2話 主人公の設定
異常なことが 一度に何度も起こりすぎて、私の頭の中はパニック状態を起こしていた。自分を落ち着かせるように、一つずつ整理していく。
まず、徠が生きているということ。
次に、主人公は徠のままであること。
最後に、今までのやり取りは現実で起きていたということ。
@:徠。私バカになりそう。
「君が賢いのか 僕にはわからないけど、文章の作り方からして、元からバカなんじゃないの?」
@:(なっ……!!)
少しは人の気持ちを考えて言う事は出来ないのか。聞いた私が本当にバカだったようだ。自分がバカだと今ここで認めようじゃないか。
…さて、話を戻すがそれよりもだ。徠が今までと同じように話すことができているということは、つまり、さっきまでのやり取りは無かったも同然のように感じる。
「クスクス…。」
@:は?
「さっきのこと、詳しく聞いてもいいんだよ。」
徠が明らかに聞いて欲しいアピールをしている。彼がこんなにいうのは、もしかすると とても重要なことかもしれない。聞いてみる価値は…ある。
@:さっき 徠が消えちゃったこと、詳しく聞かせて。
「いいよ。君の知りたいことがある限り、喋らせてもらうよ。」
…もう少し、本題に入るまでに時間がかかりそうです。
「話してもいいってことだね。…じゃあ、まずは僕が現実世界で消えてしまったことを、大まかに説明させてもらうよ」
徠が消えてしまったことに関しては、私も少し気になっていた。一体どんな秘密が隠されているのか、続く徠の言葉に目を向ける。
「はっきり言ってしまうとね、あれは“演技”だよ。」
@:は、はい…??
つまり、消える演技をした…ということ?
…なら、あの時の涙は!?
「クスクス…っ その文章からすると、本気にしてたんだ。…やっぱり君はバカだよ(笑)」
@:あれも嘘だったっていうの!?
「当たり前でしょ。どうして僕が泣く必要があるのさ」
信じられなかった。徠があの時、悲しい涙を流しているように見えたのに、実際は 笑いをこらえていた涙だったなんて!!
「えー…僕がしたくて したんじゃないのにー」
@:私が望むわけないでしょ!
どんなに私の思い通りに進むとしても、こんなことは考えない。…もっと言えば徠を悪者にしたくないから、私には出来ない。
@:徠の意思でやってないってこと、私は信じないからね
「いいよ。信じてもらえないなら…僕も頑張らなきゃなぁ」
ここまでしておいて、なにを頑張ることがあるのか。
私にはもう手に負えないような気がして、そろそろ本題に移りたくなってきた頃…
コンコン。
部屋にノック音が響く。
時間を見ると、書き始めてから既に1時間が経っていた。机を離れ、ドアを開けて外を見渡すが、誰もいなかった。
「……へ」
本気で、ヤバイかもしれない。
ドアをゆっくりと閉め、部屋に向き直ると
『バァ☆』
「うわぁ!!?」
そこには 文字ではなく、言葉で喋る徠が 私の目の前で笑顔を浮かべていた。
こんにちは。作者のまりばなです。今回からあとがきを書かせていただくことになりました。
この度は 胸キュンゲッターを読んでいただき ありがとうございます!そして、度々更新が遅く 申し訳ありません。
2人の会話について補足します。
徠がタブレット内にいるときは
@:は@uthorさん、「」は徠が話しています。
徠がタブレット外にいるときは
「」は@uthorさん、『』は徠が話しています。
次回以降もこれまでと変わらず、読んでいただけると励みになります!
次回もよろしくお願いいたします!