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第15話 オークの牙をゲット

 ──── ダンジョンのエノムは


「よし、レベルが上がって目的も達成したしやっと外に出れるな。でもどのくらいダンジョンに居たのかな」


 そういえば、あの豚頭(オーク)も何とかしないとな。あのオーク、外に出てハーレム作るとか男は皆殺しにするとかとんでもないこと考えてたからな。


うわっ!! 


 俺は後ろから迫るゾッとする気配に急いで振り向く。【気配】スキルが発動したようだ。その遠方に見える巨躯の影がオークだと直ぐにわかった。凄まじく醜い形相でこっちに向かって駆けてくる。あの巨体でその走りかいっ! その素早い動きは反則だろ!


「ブゴオオオッ!! ブゴッブッゴ!!」


 オークは丸太のように太い右手にバカデカい棍棒持って振り上げている、あの一撃を食らえば俺は一溜りもないぞ。さっき俺が大声で叫んだからかなのか? ダメだ、考えても仕方い、今はどうするかだ。


 ここまでの強敵と戦うことになるとは流石にレベルが上がった俺も怯んでしまう。しかし、何時までもビビってる分けにもいかない、覚悟を決めろ。直ぐに俺はオークの心を読み攻撃に備えるため態勢を整える。


「いや、やっぱりそれじゃダメだ、俺から攻撃してやる! 受けに回ったら殺されるぞ」


 丁度いい、このオークで俺の強さを試してやるぞ。さっきゲットした【神速】のスキルを試してやる。ぶっつけ本番だけどな。


 心の中で【神速】のスキルを発動させてみる。やれる!!


 俺の体はまるで疾風のごとく風を切る。一瞬でオークまでの距離を積め、オークが棍棒を振り下ろす暇を与えることなく俺は短剣をオークの心臓目掛けて突き刺した。


「やった! どうだこの豚野郎!!」


 ── あれ? あんまり血が出てもいないぞ? コイツ、分厚い皮膚と筋肉が邪魔してあんまり効いてないのかっ。


「ガギャアアァァ!! ブゴオッ!!」


 一瞬早くオークの心を読み、振り下ろされる棍棒をステップでなんとか躱す。危ないっ、死ぬとこだった!! 


 俺はオークの心を読みなんとか棍棒による凶悪な一撃を躱す。いくら腕力が凄くてもそのバカデカい棍棒を振るのに一瞬の為がいる、そこを狙う!! それも心臓目掛けの一点攻撃だ!


「ギャア!ガアアア!!」


 俺は何度も奴の棍棒を避けては攻撃を繰り返した。オークの顔は苦痛で歪み大声で叫ぶ、上半身は血だらけだ。

 あと少し、もう少しだ!! とその時急に力が抜けたような感覚に体が遅くなる。


「!? ヤバいっ 【神速】の使い過ぎか!?」


 しかし、オークもだらりと力なく立っているのがやっとといった感じだった。しかし最後の力を振り絞ったのか両手で棍棒を振り上げてくる。だが、最後の渾身の一撃もここまでくれば難なく躱せる。


 地面に轟音と共に突き刺さる棍棒。凄まじい衝撃だったけど隙だらけだ。


「うおおおぉオオオオオッ!!!」


 俺は両手で短剣を握り、全ての力を込めて地面を蹴りあげる、奴の心臓を一刺しだ。何十回と突き刺した分厚い胸板を短剣が貫きオークはついに絶命した。


「やった、俺がオークを倒したんだ。すごい、ここまでやれるなんて……」


 流石にレベルは上がらなかったか。

 そこに倒れている巨体のオークは2メートルはありそうだ。よく勝てたな、俺。もう体は膝はガクガクであちこち痛かった。オークの攻撃によるダメージではなく、【神速】スキルで肉体を急激に酷使したからだろうけど。


「でも、このダンジョンのボスはきっとコイツだ。後で3階に下りてみよう」


 俺はしばらく休んでからオークの死体から牙を折りその分厚い牙を手に入れた。たしかオークの牙は高額で取引されてるってことだったからな。


 よし、この豚頭(オーク)の牙を『アナライズ』だ!

 


【オークの牙】:Cランク

[説明]オークの下顎から突き出す強靭な牙。特に効果や煎じて薬になるわけでもない。しかしアイテムコレクターには強さの象徴となるオークの牙は高値で取引されている。

取引価値: オークなら一本につき銀貨3枚程度


「やった、これなら2本で銀貨6枚ゲットだな!」


さてと、それじゃあもっと下の階に行ってみようかな。そして俺はまだ行ったことのない3階の階段をゆっくりと下って行った。



お読み下さりありがとうございます。

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