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第34話 シャロン姫の秘密

遂に10万文字を越えました。ブクマ、評価して下さった皆様、まことにありがとうございます。

そして感想を下さった皆様、あのお言葉でここまでこれました。本当にありがとうございます。

まだまだ、エノムの冒険は続きます。どうかお付き合いお願いいたします。

今回は10万文字を突破して気合いが入り、長めになってます。

 

「王女様が魔物相手に、凄いお姫様ですね」


 ちょっと、流石に武神の娘だよ、おてんば姫なんて通り越してる。まさにこれがかの有名な姫騎士様ですね? 


「ああ、まったくだ。誰に似たのか……。我が娘ながら勇敢でね。それが良いか悪いかはともかく」

「え? ……はい」


 間違いなくあんたの娘だからだよ! と思ったけど顔に出さずに黙って相槌を打とう。つーか、それしかないじゃん! あんた武神でしょ!?


「その時にシャロンは我が国の宝剣を持ち出しているのだ」

「! 宝剣ですか?」


 おお、なんだか凄い単語が出たぞ。今度は何を仕出かしたお姫様。


「それは我がラザ・ジュエル王国に存在する2つの神話級武器(アーティファクト)の内の1つ、『聖剣デュランダル』だ。」


「せ、『聖剣デュランダル』!? それって『聖剣エクスカリバー』以外にも聖剣があるってことですか?」

「勿論だ。伝説級武器(レジェンダリー)以上の武器で聖剣や魔剣などの名を冠する武器は既に幾つか存在は確認されている。もっとも、神話級武器(アーティファクト)は使い手を選ぶと言われているけどね」

「な、なるほど。それは知らなかったな、そんな凄い武器が……。じゃ、じゃあシャロン姫は聖剣デュランダルの使い手なんですよね?」

「勿論、違うよ。いくらラザ・ジュエルの至宝と言われている我が娘のシャロンでも聖剣には選ばれていない。美しさなら誰にも負けないけどね、シャロンは──」

「王様。シャーロット姫のことは用件が済んでから自慢して下さい。これを言い出すと切がありませんから」


 おお、シルヴィア団長の鋭いツッコみが入りましたよ! バーディッド王もなんだかんだで親馬鹿なのか? それにしてもシルヴィア団長だってとんでもない美人なのにな。それを差し置いて至宝なんて呼ばれるような姫様だ。これは凄く会ってみたい。


「ああ、すまんすまん。シャロンのことになるとね。じゃあ、話しを戻すけど聖剣デュランダルを使えた者は、長い我が国の歴史でも数える程しかいない。ここ300年の間では1人として使い手はいなかった。だからこそ我が王国の宝剣だったんだ」


 ん? 含みがある言い方だ。それは使い手が現れたってことなんだろうな。


「ふむ。言い伝えでは聖剣デュランダルを使える者は聖騎士(パラディン)たるものだけと言われていたんだが、もしも使い手が現れるとしたら誰だと思うね?」

「……難しい質問しますね、バーティッド王は。うーん、使い手か」

「…………」


 ここは分らないと答えるか、いっその事ランスロットとか答える手もあるけど……。シルヴィア団長も超真剣な顔してるし、ふざけんのはヤバい。いや、ここはバーティッド王に乗ってやろうじゃないか。この人は信用できる人だ、なぜかその確信がある。……それに、使い手がいるとしたらアイツだ。


「そうですね、聖剣デュランダルの使い手はクレス・フレイブです。彼がそうですね」

「ほう、クレスか」

「ま、まさか。流石です、エノムくん」


 おお、やっぱりか。2人共俺が当てたから驚いてる。俺はここに来る前にクレスを【分析】したからわかって当然なんだけど。アイツのステータスには【聖騎士進化】って固有のスキルがあったからもしやと思ったんだけど。


「いやいや、正解だよ。流石は魔眼術師だね、全てはお見通しな分けか。普通なら誰しもが騎士団長のシルヴィアと答えるだろう。それを騎士見習い(スクワイア)のクレスと見事に当てるとはね。勿論、このことを知っているのは極わずかな者だけだよ」

「ま、まあ。なんとなくですけど。でも、クレスはなんだかとんでもないことをしたってドミニクとランスロットが言ってましたけど」


 ヤバイヤバイ、俺の固有スキルの『デビルアナライズ』は【心眼】で相手の心の声を聴くことや、【分析】で相手のステータスも知ることが出来るからな。加えて【ラーニング】で相手のスキルも覚えることも出来る。まさにチートに片足ツッコんでます。


 これがバレたらと考えると恐ろしい。きっとこれが世間にバレたら俺は超危険生物として命を狙われる。バーティッド王やシルヴィア団長は信用出来そうだけど、このスキルは絶対に他人(ひと)にバレちゃいけない。


「そうだね、騎士団員としては失格と言うべきかな、シルヴィア」

「結論としてはその通りです」

「え? あのクッソ真面目が?」

「はい。獣人の子供が助けを求めてやって来た時の門番は彼でした。その時にクレスは必ず助けるとその獣人の子供に約束したそうです。しかし、騎士団の任務は国を守ること。獣人族の救出が任務ではありません」

「そういうことか。それでクレスは騎士の任務か約束かで悩み、助けに行くことにしたんですね。そして姫様の持ってきた聖剣デュランダルを使って獣人族の村を救った」

「……全然違います。不正解です、エノムくん」

「え!? 違うの? それしか無さそうなんですけど!? あっ、不滅のレイエスか! そいつにクレスは勝てなかったとか?」

「クレスは姫様や義勇兵を止める為に獣人族の村に向かったのです。我が国の法は義勇軍などの組織的武力行為を認めていません。それを認めると騎士団の意味も秩序も何もありませんからね」

「え!? 逆なの? い、いや、そう言っておいて実は助けに行ったんですね」


 シルヴィア団長は困った表情でバーティッド王をチラリと見た。バーティッド王は笑って頷く。


「実際、どうなのかわかりません。結果としてクレスは獣人族の村に行ったわけですから。どんな理由があれ組織に属する者として勝手は許されません。それを認めれば組織は成り立ちません、各々が自分の判断で行動していたら規律も法も意味を成しませんから」

「は、はい。すいません」


 あれ? なんで俺が謝ってんの? 俺悪くないよな……。


「まあ、そのなんだ。それは置いといてだな──」

「王様、置いて置けません! そのような言い方をされますと……」

「わかったわかった。その議論については後で用件が済んだらエノムくんと好きなだけしてくれ。切がないからね」

「は、はい。わかりました。それではこの議題については後程」


 え? 俺、後でシャロン姫の美しさについてと、規律の何たらかんたらも聞かなくちゃならないのか?

 勘弁してよ。そういえばクロロも何処かに行ったから探さないといけないし。大忙しだよ、俺。


「話しは最初に戻るが、察しの通りここで不滅のレイエスだ。その魔族が魔物の大群を率いて獣人族の村を襲っていたんだ。シャロンの持ち出した聖剣デュランダルは聖剣に選ばれない者が使っても真の力は発揮されない」

「どういうことですか? クレスは生きてるし、お二人の話しからするに皆無事なんでしょう? シャロン姫も」

「……無事ね」

「…………」


 あれ、なんだよ? 急に暗くならないでよ。なんなの、俺もなぜか悪いことした気分だよ。


「シャロンと義勇軍、それに獣人族は魔物の軍勢に立ち向かった。あの大群相手には健闘したと言えるだろう。だが、黒幕として出てきた不滅のレイエスは別格だった。その魔族1人に全滅するところを駆けつけていたクレスが聖剣デュランダルを使いなんとか阻止したのだ」

「王様、話は正確にお願いします。クレスが防いだのは魔族の攻撃の一手のみ。クレスは力尽き、単身で向かわれた王、自らが不滅のレイエスと戦ったのです」

「え!? バーティッド王が?」


 おいおい、結局助けに王様が直々に行ってるじゃん! しかも単身って、仮にも王様なんだから。なんだかんだであんたもクレスのこと言えないだろ!? で、武神対不滅はどうなったの? ここにバーティッド王がいるんだから勝ったんだろ?


「恐ろしく強い魔族だった。負けはしなかったが勝てもしなかっただろう。いや……結果だけなら俺の負けだな。娘を、シャロンを守れなかった」

「え!!」


 な、なんだって! 嘘だろ、シャロン姫が……そんな、嘘だろ。


「王様、誤解を招く言い方は止めなさい。王様は負けておりません。シャーロット姫も生きています。ただ、無事ではありません」

「生きてる? 無事じゃない? どういうこと」


 バーティッド王は真っ直ぐに俺を見ている。そしてゆっくりと口を開く。なんだよ、緊張して心臓がバクバク言ってるんですか。


「これこそ私達しか知らないことだ。君を信用して話すよ。娘は不滅のレイエスの『呪い』を受け、姿を変えられてしまったのだ」

「なっ!?」


 ま、まさか猫や馬に!? いや、いやいや、そんなことないですよね!?




最後までお読み下りありがとうございます。ブクマ、評価をお願いいたします。更新の励みになります。感想、お待ちしてます。よろしくお願いします。

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