っておくが、容姿は恐らく世界一、しかもそんな服を着ている。変なやつに絡まれんように注意するのじゃぞ」

「うん。それと関税はどうする?」


王都に入る場合は、金か身分証明書が要るのだ。勿論そんなもの無いし、お金もない。


「うーむ、しょうが無い。ルナ、こっちへこい」


言われた通りサラの元へ行くと、手を握られた。


「あまり褒められたことではないのだがのぅ──瞬間移動テレポート


テレポートで関所を抜けて学園に直接行ったようだ。そろそろ三十分経つ頃だ。


「ついたのじゃ」


取り敢えず、試験受付と書いてある所に行こう。

そこには長い行列が出来ており、ルナ達の番が来たのは三十分後の事だった。どうやら、前の奴らは五時間以上開始時間まで門の前で待っていたらしい。その時間、もっと有効に使おうよ。

そして、自分の番が来た。


「お名前は?」

「ルナです」


そこからしばらく質問が続き、ようやく終わったらしく、番号が教えられた。


「一八九七番です」


そう言って、ナンバーが書いたチップを渡された。サラは一八九六番だそうだ。そして、実技の試験が始まった。


「えー、一八九三番!」

「はい!」


今している実技試験の内容は、三十メートル程先にある五つの直径一メートル程の的に当てるという感じだ。勿論、魔法は一回だけしか使えないが、一回の発動で複数の的を壊すのは良いらしい。

一八九三番の子は一つの的を壊して終わった。


「えー、一八九四番!」

「は、はい」


気の弱そうな男の子だが、魔法の腕はどうだろうか。


「始め!」


「は、はい! ふぁ、──火球ファイアボール


男の子の火球ファイアボールは弱々しく、的にあたる前に消えてしまった。すると、周りからクスクスと笑う声が聞こえた。

その時、大声で笑う男の声が聞こえた。


「ギャハハハハハ! 弱っ! 雑魚すぎるだろ! このレオ=ローザス様の足元にも及ばんな!」


そいつは金髪の太った男で、取り巻き二人を従えていた。名字があるので、恐らく貴族だろう。


「一八九五番」

「はい! 見てろ貴様ら! 俺様の力を見せてやる!」

「始め!」


そう言うと、レオとか言うやつは魔力を練り始めた。この間に最低でも十回は殺せているだろう。


「──火炎槍ファイアランス!」


そいつの放った魔法は、一つの的を壊しただけだ。けれども


「おおっ! その歳で火炎槍ファイアランスが使えるのか?!」


教官は何故か褒めている。そんなの僕五歳で普通にやってたよ。


「ねぇサラ、あの程度の魔法の何処が凄いんだろう?」


僕はわざとあいつに聞こえるように言った。勿論挑発だ。その意志を理解したらしいサラは、


「あの程度の魔法しか使えないのを頑張って強がっているんだ。そっとしてやるのじゃ」


と返してきた。それを聞いたあいつは、勿論挑発に引っかかった。


「なんだと貴様ら! ん? いい身体してるじゃねぇか。顔もいいしな。お前ら、俺の家来になるなら許してやってもいいぜ」


そう言って、いやらしい目で見てくるので、思わず言ってしまった。


「うぇっ! キモっ!」


勿論激怒して、僕とサラに挑戦状を叩きつけた。


「なんだと貴様ら! じゃああの的を全て壊してみろ! 出来なきゃ俺様に一生服従しろ! その代わり、出来たら何でもやってやる! まぁ、貴様らには出来んだろうがな!」

「うん、いいよ。その代わり……教官! 今の聞きましたよね!」

「聞いたぞー! 面白そうだからな! この私! 教官ラクラスが保証する!」


あの教官はラクラスと言うらしい。次はサラの番だ。


「えーと、一八九六番!」

「妾じゃ」

「さっきの二人組の片方だな。始め!」

「行くのじゃ──黒炎ダークネス乱舞インフェルノ


サラの放った魔法は的の辺りを全て焼き付くし、的は塵一つ残らなかった。


「これでいいんじゃろ? ラクラス教官」

「え! あ、ああ」

「な、なんだと?! まあいい、もう一人の方が可愛いしな。グへへへへ」


あの気持ち悪い言動は治らないのか?そういえば、次は自分の番だった。


「一八九七番!」

「はい!」


その時、ラクラス教官から小声で囁かれた。


「ルナだったか、お前も強いんだろ? ちょっと派手にやってくれ。力の差を解らせるためにな」

「解りました、()()()ですね?」

「ああ、やっちゃってくれ。()()()、な」


試験会場がぶっ壊れるかもしれないけと、ちょっと派手にやる事にしよう。会場がぶっ壊れる事ぐらい許容範囲だろう。

さて、雑魚に力の差を解らせてるとしようか。

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