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「君はどうやら勘違いをしている様だ。この戦いは聖戦でも世界の平和をかけた戦いでもない。この戦いはこの世界の最底辺を決める戦いだ。私が魔王で君が勇者で、私を倒せば終わりで全て解決する様なそんな単純なものではない。見たまえ、この屍の山を。君も聞いたはずだ、この屍達が生きていた時に発した断末魔の叫びを。全て私達の戦いで生まれたものだ。私達が争ったから生まれた犠牲だ。私と争わねば生まれなかった犠牲だ。君が彼らを死に追いやったのだ。例え君が私を打ち倒したとしても、この事実は覆らない。ああ…楽しみでたまらない、私は勝っても負けても良い結果しか残らない。勝てば闘争を続ける事が出来、負けても良い死に方が出来る。さあ、お喋りはそろそろ終わりだ。全世界で一番高潔で、一番最低最悪の戦いをしよう。どちらが最底辺なのか決めようじゃないか」