82、大団円の祝賀会
「あ、ありがとうございます……!」
うまくいったカップルたちを見回すと、今まで行った婚活パーティやイベントの数々が思い出される。
失敗したことも、大変だったこともあったけれど、頑張ってよかったと満足げに頷くアリサ。
(暗い顔をしていた異世界の人たちが、こんなにみんな幸せそうな顔をしている。
私がしてきたことは無駄じゃなかったんだなぁ)
「次はアリサが幸せになる番よ!」
ケイトに背中を叩かれ、明るく励まされると、途端に涙腺が崩壊してしまった。
「う、うう…! ありがとう、ございます……!」
嬉し涙を流してしまい、ケイト・ローザ・エマ・レイラたち四人の女子に囲まれ、優しく慰められるアリサ。
(次は私が、ルビオ王子と幸せになろう……!)
ハンカチで涙を拭い、二人で歩んでいこうと覚悟を決めた。
「それにしても、主賓のルビオ王子はまだ来ないのか?」
ケビンの言葉に、アリサは顔を上げる。
確かに、約束の時間は過ぎてしまっている。
時間にルーズなタイプでは無いので、何かあったのだろうか。
「城でちょっと用事があるので、後から来ると言っていたんですが」
アリサがコールしようかと悩んでいると、店の表から、馬の蹄の音と鳴き声が聞こえた。
「あ、来ましたね」
城下町のレストランまで馬で乗り付けるなど、彼以外思いつかない。
数秒後、馬から降りたルビオが店の中へ入って来た。
「待たせたな」
金髪をなびかせ、悪びれもなく現れたのは、紛れもないルビオ王子だった。
「いよっ! 未来の新郎様のご来店だ!」
もうすでに一杯やってるらしいジョンが声をかけ、みんなで拍手をして迎え入れる。
主役のルビオとアリサは部屋の中心に並んで立ち、みんなからの祝福の拍手を浴びる。
アリサはペコペコと会釈をするが、ルビオは胸の前で小さく手を挙げ、王族らしい姿勢だ。
「それでは、ルビオとアリサの婚約を祝って……乾杯!!」
ジョンとケイトの号令で、集まった全員が手に持ったグラスを打ち鳴らす。
「おめでとうアリサ!」
「幸せになってね」
「エマさん、レイラさん。お二人もですよ!」
エマとレイラがグラスを鳴らしに来たので、アリサも照れ臭そうに笑い返す。
豪華な食事を取り分け、立食形式で口に運んでいく。どの料理も美味しくて、手が止まらない。
「ほんとこの店の料理は美味しいな」
「お陰様で大繁盛だよ!」
ケビンが七面鳥を食べながら褒めると、嬉しそうにケイトが胸を張った。
(成婚した五組での、楽しい祝賀会だわ!)
上機嫌で食事を皿に盛っていたアリサが、グラスを片手になにを食べようか悩んでいるルビオにそっと耳元で話しかける。
「そういえばルビオ王子、遅かったですが、なにしていたんですか?」
今までデートの際に遅刻したことはない。
なんならギルドの開店時間より早く来てはカウンターに居座っていたルビオだ。
どんな理由か気になって聞いてみる。




