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第30話 対決! 守護騎士ランスロット

ブクマ、評価して下さってありがとうございます。光栄です、更新の励みになります。

「では、覚悟はいいなっ!!」

「!!」


 こ、この野郎! クロロがいるってのに! 白銀の騎士は一瞬で間合いを詰めながら大型の剣を片手で楽々と振り上げる。


 騎士が使う長剣の倍はあろうかという大剣だ。長く、分厚い。おそらくは両手剣。それを片手で振るうとは凄い力だ、伊達に守護騎士を名乗ってない。


「クロロ! 向こうへ行くんだ!」

「うん…!」

 クロロも状況を理解しているようで階段まで素早く駆け抜ける。

 おそらくは始めから俺に戦いを挑む気だったんだろうけどな。


 俺はクロロとは反対の方に身を交わし、白銀の騎士を呼び込む。そこを狙い済ましたように大剣を降り下ろされるが俺は間一髪その一撃を避け、大剣は大理石の床を軽々と破壊する。


 これは本気で俺を真っ二つにする気のようだ。容赦のない一太刀だ。野郎、ふざけんなよ! こっちは呼ばれたから来たのに!


 それにこの野郎、甲冑を着込みこのスピードとはかなりのレベルだぞ。それに動きにまったく無駄がない。


 もう1人の方はこいつよりかなり小柄な騎士だがやはり微動だにしない。こいつは見てるだけなのか?

 どういうつもりなんだ!?


「さあ、口だけじゃないことを見せてみろ!」


 白銀の騎士は余裕の姿勢を崩していない。この野郎、こっちだって準備ってものがあるんだよ!

 連撃での降り下ろされる大剣をなんとかバックステップで避け、俺は魔剣レーヴァテインに手をかける。


「甘いぞ!! そんなことで避けたつもりか、小僧!」

「うわっ!!」


 床に突き刺さった大剣をそのまま切り返し、俺に向かって切りつけてくる。流石に戦い馴れてる、これが剣術なのか!?


 俺に剣を抜かせない気だ。その薙ぎ払いもなんとか躱すが防戦一方の俺はジリジリと押されていく。

 この大剣の一撃を食らえば致命傷は間違いない。


 ヤバイぞ、隙がないっ、ここは【神速】で一旦引くか!? 俺もレーヴァを……!


「腕は三流、装備は一流の口だけ剣士のようだな!」

「な、なんだって!? 言ってくれるじゃないか! 流石の俺だって頭にくるぞ!」


 もう怒ったぞ、この野郎! 【心眼】で心を読んで動きを先読みしてやる! そして【神速】で動き回れば俺についてこれないだろう! 俺の唯一無二の必勝パターンだ! つーか、これしかないけど!


「行くぞ、レーヴァ!」

 そして俺は大剣の左右からの連撃を今度はサイドステップで避けながら、レーヴァを鞘から引き抜く。そして【心眼】のスキルを発動だ。


 《……!? なんじゃ、エノム。 楽しそうなことをやっとるの》

「いいから、力を貸してくれ! かなりの強敵なんだよ」

 《ふむ。それなりに手練れのようだの。ほれ、死ぬ気で勝って見せろ。やれるじゃろ?》

「くっ、言ってくれるぜ、レーヴァは!」


 そして俺は両手でレーヴァを握り、剣先を白銀の騎士に向ける。

 よし、いくぞ。俺ならやれる!


「ふむ。その剣の異様。それに貴様が身に付けてるいるその装備はやはり伝説級(レジェンダリー)装備か」

(伊達に魔眼術師を名乗っていないわけだな。だが動きは丸で素人。これでは役に立ちそうもないな)(心の声)


「まだだ! 勝負はここからだ!」

「!?」


 大剣を右手に大盾を左手に持ち、騎士本来の構えになった白銀の騎士に俺は、【神速】でフェイントをかける。


「なめるなよ、小僧!」

(なんだ!? 急に動きがよくなったぞ!)(心の声)


 大剣の袈裟斬りを避け、そのまま俺は体を回転させる。

 イケる! だけど………狙いは盾だ!


「行くぞ、レーヴァストライクだ!」


『ガギィィン!!』


「ぐあわぁあ!! 小僧、やりおったな!」

「やったぁー、エノム頑張って!」


 白銀の騎士の叫びとクロロの声、金属音が大広間に響き渡る。レーヴァストライクの回転切りが白銀の騎士の大盾を真っ二つにする。


 よし、これで勝負ありだ! 流石はレーヴァ、あの大盾を真っ二つ、凄い切れ味だ。


「まだだ! 勝ち誇ってるんじゃないぞ、小僧!」


 白銀の騎士は盾を真っ二つにされながらも少しも怯まない。左足での前蹴りで俺は吹き飛ばされる。


「ぐっ……!」

 《馬鹿者! 油断するからじゃぞ、エノム》

「ゲホッ くそっ。まだやるか!」


 痛ってーな、ちきしょう! 確かに油断した、あれで勝負が決まったなんて俺は馬鹿だ。

 大盾を破壊された白銀の騎士は両手で大剣を構え直している。

 どうやら奴も本気になったようだな。


「そこまでです。双方、剣を納めなさい」

「!?」

「!!」


 間合いを測る俺達にもう一人の白銀の甲冑を身に付けた騎士が割って入る。


「な、まだこれからだぜ、シルヴィア団長!」

「いや、お前の負けですよ。ランスロット。先程の一撃、わざと盾を狙われたのです。わかっているはずです」

「くっ、まさか、まさか俺が負けるとはな」


 白銀の騎士は構えを解き、大剣を背にかける。

 どうやら諦めたようだな。それにシルヴィア団長? まさかクレスの言っていたあの? 名前と声からしてやはり女性のようだ。


「勝負は貴方の勝ちですよ、エノムくん。お怪我はありませんか?」

「……大丈夫です。勝負っていきなり襲ってくるのが騎士さまのやり方なんですか? こっちはクロロがいたんだよ、狂犬野郎」

「なんだと!? 貴様、何を言っている! 帯剣して王に会うことがどういうことかわかっているのか! 」

「……!? え!」


 な、なに? 帯剣? まさかレーヴァを腰に下げてたから襲ってきたのか? ランスロットと呼ばれた白銀の騎士の気迫は凄まじい。

 ヤバイ、それ常識なの? 全然知りませんでしたけど。


「やはりその様子だと知らなかったようですね」

「す、すいません。そうなの、それなら最初に教えてよ」


 チラリとランスロットを睨む。


「この馬鹿者! そんなことは誰でも知っている、知らなかったでは済まされないことだ!」

「う、すいません。……コイツもクレス並みに融通利かない奴だ」

「なんだと! あの馬鹿と一緒にするな!」

「あ、聞こえました? すいませんね」


 クレスが馬鹿? あのクッソ真面目、騎士団では馬鹿で通ってるのかな。


「その話は止めなさい、ランスロット。ではエノムくん、改めて自己紹介を。私はシルヴィア・ミスティック。王国騎士団の団長を任されています。こちらは守護騎士のランスロット・オリバー。先程のことはお互いに水に流しましょうね」


「わ、わかりました。俺は魔眼術師エノム。あっちは連れのクロロ……、あれ? いない、何処に行った?」


 クロロ? 怖くなって下の階までいったんだろうか?


最後までお読み下りありがとうございました!


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