3話 徠とともに作ります
どこまで徠に騙されていたのか、全く見当もつかないが これだけは言いたい。
「アンタ 喋れんのかいっ!!」
『うん。喋れるよ』
地団駄を踏みたくなるくらい あっさり話す徠をキッと睨んでやった。はぁ、このイライラをどうやって沈めよう。早く続きを書きたいのに!
「もうやだーー…」
『筆者さん?僕まだ 全然活躍してないんだけど』
「やかましい!」
徠がもっと素直だったら、全てが順調に進むはずだった。だが、小説や漫画に使用される主人公の性格は、一度変えてしまえば読者の負担になってしまう。極度に変えてしまえば、そのキャラの行動などに影響し、不安定になる可能性もあるのだ。
「ねぇ、徠。私の声は聞こえてるよね?」
『もちろん。』
ほんとに、今まで何をやってたんだろう。こんなに時間がかかるならもっと早く気付くべきだった。
「なら、そろそろストーリーを進めようか…」
『はぁ〜い。やっと始まるんだね』
無駄話が多くなったが、これも大事な小説の一部。いよいよ 起承転結の「承」の始まりだ!
…とは言ってみたものの、まず胸キュンポイントとは、何から集めればいいのかわからない。
「徠。胸キュンってどんなときに感じる?」
『そうだな…。僕は人それぞれだと思うよ。』
人それぞれ…となると、まずは情報収集が必要だ。数が多ければ その中で共感してもらえるジャンルも増えるだろう。
『僕は男目線から、君は女目線から胸キュンポイントを探すことができる。それを活用させるといいかもね』
徠の提案に私も頷ける。お互いに「胸キュンするな〜」と思うことを共有すれば、情報収集がかなり楽になる。徠を主人公に考えたのも、このことを考慮してのことだった。
情報収集は、誰かに伝えるために最低限必要なことだ。そしてその情報を整理し終えたとき、私たちはそれらを実践して伝えていく、という形になる。
「…ん、待てよ。実践……?」
『そう、実践。…自分で考えておいて 忘れていたのかい?』
この作品を作る前に、私が設定していた 起承転結の内容…。
『君と僕で、本当に「胸キュン」するかどうか、実践するんだよ』
そう、だった。
起 承 転 結のそれぞれに設定をしていたんだ。その中で 承 の部分から徠との実践を組み込んでいたことを今、思い出した。
徠と 胸キュンポイントを 実践しなければ、この作品は完成せずに終わってしまう……
「なんてこったい!!汗」
『筆者さん、どうぞよろしく〜』
考えついた頃の私は愛に飢えていたのか、こんなことを考えていただなんて。…徠は何とも思っていないのか、割と普通のようだ。
ともかく、今しなければならないことを最優先にすべきだ。「転」へ繋げるために 私は気持ちを即座に切り替えることにした。
…しかし、この時もうひとつ設定していたことがあったのだが、私はそれを思い出すことは出来なかった。
こんにちは。まりばなです。
今回のお話は 徠さんと話すことができた@uthorさんでした。作品作りにおいて、まだまだたくさんの課題が残りつつあるようです。
次回のお話は ついに徠さんとともに胸キュン探しへ出発です!徠さんとはきちんとした会話をすることができるのか…
またお時間がありましたら お読みいただけると嬉しいです!
ぜひよろしくお願いいたします!