第43話 ギルドの受付嬢
三章が始まりました。これからもよろしくお願いします。ブクマ、評価して下さった皆様ありがとうございます。
「はい、これでいいですか?」
俺は渡された用紙皮にあることを記入して目の前の女性に渡した。
「それにしても素晴らしい功績ですわ。これは是非とも我が王都が誇る冒険者ギルドの最強チーム『ドラゴン・ジュエル』に入団して欲しいですわね」
「いや、俺なんてとても……。」
「エノムさんなら間違いなく入団できます。受付嬢の私が推薦しますわ」
俺は今、ここラザ・ジュエルのギルド本部で受付嬢のルーチェ・ナイツさんにギルドへの活動申請をしている。
「……」
「あの? どうなされました?」
「ああ、いえ。ホントにルージュさんにそっくりだなと思って。性格は全然違うけど……」
そう、この受付嬢のルーチェさんは王宮メイドのルージュさんの双子のお姉さんだ。ホントにそっくりだ。
ただ、ルーチェさんはメイド服ではなく、受付嬢専用のドレスを着ていて、長い髪を一つに束ねて、メガネをしているが。
ルーチェさんはテキパキとしていて、仕事の出きる女性って感じだ。落ち着きのないルージュさんとは正反対だな。
「よく言われます。ルージュもよくあれで王宮メイドが勤まっていると姉の私でも心配になりますわ。ではこちらの報告書は受理しました。手続きをしてきますから暫くお待ちくださいね」
そう、俺はギルドに俺がこの世界で成し遂げたことを報告しにきたんだ。
ちなみに俺の報告したものが、これだな。
『辺境のオロビアのダンジョンの攻略』
『オークの討伐』
『スライムロードの討伐』
『ゴブリンロードの討伐』
『タリナムの街の防衛とゴブリン軍の撃退』
おお、こうして見るとそれなりの冒険者って感じはするな。
ふふっ、やるじゃないか。報酬はどのくらいになるんだろうな。
「どうしたのエノム。なんかニヤニヤしてるよ~」
「ん? 顔に出てたか? いや、ちょっとな。どうだった? 何か面白いものあったか?」
「なーい。つまんない。しかもね、変なおっちゃんに怒られた」
「……。何やったんだ? 俺まで怒られるから勘弁してくれよクロロ」
「大丈夫だよ。逃げてきたから!」
「は? お、おい、大丈夫なのか? ここギルド本部だから下手したら捕まるぞ」
クロロはまだ小さいから謝れば許して貰える! 頑張れクロロ!
「お待たせしました。手続きが終了しました」
ルーチェさんは奥のカウンターから手続きを終えて戻ってきた。そして渡された一枚の銀色のプレートを受け取った。
「はい、これがエノムさんのギルドプレートになります」
「おお、これがあの有名なギルドプレート!」
このギルドプレートは魔法金属で造られているらしく、様々な情報が蓄積されてるらしい。
「この度の報酬もプレートに振り込まれていますのでご確認下さいね」
「は、はい。えーと、これってマナを込めるんですよね」
「はい。そうすればそのプレートに記された情報が浮かび上がります」
スゲー、まさにクレジットカード。いや、それ以上のクオリティーじゃないか。楽しみだな。
「エノムさんは辺境のオロビアの村の出身でいらっしゃるそうですね。あそこはのどかで私も大好きです」
「そうなんですよ。何もないけどまたソコが最高なんですよね」
俺は一応、オロビアの出身ということにしている。タリナムの街を出る時にギルドで登録だけしておいたんだ。
ギルドは誰でも登録だけなら出きる。ギルドプレート欲しさに登録する人達もいるとのことだ。ただ、ギルドはチーム制となっているからギルドで活動するならランク別に組織されたチームに入団して初めて活動できる。
俺みたいに一人でダンジョンに潜入したり魔物の討伐などする者はいるにはいるらしいけど、極稀らしい。
「エノム~。はやく行こうよー」
「わかったよ、もう少し待っててよ。すいません、ルーチェさん。ギルドは、副業みたいな感じで活動している人達もいるって言ってましたよね」
「はい、騎士団の方はもちろん、学生の方もいますよ。ギルドは全ての人に平等です。ギルドが定めた法に反しない限りはフリーですね。ただ、一度除名されると二度とギルドには入れませんので注意して下さいね」
「学生か、勉強しながらギルドで働くなんて凄いな」
ルーチェさんはジッとクロロを見ながらニッコリ笑う。
「お嬢ちゃん、可愛いわね~。もしかしてスーライ村の出身かしら?」
「スーライ村? わかんない。クロロ、何にも覚えてないもん」
「あら、それはごめんなさい。記憶がないの? それは大変ですわね………」
「スーライの村? それはどこにあるんですか?」
「スーライの村はラザ・ジュエルから歩いて半日ほどの距離にある獣人族の村です。以前に魔物の大軍に襲われてしまいましたが義勇軍が救出に向かったことで助かりました。たしかスーライには猫耳族の方もいたと聞きましたので」
「そうか、そうなのかもな。クロロ、スーライの名前を聞いて何か思い出したかい?」
「ううん、全然」
クロロは首を横に振る。でも可能性としては高そうだぞ。それならシャロン姫がクロロを知ってる理由だ。シャロン姫は義勇軍とスーライの村を助けに行ったんだからな。
「スーライ村に今度行ってみようか。そうすれば何か思い出せるかもな」
「うん! ありがとうエノム。ルーチェもありがとう!」
「よし、じゃあ行こうか」
俺はルーチェさんにお礼を言って帰ろうとした。
「ではエノムさん、最後にドラゴン・ジュエルに入団を希望されませんか? エノムさんなら十分、最強チームでやっていけますわ」
「え? いやー、俺は他にやりたいことあるし。ギルドで活動はしないです、すいません」
ルーチェさんはどこか残念そうに「そうですか、ではまたお待ちしてます」と頭を下げた。
「そうだ、ちなみに今回の報酬ってこの用紙皮に書かれてる金額? 宿代ないから報酬がお金っていうのが嬉しいですけど」
「はい。先程お伝えした通りの金額になります。今回申請されて受理されたもので金貨50枚の報酬がそのプレートに振り込まれていますわ」
予想を遥かに超えた報酬額に驚き戸惑ってしまう。
うーん、これはギルドの報酬は凄いぞ。一言、言っておきたい。
エノムは大金を手に入れた!
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