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第8話 経験値をゲット

 

 スライムが攻撃態勢に入ってる! なんかゼリー状なのに金属みたく硬くなってるぞ!? きっと力をためてるんだ。


【コウゲキ コウゲキ】(心の声)


 俺はデビルアナライズの【心眼】スキルでスライムの考えを読んでいる。そのためスライムの攻撃のタイミングが手に取るようにわかった。

「スライムは俺を狙ってる! 俺が避けたらマルスが攻撃してくれ!」

「わかった! 来たぞ、エノム」


 俺はタイミングよく攻撃を躱しマルスがロングソードの渾身の一撃でスライムを真っ二つにした。そして俺は躱したと同時にもう一匹のスライムに短剣で切りかかった。おお、なんか連携がいいぞ、俺達。


「うおぉぉぉ!!」


『グニュウッ』


 げげ、切れない! 俺は力一杯スライムに切りかかったがこれが簡単に引き裂いたりできるようなものでもなかった。ダメージはあったようだけど半分くらい切れただけでスライムはまだ生きていた。そして切れかかった体が分離して一匹のスライムが二匹になってしまった。


「おお、なんだ? 分裂したぞ? どうなってんだ」


 マルスがびっくりしている。アナライズした時にわかったけど瀕死になると分裂して一匹が囮になるらしい。まるでトカゲの尻尾切りみたいだな。


「おりゃあぁ!!」


 マルスが止めの一撃を繰り出した。そして俺も囮になったスライムに止めを刺す。やった、上手い具合にスライムを倒したぞ、俺達でもやれるじゃないか。


「上手くいったな。エノム、さすがだ、動きがいいぜ。まるで相手の動きが解るみたいだな」

「いや、そんなことないさ。マルスもやるじゃないか」


 俺達は最弱モンスタースライムを三匹倒し、調子に乗った。俺は相手の考えが読めるから攻撃してくるタイミングがわかる。あとは、躱してカウンターを狙う。そんな作戦が上手くいってどんどん奥に進んでいった。出てくるモンスターもスライムばかりだった。


 でも、【分析】や【心眼】を使い過ぎると俺はスキルが使えなくなる。『心の声』が聴こえなくなると途端にピンチになるから気を付けないといけない。


 スライムを20匹ほど倒したところで休憩することにした。もうすでにかなり奥まで来ている。すぐ目の前には地下二階に下りる階段があった。さすがにこれ以上は進むつもりは俺達にはなかった。大分奥にきたこともあり、周りの見通しのよい所でリーザのお弁当を食べることにした。


「結構スライム倒したよな。もぐもぐ、かなりレベルが上がったんじゃないか俺達、もぐもぐ。」


 マルスが自慢げに弁当を食べながら言う。いや、20匹倒したけどレベルは上がってないよ、なにせスライムだからな。俺には分かったが黙っていた。


「それにしても、スライムしか出てこないね。他にはモンスターいないのか?」

「この階にはほとんどスライムしかでないな。ここからしたの階に行けばもっと強いのがでる。ゴブリンもどきやダンジョン大ネズミなんかだ。でも、前にマイアが黄金に輝くスライムを見たって言ってたな。

 めちゃくちゃ素早くてあっという間に逃げたらしい。噂に聞こえてきたんだがレアモンスターのスライムロードって奴かもな。倒すとかなりの経験値が貰えるらしいぜ」


「へー、そんなのいるんだ」


「ま、めったに会えないらしいけどな? もぐもぐ、それにあっという間に逃げるから誰も倒したことないって話しだ」

「ふーん、そうだね。逃げられるんじゃ倒せないな。すごく美味い、リーザの弁当」

「おお、そうだろ。リーザはなにやっても上手いからな。流石わかってるな、エノムは」


 ああ、リーザは凄い。ホントに美味い弁当だ。

 でも、スライムロードか。


 経験値がめちゃくちゃ貰えるって? レアモンスター? 誰も倒したことがない?


「……………」


「どうした? エノム」

「いや、そろそろ戻ろうか?」

「そうだな、丁度食べ終わったし、また気持ち切り替えて行こうぜ」


 俺達はまた来た道を戻り始めた。おそらく時間にして一時間も歩いてはいないだろうけどずいぶん長いこと歩いてる感覚だった。なぜなら、俺には既にある考えが頭に浮かんでいたからなんだ。それをずっと考えていた。

 スライムロード、俺なら倒せる。このマントで気配を消して、【心眼】で心の声を聴き行動を先読みする。そうすればあっという間に俺は破格の経験値を手に入れることができるはずだ。


 まさに夢のような計画だ。あとはこの計画を実行に移せるかどうかだな。


「お、エノム出口だぞ」

「…………」


「悪い、マルス。一人で戻ってくれないか? 俺はもう少しだけここにいるよ」


「何言ってんだよ、それなら俺もいるって。一人だと何があるかわからないぞ」

「……、いや大丈夫だ。また、中に戻ったりはしないさ。ただ、もう少しここに居たくてさ、ごめん」


「そ、そうか。なら仕方ないけどよ、無理するなよ」

「ああ、気を付けて帰ってよ」

「それは俺のセリフだ。じゃあなエノム」

「うん、それじゃ」


 こうして俺はマルスを見送った。そして気配を消せるマントのフードを被り、体をマントで覆った。これで陰影のスキルが発動したはずなんだ。そして俺はまたダンジョンの中へと今度は一人で潜入した。


 やるなら今しかない。これはこのマントで気配を消せる俺一人でしかやれない作戦。今が絶好のチャンスだ。




お読みくださりありがとうございます。1月3日読みやすいように改行等してみました。


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