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改めて自己紹介をさせて貰おう。前回のは流石にテンションぶっ飛び過ぎでおかしかったからな。


俺の名前はリオン=ハルエット。


生まれは『ルガルティア大陸』の西南に位置する、『魔法大国ヴェルナディアナ』の田舎『ハルエット村』だ。名字のハルエットはハルエット村のリオンって意味で付けられてる。


五歳の時、村長の娘で年上の幼馴染みシエラの魔力検査の儀の中、大人達の目を掻い潜り魔力検査の宝玉に触れた事で魔力がある事が発覚。

12歳になり魔法学園『リィズエルティエ』に入学する事になった。


魔力こそあるものの、魔法適正値(魔法を上手く扱える才能)と魔力保有量が共に最低ランクのDの学園一の落ちこぼれ。



とは仮の姿。


魔法適正値最高ランク『AA』越え。魔力保有量ランク『計測不可』保有量8000万オーバーの文字通り人類最強の魔法使いだあああぁぁッ!!



……おっと、またテンションが上がりかけた。抑えろ俺、COOLであれ。


ん?そんな最強なのになんで苛められっ子なんてやってるのかって?


ふははは。確かに、諸君ならそう思うだろう。

「魔力保有量たったの500か、雑魚め」なんてね。


しかし、俺程の男になるとそれこそ雑魚の事になんか目に入らないのだ。


大いなる野望の為になら泥水すら啜るのが俺よ。




……少し昔の話をしよう。


俺は自身の持つ才能と強さに困惑しつつ、圧倒的な力を持つが故に世界に対して興味を持てなくなっていた。


そんな時だった。偶然、お隣さんの美人若妻カルエさん(ぶっちゃけるとシエラのお母さん)の着替えシーンを覗いてしまったのだ!

ここはノクターンじゃないので細かな描写は省かせて貰うが、そのむせるような色香とエッッロい身体付きは子供には強烈過ぎて当然俺は心奪われてしまった。

俺の性癖は爆発した。そして、人類最強の年上スキー(正確に言うのなら、色気たっぷりなお姉さん好き)が爆誕した。



だが初恋のカルエさんには当然夫が居た(ハルエット村の村長だ)。

事故を装ってぶっ◯そうとも思ったが、まだピュアだった俺は大好きな人には幸せでいて欲しいと考え泣く泣く諦めた。初恋は叶わないとはよく言ったものだ。


その後、悲恋から再び立ち上がるため時間を要したが、その間、幼馴染みだった年上のシエラがやたら俺に構って来た。(落ち込んでいたから、だと思われる)

ガキになんて全く興味が無かった俺だったが、シエラが構い続ける内にある事に気が付いた。


カルエさんに似て美人なシエラが大人になれば……それ即ちカルエさんのような魅惑的なエッッロエロ美女に成長するのでは?と。

――もしそんな彼女が嫁になれば……最高やん?


それからの俺の行動は早かった。

シエラのまだ幼い母性本能を擽るためお姉ちゃん子な弟のように振る舞い、彼女の感心を集めた。

そう、いずれ、大人になった時、エッッロく育った彼女に甘えるためにっ!。




だが思いもよらぬ邪魔が入った。


魔力検査である。

この世界では大きくわけて二通りの魔法が存在する。体内の魔力を消費する魔法と、空気中に漂う魔力をかき集めて発動する魔法。

両方共に利点はあるものの、体内に魔力を宿した者のみを魔法使いと呼び、体内に魔力を宿す者はとても少なかった。


教会主導で行われるその検査は、多額の喜捨をする事で行う事が出来る。そんなの一般村民で払える筈も無く、村長の娘であるシエラしか行う事が出来なかった。


不味い。既にシエラが体内に魔力を有していると知っていた俺は慌てた。

このままではシエラが俺の目の届かぬ魔法学園で寝取られる……!


焦りに焦った俺は子供の無邪気さを装い魔力検査の宝玉に触れた。


そして見事俺とシエラは魔法使いだと発覚し、魔法学園に行くことになったのだ。





だが魔法使いと言うステータスを得て俺の野望も変わって行った。

やっぱり俺も男の子。格好良い姿も見せたい。しかし甘えられる大人なエロい女性がマイ・フェイバリット・ジャスティスである俺。

野望は最終的に『私が守らなきゃと思ってた弟分な幼馴染みがいつの間にか強く、逞しく(精神的)なっててもう胸がドッキドキな件について』大作戦に行き着く事になった。



俺が小石にも満たない野郎達に蹴る殴るされてるのにはそんなわけがあったのだ。


さて、ここまで自己語りさせて貰ったわけだが、諸君らは疑問に思った事だろう『ならいつ強く、逞しい姿を見せるのか?』と。


ふははははは!心配ご無用!ここ魔法学園では、毎年学生魔法大会が開かれる。同学年だけでなく、他学年も混じり合う魔法バトルトーナメントだ。

約3ヶ月後に行われるその魔法大会で雑魚をばったばったと薙ぎ倒し、シエラだけでなく学園中の美女美少女からの感心を集めようと言うのだ。


完璧。完璧過ぎる!…………が、ここに来て思いもよらぬ難題が浮かんで来た。


『落第生だった俺がどうして強くなったのか』の疑問に対する答えだ。


俺の本当の実力を知らない奴らからしてみれば、疑問に思うこと必然。

『突然強くなった』はリアリティが無いし唐突すぎる。

『実は実力を隠してた』なんてぶっちゃけた暁にはもう周りからしてみれば意味不明だし嫌な奴扱いだ。


つまり、ある程度リアリティを持ちながら周囲の奴では絶対に真似できない理由を出さなければいけないのだ。


むむむ、難題だ。

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