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43.パーティーの絆

 アリサはピンときた。


 彼女なら、仕事一筋のクレイと相性が良いのではないか、と。



「そうなんですか。

 私は魔法は使えませんので、魔法使いの方は尊敬します」



 今まで女性と話し下手なクレイだったが、今回はアリサからのアシストも必要ないようで、意気投合をしているようだ。


 二人は、仕事は大変だがやりがいがある、という話で盛り上がっている。


「気がついたらこんな歳まで独り身で。

 休日ぐらいはゆっくり過ごせる相手がいればいいのだけどね」


 エマが恥ずかしそうにうつむきながら、困ったように笑う。


(女性が弱みを見せた! 

 ゆっくり過ごせる相手が欲しい、と甘えている!

 チャンスよ!)


 アリサは瞬時に閃き、クレイに目配せをする。


 そのアリサの無言の圧力を察したのか、それとも連日の婚活セミナーのおかげか。


 クレイは、恐る恐るエマに提案する。



「……あの、ここで会ったのも何かの縁です。

 もしよかったら、今度お食事でもいかがですか」



 断られるのも覚悟で尋ねたようだが、



「まあ嬉しい! ぜひ」



 エマは目を輝かせ喜び、頷いた。


 クレイの表情もパッと明るくなる。

 自然に、次回二人で会う予定を取り付ける事に成功ようだった。



(味方をかばってまで敵を倒したクレイさんの優しさと、エマさんの回復魔法の上手さから、魔法学園の先生をしているというのがわかったこと。

 自然な流れだったわ。やっぱり魔物コンの連帯感は、恋に繋がる!)



 少し不安な魔物コンだが、やはり婚活向きだったと確信した。


 きっと、今他の場所で戦っているであろう別パーティの男女も、仲良くなっているに違いない。



「……怪我人も出たし、少し休憩するか。

 そこに良い切り株がある」



 いい雰囲気のクレイとエマを見て、ルビオが珍しく空気を読んだのか、もう一人の魔法使い、アンナを切り株へとうながし、横並びに座った。



 クレイとエマも、その提案に乗り腰を下ろすが、二人の会話はとても盛り上がっているようだ。



 ルビオも今回はつっけんどんな態度ではなく、アンナと他愛もないことを話しているようだし、アリサはこじらせ男子二人の急成長に心からやりがいを感じていた。

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