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36、相変わらずのルビオ

「ルビオ王子も、残念でしたね」



 アリサが労うように声をかけるも、



「ふん、別に」



 片眉を上げ、大したことないと首を横に振る。

 意に介さぬ態度を怪しがり、アリサは受付の机の上に置いてあった、集計の終わったカップリングカードをもう一度見てみた。


 10番だったルビオの書き込んだカップリングカードを見つけると、小さく声を上げる。



「る、ルビオ王子……! あなたって人は……!」



 アリサは震える指でカードを広げ、ルビオとクレイに見せつけた。


 第一希望から第三希望まで、全ての欄を白紙で出していたのだ。


 クレイが口をあんぐり開け、ルビオに信じられないという視線を送る。



 「何が悪い? 心惹かれる者が一人も居なかったのだから、仕方がないだろう」



 相変わらずのルビオの態度に、アリサが頭を抱える。


 確かに、必ず第一希望から第三希望まで埋めなければいけないという決まりはない。

 書くのは一人でもいいし、気になる人が居なかったら白紙で出すのも問題はない。


 しかし、今回の街コンで男性一番人気で、選り取り見取りのはずなのに、白紙で出すとは思わなかった。



「無駄足だったな。クレイ、帰るぞ」



「はっ」


 ルビオが捨て台詞と共に、側近のクレイを引き連れ颯爽と帰ろうとするので、



「ルビオ王子、クレイさん! また明日ギルドに来てください! 

 お二人にぴったりな婚活イベントを考えますので!」



 その背中にアリサが叫ぶ。


 ルビオはゆっくりと振り返り、口角を上げる。



「楽しみにしているぞ、敏腕婚活アドバイザー殿」



 不敵に、嫌味たっぷりに言い放ち、ガーネット王国へ向かって歩き出した。



(は、腹立つ〜!! 

 あんな人好きになる人なんていないわよ!)



 地団駄を踏みながら、アリサはルビオの背中にあっかんべーをする。



(でも、難ありなこじらせ男子だって、成婚させて見せるんだから……!)



 実際、セミナーの成果もあってか今回ケビンはうまくカップリングできた。

 クレイもあと一歩だった。


 自分のやり方に間違いはないはずだ、とアリサは頷く。



(ルビオ王子とクレイさんの二人には、ただ会って会話するより、実際に体を動かしたり共同作業をすることによって仲が深まる、趣味コンが合うかもしれないわ……!)



 次のイベントは、会話だけでないものにしようと、意気込んだ。




<アリサ所持金 プラス20万フィル>



<ステータス


ケビン ルックス A + 所持金 A 戦闘スキル S コミニュケーション能力 B + ↑


クレイ ルックス A + 人望 A 交渉力 S スマートさ B + ↑


ルビオ ルックス SS 血統SS 統率力 A デリカシー C↑ 空気を読む力 C↑>


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