『創造』
私は紡ぐ
言の葉を
大事な何かを
紡ぎ出す
人の想いに
秘められたもの
気持ちなのか
心なのか
魂なのか
いずれ滅びゆく
時の中で
大事な何かを
掘り起こすように
君の心にふれる風を
とらえるように
目を閉じて
私の中に眠る
あなたの中に眠る
何かを
感じとっていたい
それが
物語でも…ひとつの詩でも
まるで
この世界を
模倣するように
新しく創造する
いくつもの世界
いくつもの人
いくつもの生命
いくつもの出会い
いくつもの人生を
いくつも…いくつも…
シャボンのように…泡ぶくのように
かつて、この世界が、私たちを、生み出したように…
そうしたように…
私は、創造する
残り少ない
限られた時間の中…で
日々を、静かに…生き
静かに…文字にふれる…
生み出す
あなたが、そうしたように
私が、私でいられる限りある時間の中…
そうやって…
精一杯…過ごす…。
無理をせず
雨が降るように
風が吹くように
太陽が昇るように
月が満ちるように
星を眺めては
変わらない
あなたとともに
まだ記されていないあなたの抱くその本とともに
私は歩むのだろう
今の 時を 光 たどり
目に見えなくとも
形に出来ずとも
触れられずとも
少しずつ 少しずつ…
何処か…へか 何処かへ…と
近づく
あなたが、そうしたように
私は…辿る
日々を、時を、世界…を
滅びようと
生まれようと
変わらずに
創り出す
私は…とても…幸せものである
あなたとともに…