4 駄女神アイシャ
「美恵!お前の番だぞ」
「はいは~い」
するとアイシャが美恵の前にきて
「美恵さん、何にしますか?なんでも言って下さいね」
「すみませんね、お言葉に甘えて、私戦闘は無理です。ですので出来れば商売でもしようかな」
そんな言葉にアイシャはにこやかに、
「良いですね、商売。商売ばかりだとレベルが上がらないのが問題ですね、あっ、でも、スキルとかは増ますからね。とりあえず【アイテムボックス】は必須ですね、それから【鑑定】の最上位の【完全鑑定】を付けときますね。これ便利なんですよ。偽物見分けられるし、リアルタイムでそのものの価値が解るんですよ。うーん、どうせだし、みんなに【アイテムボックス】付けときますね。これはレアスキルなんですよ。廉価番のアイテムポーチってアイテムはそこそこ普及してるんですよ。でもアイテムポーチは容量制限があるし、時間凍結が出来ないし、中にフォルダ創れないからごちゃ混ぜになっちゃって、でもしか~し、アイテムポーチには【アイテムボックス】にないメリットが有るのです。それはなんと可愛く作る事が出来るのです。【アイテムボックス】は見えないけれど、アイテムポーチはものがあるから可愛く改造できちゃうのです!はぁはぁ、いっぱい話したら喉乾いてきちゃいましたね」
そう言うと突然飲み物とお菓子5人分が白いテーブルに乗って出てきた、もちろんイスもである
突然出てきたテーブルに俺達は驚いていたが、それよりもアイシャの勢いに驚いていた。
「ごめんなさいね、ずっと立ち話で、こっちきて座ってお茶でも飲んでね。」
俺達はありがたく座らせてもらい、飲み物を頂くことにした。
「「「「いただきます。」」」」
「どうぞ、召し上がれ。」
一口飲み俺は驚いた、見た目は普通の桃のジュースなのに味はびっくり、隣で子供たちが「すっげー美味しい、日本でも飲んだことのない桃のジュースだ」「なんじゃこりゃー」と叫んでいると、美恵が、
「何これ、すごく美味しい、普通の桃だと思ったらびっくりだよ。なんか桃を濃縮してるのにスッキリしてる。桃のジュースなのにどうやったらこんな味になるの?」
「そうでしょ、私もこの飲み物好きなんですよ。神界でも行列の出来る人気のお店の物なんですよ。この桃ジュース。地球の桃よりも魔力の量が違うんですよ。」
俺はある単語が気になって話しかけようとしたが、美恵が被せて、
「えっ、女神様って沢山いるんですか?」
アイシャは「なんで?」って顔で答えてくれた。
「もちろん居ますよ~、私たちが住んでいるのが神界で、お店とかもいっぱい有りますよ。見てくださいこの服も新作なんですよ、可愛いでしょ、今回の召喚のために気合いいれて姪と一緒に買いに行ったんです。」
と、言うと写真のようなものをとりだし俺達に見せてくれた。
「可愛いでしょ、これが私の姪です。」
そこにはアイシャと一緒にピースサインをしている金髪ロングの小学生の高学年っぽい可愛い女の子が写っていた。
それをみた俺はアイシャに聞いてみた。
「確かに可愛いな、で、頭の上に浮かんでいる白いリングはなんだ?」
「えっ、何って天使のリングじゃないですか。知りませんでした?私達神族は成人するまでは天使と呼ばれ天使のリングを着けていないといけないんですよ。そして成人するときに天使のリングを外して自分のアクセサリーとかに作り直しちゃうんです。私はイヤリングにしてみたんですよ。指輪にしたりブレスレットにしたりいろいですね。そして成人してからは男性は神様、女性は女神様って呼ばれるんですよ、そして長寿と頭の賢さと魔力の多さから創造神様から異世界の管理を任されているんですよ。」
すごい勢いで話してくるアイシャに少し引き気味の美恵だが一応ついていっている。その勢いは止まらず、アイシャはテーブルの上に身を乗り出して話して続けてきた。
「それでですね聞いてくださいよ美恵さん、私、まだ異世界召喚4回めなんですよ。先輩女神からここ受け継いで異世界召喚4回しかしたことないんですよ。初めの一回は先輩が一緒に居てくれてなんとかなったんですけど、それからは「この世界は安定期に入っているから気楽にやっちゃいな~」なんて気楽に言うんですよ。それで次の召喚で呼んだドワーフはステータス上げすぎて精神錯乱しちゃうし、その次の召喚で呼んだ悪魔族の人は気をつけてスキルだけにしたんだけど向こうの世界についたらいきなり悪魔王降臨とか叫んで町を攻撃し始め世界の半分焼き始めるし、あの時は大変だったんですよ、先輩に怒られるし、地上に降りて悪魔王を封印しに行ったり、でも創造神さまは「大変だったね」って優しく撫でてくれたんですよ。それを家に帰ってお父さんとお母さんに言ったら
「創造神様のお手を煩わして」って泣かれちゃいましたよ。あれもこれも先輩がわるいんですよ、美恵さん聞いてます?それとですね・・・」
アイシャの話はまだまだ続きそうだと思っていると。その時後ろから大きな音が、