眼精疲労のお客様
読むの大好きなマッサージ小説を書いてみました。
銀河中に支店のある『癒し空間 サロン・ド・アンマー』。
火星支店には本日も癒しを求めてお客様が来店します。
本日のお客様:運輸会社のパイロット リック
症状:眼精疲労
久々に火星航路の運転をした。復路の運転まで時間もあることだし、癒されに行こう。
ステーションの中、知った道を歩いていくと、木製の看板が目に入った。
『癒し空間 サロン・ド・アンマー 火星支店』
扉を開けると、受付の女性が話しかけてきた。
「リックさん。お久しぶりですね。」
「久しぶり。なかなか火星の運搬にならなくてさ・・・」
「本日はどのコースにいたしますか?」
「運転で眼が疲れた気がするから、眼のコース頼めるかな」
「かしこまりました。1番の個室へどうぞ」
個室の雰囲気は、地球で言うアジアンテイスト。薄暗い明りの中、お香の香りがただよってくる。
「本日の香りはジャスミンです」
個室の反対の入り口から、受付とは別の女性が入ってきた。
「オーナー。今日はヨロシク」
「はい。精一杯、癒しマスね。こちらへお掛けください」
背もたれが少し倒れている椅子へ腰かける。この角度だけで楽になったきがする。
「まずは、ホットアイマスクです。熱かったら言ってください」
「ちょうど良い温かさです・・・」
「それは良かった。では、上から失礼しマス」
オーナーは背もたれの後ろから、こめかみの辺りに親指を当てた。
「では、処置を始めマス」
グーッと親指でツボを押される。グー、グー、グー・・・
「うー。キクー」
「太陽というツボです。痛くないですか」
「痛気持ち良いって感じです」
グー、クルクル、グー、クルクル・・・
頭がスッキリするようだった。
「次は眉のあたりを失礼しマス」
グー、もみもみ、グー、もみもみ・・・
「眉なのに気持ち良い・・・」
「意外だって、皆さんおっしゃいマス」
意外でも持ち良いなら良いじゃないか・・・そんな思考が浮かんでくる。
「アイマスク取りマス」
涼しい。風呂上がりのような感覚。
「タオルを失礼しマス」
顔の上に薄手のタオルを乗せられた。
「次は、眼の回りを失礼しマスね」
もみもみ、もみもみ、もみもみ・・・
眠りにおちるのは、仕方がないと言えよう・・・
「リックさん、眼のマッサージが終わりました」
オーナーの声がけで、目が覚めた。
「あと、もしかして・・・」
オーナーが腕をとって、前腕をギュッと揉んでくれた。
「あぁ、そこ気持ちいい」
「運転やパソコンの使用で腕が疲れると、眼にくるんですよ。少し解しマス」
グッ、グッ、グッ、グッ、グッ・・・
「あと、こちらも・・・」
手を取って、人差し指と中指を指圧された。
「この辺りは、自分でも出来るからオススメです」
セルフマッサージの指導で今日は終了だ。
「お疲れ様でした」
受付の女性が白湯を渡してくれた。
「また来ます」
「はい。また、いらしてくださいね」
オーナーも彼女も癒し系だ。絶対また癒されに来よう。火星支店に!!