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背中のマッサージのお客様

 銀河中に支店のある『癒し空間 サロン・ド・アンマー』。火星支店には本日も癒しを求めてお客様が来店します。


本日のお客様:事務職 アンナ

症状:背中の凝り


 皆さん『背中が張る』という感覚に覚えはないだろうか。私は多々ある。背中が張る、背中が凝っている。そんな時、私はステーションの展望通路から離れた脇道を進んでいくことにしている。少し歩くと木製の看板が目に入った。

『癒し空間 サロン・ド・アンマー 火星支店』


「いらっしゃいませ」

「久しぶり。オーナーは居る?」

「はい。今日も背中でよろしいですか?」

「うん」

「かしこまりました。1番の個室へどうぞ」


 個室の中は、薄暗い。今日の香りは何だろう・・・。

「本日の香りはラベンダーです」

個室の反対の入り口から、受付とは別の女性が入ってきた。

「オーナー。今日もヨロシク」

「かしこまりました。まずは、こちらへお着替えください」

館内着を渡される。

「着替え終わったら、お声がけください」


 着替え終わって声をかけると、オーナーが戻ってきた。

「では、こちらにうつ伏せで横になってください」

言われるがまま横になる。

「まずは背中全体を見てみマスね」

サー、サー、シュ、シュ、シュ・・・

背中全体を軽く撫でられる。

「相変わらず、凝ってマスね」

「どうしてもね。姿勢が悪くて・・・」

「分かっているなら、改善してください」

いや、ここのマッサージを知ってしまったら改善はしたくなくなる。

「では、上から」

背骨に沿って、オーナーが指を入れていく

グッ、グー、グッ、グー、グッ・・・

上から下へ。中央から端へ。オーナーの細いが力強い指圧が続く。

「この辺がヒドイ」

「うぅ~・・・効くな~・・・」

グッ、グー、グッ、グー、グッ・・・

「あと、此処も」

「待ってました」

肩甲骨をグーッと押される。うぅ、気持ち良い。さらにグリグリ回される。あぁ、肩甲骨の裏に指が・・・

「入って行かないですね」

「重点的にお願いします」

「かしこまりました」

オーナーの繊細な力加減で背中が揉まれ、温かくなっていった。


「お疲れ様でした」

受付で白湯を渡してくれた。

「相変わらず、オーナーのマッサージは最高」

「ありがとうございます」

また、背中が悲鳴をあげたら来よう。でも、とにかく今日は・・・。

(すごく良く眠れそう・・・)

早く帰って寝てしまおう。背中が柔らかいうちに!!

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