あなたのぬくもり
ぎゅっと抱きしめてくれた貴方の腕の中に、
ほんの数十秒でもいれただけで、
あたしは幸せな気持ちになれた。
貴方のぬくもりを感じることが出来たから。
『お前っ、音漏れ激しい!』
「ごめんなさぁい」
2人で並んで歩く、星空の下。
数少ない街灯の光で出来る2人の影。
空には無数の星。
そこにはあたしのお気に入りのオレンジの星が
いつものように輝いていた。
いつものように、街灯のそばで立ち止まり天体観測。
学校のこと、進路のこと、友達のこと
たくさん話して、たくさん笑って。
あたしの大好きな時間だった。
「ばーか」
『うるせぇーなっ!!』
貴方をからかえば、言い返されて、
『ふっ、バカじゃん』
「うるさいっ」
貴方にからかわれれば、言い返して
時間も気にせず、二人で星を眺めてた。
「寒い・・・」
と言えば、黙って抱きしめてくれた貴方。
貴方の腕の中にいた時間、
心も体もあったくなれた気がした。
ふわっと包む貴方の匂い、
時折聞こえる貴方の鼓動、
短い時間だったけど、貴方を感じられた。
孤独が嫌いなあたしにとって
貴方の腕の中にいる時間は、とっても幸せな瞬間で・・・
離れた瞬間、すごく寒くて、
寂しささえ感じたほどだった。
一人で家に向かう時、
輝く星を見ながら思った。
2人で見るオレンジの星。
夜空を見ると、一番に見つけられるほど
うすい雲がかかったって
キラキラ光るその星は
いつもこっちを見てくれてる気がして
その星を見るだけで幸せな気持ちになれるんだ
あたしも、誰かにとって
一緒にいるだけで幸せだって
思ってもらえる人になりたいんだ
貴方があたしを抱きしめてくれた時、
貴方の中に少しでも愛はあったかな?
あたしはあったよ。
貴方の事が大好きだった。
貴方のなかに愛はあったかな?
やっぱりふざけてただけなの?
ちょっと寂しいな・・・
ずっと大好きだよ
もう二度と会えないとしても、
貴方が好きでいてくれなくても
あたしは貴方をずっと
「大好きな人」として忘れないから。
貴方の中にすこしでも
あたしの存在があるといいな・・・