第3話 魔眼術師を名乗ります
でわでわ、どんなもんですかねぇ?
名前:マイア 独身
年齢:18
身長:169
B :88
W :59
H :88
容姿:美人・極 巨乳・極 赤髪 翠瞳
攻略:可能
「 は、88だって!! すげぇ!!」
あ、やばい! つい口に出てしまった。しかも巨乳・極!?
「おい、エノム。88ってなんだよ? しかもかなり驚いてたよな?」
げげ、まずいぞ。ピンチっと思い気や俺にはあの【心眼】がある!! 相手の考えてることがわかるんだ。マイアは88に気付いたかな? はやく対策を考えないとやばい。
「……」
「なんだ? あたしの顔に何かついてるのか?」
「!?」
あ、あれ? なんだ、急に心の声が聴こえなくなったぞ!?
【心眼】ができない? なんで!?
あれ? や、やばい、マジで聴こえなくなった。
わ、わわ、すごい不安になってきた。なんで、どうしてなんだ?
「こいつ、なんか変な奴だなあ。どうした、急に汗だくになって。あたしがそんなに変なのか?」
くっ、どうする? マイアはかなり強いから好戦的なはずだ……よしっ、これだ!
「あ、いや君がかなりの強者だと思ってね。俺も伝説の獣を88匹ほど倒したものさ。お陰で今じゃあ、こんなありさまだ。この目はその時の後遺症なんだよ」
でたぁ、なんて出まかせ言うんだ俺って奴は。こんなの信じる奴いないってのに。どうする!?
バカのまま振り切ってみるか? きっと逃げても捕まってしまうし。
「え? マジ? すごいんだねぇあんた。伝説の獣を88匹も倒すなんてね、まさかあんたがあの伝説とまで言われている勇者なのかい?」
うそぉ~!? 普通信じるか? そこは笑って俺をバカにするところじゃないのか!? あっ!
そういえばマイアの弱点は単純なことだった! でもマルスとリーザがいる。この2人ならツッコんでくれてうやむやに……。
「す、すっげーなエノム!! お前があの勇者だったなんて! 人は見かけによらないってこのことだったんだな。さっきはすまなかった。あんな態度とってしまって」
「ホント、すごいんですねエノムさんて。それもあの伝説の勇者だなんて」
うわぁ、どうなってんの、なんで信じるんだよ。そんなんじゃオレオレ詐偽にだってすぐ引っかかるぞ。
しかも勇者って勘違いしてるし。どうする? 勇者と偽り逃げるのは簡単だけど本物と遭遇したときにヤバそうだ。これからこの世界で生きていくんだからそれはまずいな。
「それにその金色に変わる目が戦いの後遺症とはなあ。世界を救った名誉ある代償だよ」
あ、やばい。世界を救ったことにまでなってるし。くそ、こんな時に心の声が聴こえないなんて。
ん? 代償……そうか、そういうことか。きっと『スキル』の使い過ぎで聴こえなくなったんだ!! たぶん、【分析】も使えないはずだ。
いくぞ、マイアを『アナライズ』だ!
「……」
よしっ!! やっぱりだ!! 俺って天才!!
「なあ、どうしたんだよ? さっきから落ち込んだり嬉しそうだったり」
う、やばいぞ。こうなればまた出まかせ作戦開始だ!
「いや、俺は勇者じゃないよ。それにこの目は、……そう魔眼! 俺は『魔眼術師エノム』っていうんだ。 黙っててごめん。この目は力を使い過ぎた結果こうなったんだよ」
やっべー。何言っちゃてんの俺。もう取り返しつかないぞ。
「そうなんだ。だからエノムさんはちょっと変わった服装なんだね」
「魔眼術師か、すごいんだねぇ。あたしは聞いたことないけど88匹の伝説の獣を倒したくらいだから有名な戦士なんだろうね」
いやあ、俺が今適当に考えたんだから聞いてなくて当たり前なんですよ。
それも俺みたいに弱そうなのに皆が信じるなんて、俺の服装が元の世界の服で変わってるってのも関係あるかもしれないな。
「そうだ、マイア。エノムさんならあのモンスターのことも知ってるんじゃないかしら?」
「!?」
なに? ちょっと、ちょっと待って下さい。なんか今変なこと言ったよね、リーザちゃん?
「いや、もう倒してもらおう。エノムなら楽勝だよ。なんていったって88匹の伝説の魔物を倒したんだからな」
うわっやっぱり!! それもう許して。どうする!? 俺さっきからどうするばっかりなんだけど。
「そうね、きっとエノムさんなら簡単よね。それに本当にすごい人なんだね、そんな偉業を成し遂げたのに威張ったようなことは一切言わないし」
「俺に出来ることなら」
えっ!! って、俺何言ってんだ!! リーザが可愛いからつい……
◇◇◆◆
「って、言いたいんだけどさ…………」
これしかない、ここで溜めを作って。
「い、いや実はね、俺はさっき力を使い果たしてしまったんだ。(これは本当) だから少し休まないといけない。悪いけど今は力になれないよ(これも本当)」
苦し紛れだがこれなら何とかなる。ごめんよ、リーザちゃん。
よし、そうとなればここにいる必要はない。さっさと退散しよう。
リーザちゃんとは折角会えたのに残念だがここは命のほうが大事だ。なんせやっと念願の異世界にこれたのに1時間も経たない内に死んでいられるか。
「じゃあ、あたしのとこに泊まっていけよ。色々と話しも聞きたいしさ」
な、なんだとっ!?
な、なんだとっ!?
あ、びっくりしすぎて2回言っちゃったよ。しかし、マジか? どうなっているんだこれは。
マジでマイアと一緒に寝れるのか? 一緒にお風呂に入れるのか?
うーん、どうしよう。命をかけてあの乳を────な分けない。そんな分けない。
――しかし、ここでエノムの脳裏にあのステータス画面が甦る――
マイア
攻略:可能
そうだ、マイアは異性として攻略できる! ……って俺は何を考えてるんだ。死んだら元も子もないだろ。しかし、ここでいい所を見せれれば…………って駄目だから!!
くそう、あの【巨乳・極】が俺を狂わせる。
「いや、いやいや、ダメだろマイア。お前は1人暮らしじゃないか。それに今会ったばかりなのに」
グッジョブ、マルス!! へー、マイアは1人暮らしなんだな。
「そうね、お兄ちゃんもエノムさんの話しを聞きたいんだったら皆で『家』に泊まって貰えば? 」
リア充展開きた――――――!! マルスは邪魔だけど!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
なぜこうなった。なぜこうなった。なぜこうなったんだ。俺は今マルスの部屋にいる。
「なんで俺がお前と寝なくちゃなんねーんだよエノム」
「いや、俺もそう思うよ」
俺達はあの後、4人でマルスの家に行った。そうしたらマルスの両親が直ぐに俺が誰なんだといってきた。
当然リーザは俺が『魔眼術師エノム』で伝説の獣88匹の話しを始める分けだ。
そうなれば両親は当然慌てて村中の皆を呼びに行く分けだ。
当然そうなると村中集まり酒盛りが始まる分けだ。
おっさん・おばさん・おじいちゃん・おばあちゃんが当然俺をほっとかない。
当然リーザとマイアはマルスのお母さんの料理の手伝いをすることになる。
「すごい! 当然ばっかりだ」
「なんだよ、エノム。何が当然なんだよ。でも、疲れたからもう寝ようぜ。また明日な」
そういうとあっという間にマルスは寝てしまった。
うーん、なんで異世界生活の始まりがこんな男と2人で寝なくちゃいけないんだ。
でも、この村の人達はいい人ばかりだな。
こんなに人と話したのは久しぶりだ。それにマルスも会ったばかりの俺になんだかんだで良くしてくれる。
色々あってすごく長い1日だったけど悪くない。明日になれば俺の能力『デビルアナライズ』が使えるようになるかはちょっと不安だけど。
俺も眠くなってきたな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
くそ、もう日が昇ってきたが俺はマルスのイビキでほとんど寝れなかった。
しかし俺のユニークスキル『デビルアナライズ』はやはり回復したようだ。なんせ【心眼】でマルスの夢が俺には聴こえてきたんだから。詳細は伏せておこうと思う。マルスが可哀相だし、マイアにも悪い。
頭のいい皆さんはお解りですね? そういうことです。しかし夢なのでその人がどんな夢をみようと自由なんです。
しかし、この能力でこれからの生活のことを考えると楽しみで仕方ないな。
やっぱり楽しい、これこそ異世界ライフだ!
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