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第11話 スキルをゲット

 俺はこのダンジョンに入って3回ほどスライムロードと遭遇したが結局逃げられてしまった。しかし、分かったことがあるんだ。


 スライムロードは3階から豚頭(オーク)が上がってくる時は姿を見せない。逆に下の階に戻ってから出てくるんじゃないかと思う。豚頭(オーク)のことが大嫌いなのか、奴が手当たり次第に暴れまれってスライムを殺して行くからなのかはわからない。


「スライムロードは豚頭(オーク)に殺されたスライムを狙ってきてるかもな。ん!?」


 その時巨大な黒い影が地面を素早く駆け近づいてきた!


 おっと、今度はダンジョンの大ネズミのお出ましだ! 丸々と肥えた超巨大なネズミ。体長1メートル以上はあり、素早く突進してくる。巨体と大きく刃物のように発達した前歯がギラリと剥き出しになっている。


 こいつは気を付けないといけない、強敵だ。だが既に何度かこの大ネズミを俺は倒している。


「ヂュウ ヂュウ」

 【ナニカ イル ナカマ ヨブ】(心の声)


 そら来た! こいつ等は仲間を呼ぶから手早く倒さないといけないっ!!


 俺は常時、このエルフのマントで自分を覆い気配を消している。この状態なら陰影のスキルってのが発動していて敵に見つかり難いんだ。でも、こいつやスライムロードのように気配に気づく奴もいる。


(そっと後ろから周りこんで、急所を狙う!!)


 俺は足音を立てないように素早く大ネズミの後ろに回り込み、後頭部目掛けて思いっきり短剣を突き刺した。


「ヂュッ ヂュヴヴヴゥ!!」


 大ネズミは何度か大きく痙攣してバタリと倒れ動かなくなる。前戦った時は正面から攻撃してしまって危うく死にかけた。奴らは前にしか突進しない。一撃で絶命させないと最後の力で突進してくるんだ。ネズミだがこの大きさだ、まともに攻撃を受ければ骨が折れるだろうな。


「会心の一撃!! どんなもんだ!」


 さすがにダンジョン・サバイバルの達人となった俺でもネズミは食わない。解体すれば肉として食糧になりそうだけど、流石に病気になりそうだった。冒険の書にも大ネズミのことが書いていたけどお奨めはしないってことだったな。


その時だった。何時ものあの画面が突然俺の頭に浮かんだ。


【ラーニング】大ネズミ

【気配】スキルをラーニングしました。スキルを確立50%でコピーしますか?



「おお、なんだこれ? これが【ラーニング】ってスキルなのか? 確率50%だって?」



【ラーニング】倒した相手のスキルを確率30%で発動し覚えることができる。攻撃を受けた場合は確率5%で発動。


「おお、すごい説明でた!【気配】か、こいつらが隠れてる俺に気付いたのはこのスキルか」


確率は半々だけどやってみる価値は十分すぎるな。


「よし、やってくれ。【気配】をラーニングだ!」


【ラーニング】成功

【気配】スキルをゲット!

【気配】スキルが使用可能になります。【気配】をセットします。

【残りスキル枠】4


「おお、やったぞぉぉお!! スキルゲットだ!!」


 しかしこの【ラーニング】は凄いな。なんだかRPGのゲームをしているような感覚だ。


「もしかして、俺って勇者の素質あるんじゃないか!?」


 おっと、やばいやばい。つい調子に乗るところだった。ここで調子に乗って殺されでもしたら元も子もないからな。バカは大抵こういった所で失敗するんだ。


 死んだらやり直しは出来ない、慎重にいかないと。

 でも、次に豚頭(オーク)が今俺がいる2階に上がってきた時に計画を実行する時だ。必ずスライムロードは出てくるぞ。その時が勝負だ。



 ----   オロビアの村のマルス  ----


「よし、いい調子だ!! 俺は確実に強くなっている!」


 もう俺の剣の腕はかなりのレベルに達したはずだ。なんせここまで本気で俺は修行というものを今までしたことがないからな。この剣戟の速さ、【剣聖】を名乗れるんじゃないか? いや、やっぱり名乗るなら【勇者】だな。その方がカッコいい。


「くっくっく。やれるぞ、俺は強い! 全ての女は俺の物になる」

「どうしたの? お兄ちゃん。大声だして? いいことでもあった?」

「うわあああっ!? なんだ、リーザか。びっくりするじゃないか! 急に後ろから話しかけるなよ」


「ごめんね、驚かせて。それでね、お兄ちゃん」

「なんだよ、リーザ。どうしたんだ?」


 なんだ? またリーザは浮かない顔しているな。何か悩みでもあるのか?


「実はマイアが隣り町のギルドの人達とゴブリンロードの討伐に参加するんだって」

「な、なんだって!! ホントかリーザ」

「うん、さっきマイアに会ったんだけど、これから隣り町に行くって言ってた。大丈夫かな、私心配で・・・・」


 なんてことだ、マイアがあの魔物と戦うのか。いくらギルドの奴らと一緒に戦うっていってもあのギルドの奴らは頼りにならないポンコツ共の集まりじゃないか。


 ついにこの時が来たようだな。俺の真の実力を見せる時が!! マイアは俺の物だ、ここで死なせる分けにはいかない。


「リーザ、心配するな。マイアは勝つさ。マイアの努力は知ってるだろう?」

「う、うん。そうだね、そうだといいけど」


「さあ、もう家に入っているんだ。ゴブリンロードだってここに来ないという保証はないんだからな。俺ももう切り上げて帰るから」

「うん。じゃあ、私帰って夕食の準備してるね」


 よし、俺も夜に準備して隣り町に出発だ。勇者は遅れて登場した方が盛り上がるってもんだ。


「マイアは俺が守ってやる。勇者マルスの伝説の始まりだ!!」



読みやすくなればと改行等してみました。内容はほぼ変えていません。

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