6キャトルミューティレーション『死体』
空に宇宙船が一台飛んでいた。
その宇宙船にはベルンガゲルとシュペンガゲルと言う2人の宇宙人が乗っている。
そして今日も魔力を貰うためにキャトルミューティレーションをしようとしていたのだが、
今回は別目的だった。
「ネエ、ベルンオネエチャン、コンドハワタシタチガアツメタマリョクヲツカッテドノテイドアヤツレルカカクニンシテミヨウヨ!!」
「ソウダネ、ソレモオモシロソウ」
2人の会話を聞いて知能機械ペルペルは
『はあああ!! 何言ってるんですか2人とも!! そんなことをしたら魔力が減ってマザーに怒られますよおおおお!!』
とペルペルは猛反対した。
だが2人は
「ダイジョウブダイジョウブ、マザーモアツカイカタヲシラベレバオコラナイヨ、ワレワレノモクテイハマリョクノチョウサノタメトカイシュウ、ナラバワレワレハソレヲシヨウスルコトモシゴトニハルイッテコトダヨ」
とシュペンガゲルは言った。
それを聞いてペルペルは
『えええ、何言ってるんですか……そんなの魔力を一度故郷に持ち帰ってからでもいいじゃないですか……回収するのにどれだけ時間が掛かったと思ってるんですか……』
と呆れたように言った。
それを聞いてシュペンガゲルは
「ナラシンダイキモノノマリョクヲツカッテリヨウスレバリサイクルニナルソレナラペルペルモンダイイワナイ」
と言った。
それを聞いてベルンガゲルは嬉しそうに
「オオ!! テンサイダ!! シュペンガゲルテンサイイイ!!」
と言って大喜びした。
そしてペルペルも
『まあ、それならいいけど……』
と言って納得した。
そして2人は今日もまたキャトルミューティレーションのために町を探索した。
「キャトルミューティレーション、キャトルミューティレーション」
「キャトルミューティレーション、キャトルミューティレーション」
2人は歌いながら今日も行く。
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ある村を盗賊が襲った。
そしてそんなことで国の衛兵たちは動くことはなかった。
そのため村はただただ盗賊に蹂躙された。
そして2人の母親と娘が逃げていた。
「はっはっはっはっはっは……もっと早く逃げるのよ!!」
「苦しいよ……お母さん……」
2人は死に物狂いで走っていた。
しかし
「そっちに親子が逃げたぞ!!」
「逃がすなあ!! 金品を奪って身ぐるみ剥いでやれええ!!」
と言って体格のいい男と太り気味のおっさんが追いかけて来た。
2人の親子はそれに気づいて
「もっと早く!!」
とお母さんが娘に言った。
走ってはいるが幼い娘には体力的にきつい上に早くは走れない、
そのため盗賊たちにすぐに追いつかれてしまった。
「へっへっへええええ!! ついに捕まえたぞおおお!! この女!! 良い女じゃあねえかあああ!!」
「ヒッヒッヒ!! ちょっとは良いことさせてもらうぜええ!!」
と不気味にニヤつきながら2人の男は母親の服を引きちぎった。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!! やめてやめてえええええええええええええええええ!!」
「おかあさあああああああああああああああああああああああああああん!!」
娘は泣き叫びながらお母さんの方へと手を伸ばすが届かなかった。
そしてそれを見た盗賊が
「はっはっは、お涙ちょうだいってやつかああ? 面白いなあああ!! だが娘ええ!! お前は奴隷と言う人生がこの後待ってんだぜえ? お母さんの心配をしている場合かなあ?」
と言って娘を引っ張った。
「私はいいからお母さんを助けて! お願いします!! 奴隷でもいいからああああ!」
「何を言ってるの!! 止めてえええ!! 娘だけは解放してえええええ!!」
お母さんは娘の言葉を聞いて震えながら盗賊に
「私は好きにしていいからあああ!! お願いいいいいいい!!」
と言って庇おうとするも
「ふーん、そうなんだ、だが娘の言葉の方が良いかもしれねえなあ!! 娘は若いしお前より使えそうだ!! お前は解放して娘は奴隷としてもらうことにするよ!!」
と言って母親を絶望させた。
「いやあああああああああああああああああああああああああああああ!! 止めてやめてえええええ!! お願いよおおおおおおおおおおおおお!!」
その懇願を無視して盗賊は
「娘を連れて行け!!」
と言った。
娘は
「お母さん……私は……グス……私は大丈夫だよ……だからお母さんは生きて……」
と言ってそのまま連れて行かれてしまった。
「さようなら、お母さん」
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
悲痛を叫びながら母親は泣いた。
すると
「へっへっへ、お前はこれから俺らに使われるんだ、覚悟するんだな」
と言って先ほどの娘の言葉を無視した。
それを聞いて
「うそつき……ウソつきがああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
と言って激昂した。
「呪ってやるううううううううううううううううううううううううう!! お前らを絶対に潰してやるうウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!」
と言って、そのまま盗賊たちに乱暴の限りを尽くされて最後にはのど元を掻っ切られて死んだ。
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「ペルペル! アレイイシタイ!!」
「イイイイ!! アレイイ!!」
『はいはい、分かりましたよ、キャトッちゃいましょう』
と言って死体をキャトルミューティレーションした。
そして死体を宇宙船に持ってきた。
『で? どうするんですか? これから? 死体を調べたら魔力は少しあるようですが……』
この世界では死体には数分ぐらい死んでも魔力が少しの間残り続ける、
しかし、時間が経ち過ぎていると、魔力は自然消滅する。
だが、早ければ早い程魔力の残っている量は多い、
今回は村人の母親だったため、死んだ直後でも魔力はあまり残っていない、
だが宇宙船は光の速度で星を何度も何度も回っていた為、すぐに回収することが出来た。
そして2人の技術によってその死体は保存されて魔力も消滅しないようにした。
そして
「ソウダネ、トリアエズマリョクガフエルヨウニトツクッタマリョクゾウフクソウチヲツカッテコノシタイノマリョクヲアゲマスカ!!」
「ソウダネ、ソシテジョセイキシサンカラモラッタマジュツノチシキトエルフサンノマジュツノチシキヲガクシュウソウチデアテエヨウ!!」
と言って2人はテンションを上げていた。
そして、それを聞いていたペルペルが
『別にいいですよ、取り敢えず学習装置入れる前に魔力で生き返しましょうか』
と言って魔力を増幅する装置を使い治療カプセルに入れて死体を復活させた。
プーン!!
そんな機械音が鳴りカプセルが開いた。
そして台に寝かせて目を覚ますのを待った。
すると死体は目覚めた。
「オオオオ!!」
「イイェエエエエエ!!!」
2人は成功を喜んだ。
なんせ成功の可能性は99%だったのだ、
これは2人の星からしたら少ない可能性で普通は完璧に成功するのがふつうであった。
そのため2人は結構不安だった。
だが当然のように成功したため意外そうな思いもあったが嬉しく思った。
すると死体は
「あアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
と悲鳴のような声を上げた。
それを聞いて2人は
「「ウルサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ」」
と言って耳を塞いだ。
ペルペルは
『あああ、なんかトラウマありますね、でないとこんなことにはならないはずです』
と言った。
それを聞いて2人は
「エエエエ……ソレヲドウニカシナイトナノ」
「マジカヨオオオ!!」
と言って2人は面倒そうな感じを出した。
そして
「「キオクケソウ」」
『いいんですか?』
「イイヨ」
「ウン、ソレデナントカナルンラ」
『はあ、分かりました、どういうふうにしたいんですか? 2人は?』
「ソンナノマリョクヲシヨウスルヘイタイニスルノ」
「ソウソウ、マジュツヘイタイヲツクッテオクベキ、マジュツデシカタイコウデキナイモノガアラワレタラソノボウエイサクトシテ」
と言って2人はその人を兵隊にすることをペルペルに言って。
それを聞いたペルペルは
『お前ら最低だな』
と言われた。
だがペルペルは言う通りにした。
そして
「お騒がせしました、今日からお2人を護衛するために私は魔法を使用いたします、これからもよろしくお願致します」
「ヨロシクウ」
「ヨロー」
と言って2人は嬉しそうにした。
そしてペルペルも
『私のことはもう知ってると思いますがよろしくお願いしますね』
「ええ、でもちょっと地上でしないといけないことがある気がするのでちょっと地上に降りてもよろしいでしょうか?」
と兵隊は言った。
その言葉に2人は
「「ナンデ? ベツニイイケド、ツヨサモシラベタイシ」」
と言って適当に許可した。
ペルペルも記憶を消しただけはあって
『良いですよ、悔いの無いように』
と言って許可をした。
兵隊は
「ありがとうございます」
と言ってそのまま地上へと落ちて行った。
「ナニシニイクンダロウ」
「ナニ?」
『てめえら!! ちょっとは控えろやあああ!! はあ……頑張って助けてあげてくださいね』
と言ってペルペルは応援した。
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娘は母親に起きたことを知らずに奴隷として連れて行かれた。
そして
「はああ、ムラムラする、やりてええ」
と馬車を動かしている男が
「なあ!! 娘よ!! 一発やらせてくんねえか? てめえの母親がどうなってもいいならしないけどよおおお!!」
と言って脅してきた。
母親はもうすでに酷い乱暴を受けて捨てて、殺したと知らない娘は
「……はい……」
としか言えなかった。
娘は震えながら服を脱ごうとした。
その時だった。
ビイイイイイイイイイン!!
何か細い光のようなものが男のでこに命中して血を吹きだしながらぶっ倒れた。
「!!」
それに気づいて他の盗賊たちは駆け寄った。
「おい!! どうした!!」
「何だ!! 何が起こった!」
「しっ死んでるだと!!」
「糞がああ!! 誰がこんな酷い事を!!」
と散々酷い事をしてきた盗賊たちはブチギレていた。
「あそこだあ!!」
と言って指を指すと
そこには見たことがある女が立っていた。
「てめえ!! 生きてたのか!! まだ乱暴されたりないのかああ!! このビッチがあああああ!!」
「!! どういうこと!! お母さんには手を出してないんじゃあ!!」
「だあってろ!! このガキがあああ!!」
と言って殴り掛かろうとしたが
「バカが」
と言って女は腕からブレードのようなものを出して
ブウン!
とそのまま男の腕を切り落とした。
「!! ぐああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!! 俺の腕がああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
と悲鳴を上げた。
「!! てめええ!! ふざけやがってえええええええええええええええ!!」
「死ねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
と言いながら他の盗賊たちも襲い掛かった。
だが女は
「雑魚が……エクスプローション!」
と言って男たちに魔力を送り
「うう!!」
「ぶべええ!!」
「gばうあgんだぁ!!」
「だあがDKなあああ!!」
とそれぞれが小さな爆発を起こして粉微塵になった。
「……」
娘は女以外いなくなった状態で呆然としていた。
女が立ち去ろうとすると
「!! 待って! おかあさああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!」
と言って追いかけて抱き着いた。
女は不思議そうな顔で
「お前は誰だ? 知らん、私はベルンガゲル様とシュペンガゲル様、そして知能機械ペルペル様をお守りする兵隊だ、お前なんぞに関わる気は微塵も無い、今回気になって助けただけだ、勘違いするな小娘」
と言って冷めた目でその娘を見て振り払った。
「うう!!」
娘はそのままこけて尻餅をついた。
だが
「待って!! 私のことを忘れたの!! 覚えてないの!」
と聞いたが
「そもそもお前の事なんて知らん、人違いだ、お前は好きに生きろ」
と言ってそのまま行ってしまった。
娘はまだ小さかったため
「人違い? でも……」
疑問に思いつつもそのまま納得をしてしまった。
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それから数年流れて少女は1人の美しい女になった。
そして
「やっぱりあの人は私の母のはず、どうにかして探し出して元に戻さないと、きっと盗賊のせいで記憶が無くなったに違いない! 昔に戻れるならあの時の私を殴りたい! でもきっと間に合うはず!! きっと!!」
と言って娘は母親を探すために様々な鍛錬をして今では昔成す術がなかった盗賊ですら簡単に倒せるぐらいの冒険者になっていた。
そして報酬とは関係なしに母親を探す旅に出るのであった。
6キャトルミューティレーション『死体』 終わり