1話
最近の勇者はやる気がない。
ゆとり世代と言うらしい。
そもそもレベルを上げずに遊んで暮らす勇者。確かに勇者だからと言って必ずしも世界を救わなければいけない。と言う
わけではない。
特に安全な村や街で生まれた勇者は外に出ず、力仕事を行なっていると言う調査結果も出ている。
そうして勇者養成機関としてダンジョンワーカーと言う会社が設立された。
あらゆる異世界に行き、ダンジョンを生成。そして勇者がなるべく逃げ出さない程度の難易度かつ、どんどん攻略させよう
という会社である。
異世界救出を目標に働く人材の宝庫である。
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社長「今度は4大元素である火・水・土・風に関してのダンジョンの作成が依頼されてきた。チームを4班に分けてくれ。難
易度は土→風→火→水の順番で作って欲しいそうだ。土のダンジョンでは土を操る能力を駆使して攻略、風のダンジョン
では土を操る能力で風を防いだり、風の向きを変えて、風の能力を手に入れたら風向きを自由に変えられ、傘によって動
けるようにする。火のダンジョンでは土と風の能力を駆使して火の調節などをできるように。水のダンジョンでは各々の能
力で水位を上げ下げしたり水を止めたりと言うものを作ってくれたまえ。終わり次第テスターを投入する。それからさまざ
まな罠などを仕掛けるようにしてほしい」
土担当「最初からボスは登場させてよろしいのでしょうか」
社長「大丈夫だ。能力を使って倒せるようにしてくれ」
風担当「土のダンジョンの難易度次第でどれくらい難しくするか決まってきますね」
火担当「確かにそうですね。レベルの概念があるようでしたらどれくらいのレベル単位でダンジョン攻略をするかなどの目
安があるとギミックやモンスターを仕込みやすいのですが」
社長「基本一撃死みたいなものがなければいいそうです。レベルは最大で100みたいなので20刻みくらいの目安で難易
度もモンスター多めにするか、謎解きを多くするかは各々の班に一任します。ですがどちらも起用はしてください。謎解き
だけ、モンスターだけのものは他の部署に任せていますので」
土担当「それでは早速案を練ってきます」
社長「もちろん納期は1年なのでゆっくり作ってください。もちろん有給などを使ってしっかり休んで身体を壊さないようにし
てください。半年後テスターを送りますのでその時までには基礎は作っておいてください」
『かしこまりました!』
社長「それでは解散としましょう」
秘書「テスターは彼らでいいんでしょうか?」
社長「そうだね、そろそろ休みが終わるだろうから呼んで準備だけさせておいてくれたまえ」