肩こりがヒドイのお客様
銀河中に支店のある『癒し空間 サロン・ド・アンマー』。火星支店には本日も癒しを求めてお客様が来店します。
本日のお客様:ステーションの案内嬢 イザベラ
症状:肩こり
今日は午後からお休みだから、少しでも自分を労わりたい。そうだ癒されに行こう。
ステーションの中、少し奥まった道を歩いていくと、木製の看板が目に入った。
『癒し空間 サロン・ド・アンマー 火星支店』
扉を開けると、受付の女性が話しかけてきた。
「イザベラ!今日はどうしたの」
「肩が痛くて・・・ほら、私いつも肩から端末を下げているから」
「じゃあ、本日は肩のマッサージで?」
「お願いします」
「かしこまりました。1番の個室へどうぞ」
個室の中は、アジアっぽいって言うのかな。薄暗い明りの中、何かが香っている。
「本日の香りは白檀です」
個室の反対の入り口から、受付とは別の女性が入ってきた。
「オーナー。今日もお願いします」
「はい。任せてください。まずは、こちらへお着替えください。」
オーナーから館内着を渡された。
「着替え終わったら、お声がけください」
着替え終わって声をかけると、オーナーが何かを抱えて戻ってきた。
「今日は足湯もしましょう」
「足湯ですか?」
「気持ち良いですよ」
「是非!!」
「では、そちらへお掛けください」
オーナーが抱えていた物を足元に下した。
「この中に、足を入れてください」
温かい。お風呂に入っているみたいだわ・・・。
「更にですね」
オーナーがボタンを押すと・・・シュワシュワシュワ
「ジャグジー仕様です」
「ちょっと、くすぐったいですね」
「気持ち良くなりマスよ。では、肩を失礼しマス」
肩の上にタオルがかけられる。シュッ、シュッと最初は肩を撫でられる。
「右肩の方が痛そうですね」
「端末を下げているからですかね」
「多分、そうですね。一度失礼」
グーッと親指でツボを押された。
「痛たたた・・・」
「肩井というツボです。やはり、ヒドイですね」
そういうとオーナーは指で一点押すのではなく、手のひらで満遍なくマッサージを始めた。
もみもみ、もみもみ、もみもみ・・・
「気持ち良い・・・」
「しばらく続けマスね」
肩と足と両方が極楽・・・最高だ。オーナーの言葉の通り、しばらく揉み続けてもらうと、肩井を押されても痛気持ち良いくらいになった。
「揉み返しが来るといけないので、足ツボで肩こりを解消しましょう」
肩はポッカポカだ。なのに、更に足ツボとは・・・。
オーナーが、ふかふかのタオルで足を拭いてくれた。そして、足湯の代わりにオットマンを足元へ置く。
「足をのせてください」
もう、言われるがままだ。足裏をオーナーへ向ける。
「では、失礼しマス」
グッ、グー、グッ、グー、グッ・・・
足の人差し指の付け根の下から小指の方向へ押されている。
「ここ、肩こりの足ツボです。お風呂の中やお風呂上りにやると良いですよ」
「あー。でも、自分でやるより人にやってもらう方が絶対良い・・・」
「ふふふ」
こちらも、しばらくの間、集中して揉み続けてもらう。そして最後に足全体をマッサージして終了だ。
「お疲れ様でした」
受付で白湯を渡してくれた。
「また来るわ」
「いつでもどうぞ」
本当に癒し系だよね・・・。あぁ、今日は帰ってゴロゴロしよ!!