表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の同級生は魔王  作者: 巫 夏希
第二章 パンダ騒動
10/16

2-[3] 魔王、招待。

 じゃなくて、話を思いっきりずらしてしまったではないか。真琴はいま、自分が持ってきたと言い張るイスに座っている。そのときはあいつは何も飲まない。飲むとしても購買で買ったであろうジュースをちびちびと飲むだけだ。



 なのに、今日はまたどこからか持ってきたかわからない陶器製のティーカップが机の上に乗っていた。しかも、イスが一つ増えていた。



「あれ?」俺は思わず呟いて、あたりを見渡す。「どうした?」真琴の声がすぐにかえる。



「いや、イスが増えてるから・・・・・・」

「ああ」無機質に答え、「新しく図書委員になった子。お茶汲みしてもらってる」



 どうやら今日の調子はいいらしい。真琴の調子がひどいときなんか常に怒っていて、話すのもきつい状態なのだ。



「・・・・・・もしかして、強制?」



「何言ってるのよ。普通に帰ろうとしていたところを”丁寧に”ここまでお連れしただけよ?」



「おまえそれを強制って言うんだよ!!」



「なによー。ムカムカして。こっちまでイライラしてくる」



 おっと、これはまずい。おれは地雷をギリギリ踏みそうなところまで来ていたようだ。俺は急いで地雷原から逃げるために、いつもの席――真琴の隣に座ることにした。



「んで? 呼んだ理由ってなんだ? また『探索』か?」



「ええ! 当たり前じゃない! これが図書委員会の日課ってものでしょう?」



 いや、図書委員会って外歩くんかい。活動内容に全く書いてないだろそんなこと。と心の中で突っ込んでおいて、



「じゃあ、行くわよ!!」今日のテンションはいい方らしい。ウキウキとエアロスミスの『I Don't Want To Miss A Thing』を口ずさみながら、外へ出ていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ