殺人
たまごを割るのに
数式がある
日がな一日
その商をもとめている
たん、とん、たん
と 3を2で割れば
割り切れないとはいいつつ
わたしちょっといい気分して
中身を椀に落とし
(そしてそれはポトンという)
殻はコーナーへ
(そしてそれはカタリという)
いつもの料理をはじめだす
数は変貌する
たまごはかたちを変える
日常はありきたり
その向かう先も
変化とは
フライパンの上で殺人が起こること
かきまぜたたまごを
なにをするでもなく変えよう
まるで殺人のように
たん、とん、たん
と たまごを割ってしまえば
なにか終わるように見えて
そのうらで始まっているのでもなく
いち あまり いちの
殺人が起こる
それはありきたり
きっと向かう先も