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11、可愛い甥っ子


11、可愛い甥っ子



「絶対両想いだって」


はぁ?何を言い出すんだ?木下……。


「隼人君、絶対梨理の事が気に入ってる」


後日、梨理はまた家にやって来て、隼人と仲直りをしたようだった。それからというもの、二人は一緒に遊んでいる。


確かに…………あの無表情が、梨理に対しては少し、困ったような、楽しいような、そんな素振りを見せていた。


「二人で、小さな恋の手助けしてやろう!」

「お前よく俺の前でそんな事言えるな……」

「え?お前まだ美紀ちゃんの事引きずってんの?」


そりゃ引きずるだろ…………騙されたんだから。もう3年前になる。彼女の母親の手術代を工面したら、連絡がつかなくなった。よくある話。


正直、隼人の恋を応援してやりたいとか、そうゆう気持ちにはなれなかった。


「それより、あの二人が夏休みの間、週一回必ず顔を合わせるチャンスがあった方がいいと思うんだ。共通の話題も必要だし」

「そうか…………?」


本当に隼人が…………梨理を?いや、それ絶対嘘だろ?


あの隼人が恋とかありえん。木下はそんなくだらない嘘までついて、俺に講師をやらせたいのか?そこまでして…………引き受けさせたいんだろうな。


それなら…………


「絵画教室の講師の件、期間限定ならやる。俺がしばらくやるから、その間に他にちゃんと教えられる奴を見つけてくれ」

「わかった。こっちもゆっくり探す時間があれば、少しは本腰を入れて探せる」

「あー!俺もこれで、梨理に恨まれなくて済む」


これで、梨理の強引な説得も終わるはずだ。


梨理は約束のスマホ欲しさに、土日の度に、俺の説得に来る。どうせ俺の説得のついでに、隼人に会いに来ているんだろうけど…………隼人は少し楽しそうに見える。梨理がいると、多少の口数も増える。


「梨理にスマホ買ってやるんだろ~?いいのか~?」

「まぁ、格安のやつな。親は反対だけど、友達はみんな持ってるんだってよ。だから、俺が間に入って兄貴を説得する事にしたんだ」

「おいおい、それ甘やかし過ぎじゃねーの?」


木下は少し笑って言った。


「まぁ、その役割は俺しか出来ないからな。それに、姪っ子が可愛いからな~。お前も甥っ子、可愛いんだろ?」

「はぁ?可愛い?あのクソ姉貴の子が?そんな訳あるかよ!何言ってんだよ!」


そんな話をしていたら、ドアをノックする音が聞こえた。その後すぐにドアが空いて、梨理と隼人が入って来た。


「ゲームの充電無くなった~!」

「じゃ、そろそろ帰るか。スマホの件、いよいよ説得に参りましょうか!」

「それって…………キャー!!」


梨理は俺の方を見ると、思わず飛び上がった。


「おじさんありがとう!!やったー!!」


梨理は跳び跳ねながら、めちゃくちゃ嬉しそうに喜んでいた。その様子を見て、隼人が少し笑ったような気がした。


「隼人、お前も持つか?」


俺は、何故か血迷って…………そう訊いていた。しかし、隼人はすぐに首を横に振った。


「いらない」

「えー!隼人君が持ってないと、東京で会う時、連絡できないよ~!」


梨理は東京でも会うつもりでいたんだな。意外と気に入ってるのは梨理の方か?


「まぁまぁ、夏休みになれば、ここに来ればいつでも会えるんだから、まだ必要ないだろ?」

「夏休みも来るつもりかよ!」


そういえば、夏休みって……いつからなんだ?


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