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26 恐怖?

「私の紹介をする前にちょっと気になってる事を聞いてしまいますね」


 俺はみんなに尋ねた。


「もしかして、私の事、怖いですか?」


 すると、オリビエ以外の3人は困った顔をした。


「あー、やっぱりそうでしたか。どうもみんな話し方も丁寧だし、ヒロタカ様って様付けで呼ぶし。」


 俺は、ガッカリ感たっぷりで肩をおとした。


「ヒロヒロなんかしたんでしょ」


 美恵が怒り顔でいってきた。


「いえ、そんな事ありません。」


 ウルメラが慌てて否定した、


「私はヒロタカ様を怖いと思った事はありません。確かにランクAのも魔獣を瞬殺する力は凄いと思いますが怖いとは思いません。私を瞬殺する力を持った人は都会に行けば沢山いますから。」


「じゃ、どうして?」

 

 俺は、やさしく聞いた。


「それでは、反対に私はヒロタカ様と普通に会話をして良いのでしょうか。」


 俺は、訳が分からず首をかしげた。


「私はヒロタカ様の事は会ったばかりでほとんど知りません。しかし、ランクA魔獣を倒す力、【アイテムボックス】、部位欠損を治すほどの【回復魔術】、それに【転移】のスキル、どれをとっても規格外です。おとぎ話の勇者ですら霞んでしまいます。それより何より、あなた様は優しい。助けられなかった人が居たことで悔いて、私は見てしまいました。血まみれで亡くなった人たちの瞼を閉じクリーンで綺麗にし何一つ嫌な顔をせず【アイテムボックス】にしまったときヒロタカ様が涙していたのを。話したことも無い誰とも知らない遺体に。あれを見たらヒロタカ様と普通に話が出来ますでしょうか。多分ワグネル夫妻も同じと思います。」


 ちょっと目が潤んでるウルメラがそこまで話すと美恵がいきなり俺の後頭部をパーンと叩いてきた。


「ヒロヒロが悪い。ちょっと泣いちゃったから、みんな勘違いしたじゃない、謝れ。」


 みんなの目が点になっているなか


「あー、えー、この度は私の、えー、ごめんなさい。私はちょっと涙もろいところがありまして。それにそんなに善人でもありませんので、」


 俺は、立ち上がり深々と礼をした。


「ま、ヒロヒロはこんな感じだから、ちょっと変なただのおっちゃんだよ。逆に感謝してるなら普通にしてあげて。」


「そうそう、皆さんお願いします。こっちが緊張しちゃいます。」


 美恵が俺を叩いてから空気がちょっと和らいだ。


「えっと、皆さん、本当は黙っていたほうが良いことなんですけど、自分が楽になりたいから言っちゃいますね。」


 みんなキョトンとしている。


「実は昨日、この世界に来たばかりなんですよ。異世界人ってやつです。びっくりしました?」


 みんなちょっとびっくりした顔をした。


「びっくりしました。しかし、そう言ってもらうと納得出来るところもありますね。」


 と、ワグネルが言ってきた。


「異世界人を題材にした昔話はたくさんありどれもすごい人ばかりでした。この世界は異世界人の集まりだ、なんて、話も有るぐらいで、この世界は異世界人に抵抗はありません。」


 いままで静かにしていたエルムが話始めた。


「でも、最後に確認された1000年前に来た悪魔族の異世界人の人は酷かったです。世界を火の海にしたみたいです。その時、女神アイシャが降臨して世界を救って下さった。と、エルフ族のお年寄りたちは良く言っていますよ。」


 エルムが生き生きと話してくれた。


 歴史とか好きなんだろうなと思いつつ、


「エルムさん、ありがとうございます。皆さんに話したらスッキリした。この程度の小心者なんですよ。スッキリついでにそろそろ休みますか。」


 と、言ったは良いが外は随分明るくなってきた。


「寝そびれましたね。」


 と、俺が笑うと、みんなも笑ってくれた。


「それなら逆に目覚ましがてらの朝風呂にしますか?」


 そんな何気ない提案に美恵がめちゃくちゃ食いついた。


「そうそう、それがいいわ。そうしましょう。」


 美恵はノリノリで話を進めてきた。


「じゃ、最初は女衆で行きましょうか。」 


 そう言うと、美恵は急な展開に戸惑っているウルメラとエルムとオリビエの背中を押しながら、奥の部屋へと行った。

 

 残された、男衆はそれを呆然と見送った。

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