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俺の同級生は魔王  作者: 巫 夏希
第二章 パンダ騒動
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2-[1] 魔王、謳歌。

 夏という暑くてじめじめしていやーな季節が終わったと思えば、台風がまもなく近づいてきますという天気予報士の言うとおりに空が暗くなっていく。こんな日があると思えばまた夏みたいに空っ風が吹いて猛暑日になる日もある。一言で言えば9月というのは不安定な時期なのだ。



 いや、それは夏だけにいえるのかもしれない。面倒くさがりな神様なのか。最近は立秋を迎えて2ヶ月近く立っても気温が30度を下回る日は少ない。所詮人間が勝手に定めた日付、といってしまえばそれまでだが、季節が変わるならとっとと変わってほしいものである。



 こんな愚痴をはなしている間にも、どんどん文字数は嵩んでいく。そろそろこのへんで無駄話を打ち切らないと、飽きられそうなきもするので、ようやく本題に入ろうかな、と思う。




***



 俺が高校に入学してからあと1ヶ月で半年がたとうとしていた。俺の学校は2学期制なので、前期が終わって後期に突入していた。うちの学校は非常に変わっていて、通常高校のような夏休み、まあ普通ならば7月中旬から9月までといったところか、が終わって、その後に"秋休み"が待っている。なんと休みが多い学校か。ただ俺は陸上競技部がないと判明してからなんとなく暗くなっていた。



 いや、もっというならその後からだな。



 俺の後ろに座って、下敷きを団扇代わりにして、セーラー服のリボンを外して、髪は少しボサボサの彼女こそが、この俺の暗~い高校生活の元凶であるのだ。



 彼女の名前は直接は聞かなかったが、これまでの授業でだいたいは聞いていた。



 高峰真琴。



 それが彼女の名前だった。



 こう聞くと至って普通の、いやむしろかわいい、女の子なんだが、ちょっと・・・・・・ちょっとだけ・・・・・・違うんだ。普通の子と、なにか、ね。



 それはな。まあ、みてれば分かるよ「おい暑いぞつーさん。しもべならなんとかして風を吹き起こさせろ」



 ほら、始まった。



「だから俺は僕になってねーし。仮にそんな能力あったらおまえじゃなくて自分に使ってるわ」



 一応いっておくが、俺のあだなはつーさんである。本名からとったもので、妹が面白がって呼び始めたのを最初についには家族・親戚全員が俺のことをつーさんと呼ぶようになった。つーさんとかやめてくれ。年上に「さん」付けで呼ばれるっていろんな誤解をまねくだろーが。とか思いながらも今では普通になれている。「もういいや」的な感じで。



「おい、なにぼぅっとしてるの?! 放課後、会議あるからきなさいよ!!」



 ・・・・・・何が会議か。ただの"厨二病仲間探し"じゃないか。まあ、仕方ないのでついていくのだが。ついていかないとあとで痛いおしおきがまっている。下手したら屋上から突き落とされかねない。



 こんな日常。毎日かならずなんかよくわけのわからんのが舞い込んでくる。退屈しないだけがマシではある。

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