さて、次の準備をしよう
次回作、『ゲスな同期と愛していた画家に裏切られた舞台女優は劇場の地下で魔女と出会う』
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魔女、即ち異端に異端を重ねて辿り着く冒涜者の境地。
ある世界ではこう定義されている。
しかし実の所魔女は一般的なイメージ以上に深淵なる脅威に満ちていた。
こと哲学分野において"真理"は"女"に比喩されることが多い。
"魔"は文字通り"恐るべきもの""忌避すべきもの"を表す。
即ち魔女とは『忌避すべき真理者達』『排他すべき真理者達』など様々な解釈を持った存在だ。
そして今呑気に欠伸をしているこの女。
報復と慟哭を司る魔女アルマンドもまた同じである。
「今回の検証はかなりのデータ量だ。グリフォの肉体情報から能力の細部まで余すことなく、な。……アイツのデータをもとに更なる発明や能力開発が大いに期待出来る。いやはや実にいいビジネスだ。やろうと思えば金が取れるかもしれん」
その慟哭に応え報復の力を与える。
憎しみと報復による新しい円環摂理。
人の世が続く限り需要は生まれ続ける。
地を這う慟哭者達に報復の手を。
「さて、グリフォ君がめっちゃ頑張ってくれたかんね。オレちゃんも次の仕事に向けて頑張んないと」
空間の一部が扉のように開くや、軽い足取りで入っていく。
そこには彼女がいくつも作った工房のひとつがあり、そこで発明などを行うのだ。
「次の世界の座標はすでに決めた。……あとはじっくりたっぷり研究をいたしますかねぇっと」
重い石の扉が閉じるように空間の裂け目は元に戻った。
次行く世界、そして次のターゲットは決めている。
あとは来たるべき日を待てばいい。
そう、次の報復を叶える為に。
次の舞台は……？
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