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(21)成長している

 

 奉術師が活動する上で、依頼人仲介のコネクションは不可欠だ。それは個々人によって違うらしい。

 私の場合、祖父が他界後、その流れ(チャネル)を引き継いだ。各地の被害者支援団体や葬儀屋、神社(宮司ぐうじ)などを通じて依頼がくる。

 27歳の頃には、新たなコネクションが出来た。それはNS(ネス)からだ。



 直毘師なおびし伊豆海陽と出会って、二年。私自身、祓毘師はらえびしとして成長していることを、実感している。


 彼に見習い、メンタル制御を行なうことで依頼人の闇を短時間に膨張させ、闇喰やみくを行なうことができるようになった。

 それだけではない。

 

 既に出来ていたことではあるが、精度を上げ、バラエティに富む。

 闇嘔あんおうの際、依頼人の幽禍に細かく指示を与えることが、出来るようになった。高等級ハイレベルようの影響は計り知れない。一つは特定の部位への集中、一つは分裂闇による時間差攻撃および部位ごとの稼動、もう一つは対象者自身の闇を同化させることである。


 直毘師に手渡す場合は意味を成さないが、直接闇嘔(あんおう)する際に回数を分けて行なうことが出来るため、長時間苦しめるという点で効果が増す。ただ対象者に対する回数分の直接的な闇嘔が必要になるデメリットもあった。

 そこで、私は事前に分裂させた幽禍かすか毎に指令を出すことを可能にした。分裂させた幽禍を一度に闇嘔、その後に対象者の体内で一部のみを待機させることに、成功した。

 例えば、一つ目を行動させた後、二つ目をおおよその指定時間後に稼動させるように仕向ける。対象者の症状は、一つ目は弱く、二つ目で追い打ちを掛けることも出来るのだ。

 この方法は、自分にとっても依頼人にとっても、メリットになるもの。分裂させる数も次第に増え、現在では数百単位にも。脳神経などを冒し幻覚や幻聴を引き起こすのみならず、細胞単位に潜む闇へと誘うことが出来るようになり、細胞死滅や器官停止などを目論むことも出来るということだ。

 ただ実際に、そこまで望む依頼人は然程いない。メジャーなのは、幻覚や幻聴で苦しみを与え、数日で悶え殺すことを望まれることが多い。


 さらに、同対象者に対する複数依頼人の闇喰やみくも可能にした。両手を使い、二人同時にやる。同時故に個人の闇の選別は難しかったが、修得した。

 

 それに伴い、体内でその闇たちを融合させる、なんて高度な術も身につけた。これは、もし一人分の闇が小さくても、複数人の闇を融合させることで、復讐に十分なエネルギーを確保することが出来る、ということだ。これによって、依頼人のみょうの負担が少なくなる、従って減る寿命も少なくなる、というメリットがある。

 

 能力値パワーを向上させることで、新月まで保持できる幽禍かすかの量を増やすことが出来ている。つまり、期間限定として、数多くの依頼人の闇喰やみくを行なえるようになっている、ということ。勿論、そのリスクは大きい。


 人の闇は闇喰してみなければ分からない場合もある。そのために、それを行なう場所を指定しているわけだが……。その場所なら、能力値パワーを一気に増やすことが出来る。闇がデカ過ぎても一時的ではあるものの対応可能なのだ。

 私は、まだ自らの能力値パワーを脅かすような闇の持ち主に出会ったことはない。が、先祖に闇喰で失敗した人がおり、巣食われた闇によって我を忘れ鬼と化した、と伝えられているため、祖父から教わったことを守っている。


 期限までに処理できる自信はある。

 それは、直毘師なおびしである伊武騎いぶきあおいと伊豆海陽の両名がいるから。違うタイプの二人ではあるが……。彼らがいることで、祓毘師はらえびしとしての使命感は増し、生活も充実していた。


 


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