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俺の同級生は魔王  作者: 巫 夏希
第一章
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1-[1] 魔王、参上。

 俺がその“おかしくなった”元凶に出会ったのは今から2ヶ月ほど前、入学式の時だったと思う。



 俺は中学の時は陸上競技――といっても100メートル走だが――に精を出していたので俺はまっさきに陸上競技部を探した。



 放課後になって、部室群から『陸上競技部』というプレートを探すのにはそう時間は掛からなかった。



 結論から言おう。この学校に陸上競技部はなかった。



 そもそも受験の時に、決めるときに、パンフレットをみておけばよかったのだ。

やってしまった。もうどうしようもない。と、ふと空を見たそのときだ。







 屋上に少女が立っていた。









 なぜ少女と分かるかと言うと、その学校指定の青のセーラー服からである。



 なにしてんだろう。とかそんなことを考えていたよ。当時はね。



 ところがさ、そいつ。何したと思う?



 飛び降りたんだよ。思いっきりジャンプして。



 いやあ、思わず驚いて、それを捕まえようとしたね。運動方程式とかF=maとか当時は知らなかったけど、もし知ってたら逃げてたのかもしれないね。



「危ない!!」そんなことを叫びつつも、俺はその少女の下にたどり着いた。


 あとは待ち構えるだけ。でさ、このあと、物理の授業で習ったんだけど、重力加速度って結構あるから仮に2、3秒だけにしろ、すごいスピードが出るんだよね。でもそんなこと知らなかったから突っ込んだね。物理法則のありがたみを知ったね。実験する必要ないよ。これは。ってね。



 そのとき俺は比喩とかじゃなくて悪魔とか魔王とかが地の底からほえてるような声で、いや、ほんと比喩がうまくないな、俺は。ともかく、そんな声を叫びながら、少女の真下に立った。



 あとは少女が落ちるのを待つだけさ。といっても、コンマ3秒位だよ。待つなんて意味ないのかもしれないけどね。



 ……人生って、ほんとに訳わからないよな。平凡で、ふつうで。なにが起きても、現実の範疇を越えないことばかり。



 しかしだな。その日を境に変わった気がしたんだ。俺の生活か、または俺自身か。それはわからない。



 ともかく、その空から落ちてきた女の子をゆっくりと拾い上げた。まさか、このあと謎の組織におそわれたり、空飛ぶ島とかに行かないよな、とか思いながら。



 彼女は、目を覚ました。ゆっくりと、ね。

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