表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

74/84

第11章 成婚? 73.おとぎ話の王子様

(ルビオ王子とのデートはこれで二度目。

 でも、私は彼の気持ちがいまだに信じられない)



 外観も綺麗な高級レストランの、VIPルーム。

 広い部屋、豪華なインテリア、テーブルにはフルコースの料理が並べられている。


 業務後ルビオに連れ出され、二人でディナーをすることになったが、フォークとナイフで肉を切りながら、アリサは浮かない顔だ。


 城でボードゲームをした時や、公園で話していた時と違い、表情の暗いアリサに気がつくルビオ。



「どうした、口に合わなかったか」



 ワインを飲みながら、ルビオは問いかける。



「いえ……なんだか、頭が追いつかなくて……」


「二回目のデートに、このレストランはふさわしくなかったか?」



 顎に手を置き悩むルビオに、アリサは首を振る。



「いえ、とても素敵な場所だし、ご飯も美味しいです。

 一般的な二回目のデートとしては素晴らしいチョイスだと思います。ただ……」



 アドバイザーとして、彼の行動は問題ないと伝えた後、アリサは口ごもる。



「今日は、私との二度目のデートということですか?」


「そうだ。一度目はこの前、公園でアイスクリームを食べただろう」



 ルビオは強く頷く。



(確かに、ルビオ王子は『今日一日、そなたの時間を私にくれないか』と言ったわ。

 デートに誘っていたのね。勘違いしていた)



 肉を咀嚼しながら、アリサは視線を泳がす。

 その様子に、ワイングラスを置いたルビオが単刀直入に問う。



「私のことが嫌いか」



 その真っ直ぐな言葉に、喉が詰まる。


「いえ。ルビオ王子はとても素敵な男性だと思います。ただ、私は結婚相談所の婚活アドバイザーとして、王子の長所や短所を分析し、似合うお相手をずっと探していました。

 私の恋愛対象として見たことがなかったので、その、戸惑っているというか……」



 しどろもどろに、しかし素直に気持ちを伝える。



(冷静に考えても、エグゼクティブパーティでも、マッチングアプリでも、その見目麗しさと王族の地位ゆえに大人気だったルビオ王子が、私のことを本気で好きになるなんて、信じられるわけないよ……)



 相談所の運営側が会員に手を出してはいけないというのもあるが、そもそもルビオが自分に本気になるなど考えられなかった。



「私の気持ちが信じられないということだな」



 心外そうにため息をつくルビオ。


 諦めてくれるかな? と顔を上げると、ルビオは名案を思いついたと手を打った。



「ふむ、ではこれから毎日、愛を伝えて薔薇を渡そう。

 そなたの気持ちが決まった時に、三度目のデートに誘うとしよう!」


「……ええ?」



 突飛なルビオの提案に、情けない声をあげる。


 ルビオはアリサに持ってきた花束の中から、真っ赤な薔薇を一輪取り出すと、キスをしてアリサに渡した。



「私の気持ちだ。受け取ってくれ」



 テーブル越しに渡された薔薇を、ゆっくりと手に取るアリサ。



「なぜ、薔薇を?」



 花びらを撫でながら問うと、



「おとぎ話の王子とは、そういうものだろう?」


 いつも通り、ルビオは不敵に笑うのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ