歳の差の恋人はおじいちゃんのお友達だった。
私の名前は 『西条 ツカサ』 20歳の女子大生。
私は小さい頃から、おじいちゃんおばあちゃん子で家の近所に
おじいちゃんおばあちゃんの家があるから、ほとんど毎日遊びに
行っていた。
おじいちゃんは81歳でおばあちゃんは74歳。
まだまだ、二人とも元気で二人であちこち旅行も行くしご飯も食べに行く。
しかも...? 未だにイチャイチャ仲がいい。
手も普通におじいちゃんからおばあちゃんの手を繋いでいるし。
本当に仲がいい理想の夫婦だ。
私の目の前でもお互いに、 『おばあさんや~愛しているよ!』
『おじいさん、私もおじいさんを愛してますよ。』
普通なら理想の夫婦は、、、『両親』と答える人が多いと思うけど...?
私は 『おじいちゃんおばあちゃん』かな。
あんな風に幾つになっても、仲良くいれる夫婦になりたいと思う。
◆
そんな時、私が祖父母の家に居ると.....?
おじいちゃんのお友達だと言うダンディーな紳士が現れた。
歳もおじいちゃんより1つ下の80歳。
名前は 『啓五郎さん』めちゃめちゃカッコイイ。
この年の人には珍しく、背も高くて170㎝ぐらいあるかな?
立ち振る舞いがジェントルマンでレディーファースト。
私は、はじめて見たこの啓五郎さんに一目惚れした。
私と啓五郎さんの歳の差、なんと!? 『60歳』
でも、歳の差を感じないぐらい優しくてカッコイイ
このおじいちゃんに私はメロメロになった。
しかも...? 啓五郎さんは奥さんを10年も前に亡くしているらしく
私にもチャンスがあると思った。
これは、おじいちゃんから聞いた話だが、啓五郎さんは 『老人会』で
おばあちゃん達に、人気があるらしい!
私も負けていられない!
◇
私は早速、 『老人会』に参加する事にした。
もちろんだけど、年配の方々ばかりだ。
たまに、私みたいに若い人もいるけど......?
私は全く興味がない!!!
何回か行くと...? 私より少し上の男性から言い寄られて来たけど?
直ぐに断った。
若い男性に興味ない私は、啓五郎さんさえ居れば幸せだった。
私は少しずつ少しずつ、啓五郎さんに近づいていった。
でも、啓五郎さんの方が私に恋愛対象として見てくれない!
まぁ、歳も離れすぎているし無理もないと思う。
それに、おじいちゃんの孫だし。
◆
でも、私は諦めなかった。
半年以上かけて、啓五郎さんに私の気持ちを伝え続けた結果。
啓五郎さんも、やっと私の事を一人の女性として見てくれるようになる。
『私は啓五郎さんの事が好きになったの? だからお願い私を一人の女性
として見て! ねぇ、いいでしょ? ......啓五郎さん。』
『ワシはツカサちゃんのおじいさんとは長い友達なんだよ。そんな孫のツカサ
ちゃんとワシが付き合うなんて~ それにワシより若い男も周りにいるだろう
に... よーく考えてごらん。』
『私は、啓五郎さんがいいの! おじいちゃんには私からちゃんと話すから。』
『ダメじゃ!! それならワシからちゃんと話すよ。』
『じゃ、いいの? 啓五郎さん。』
『仕方がない! ワシも男じゃ!!! ちゃんとケジメをつけるよ!』
『ありがとう。大好き~! 啓五郎さん!!!』
私はそう言うと...? 嬉しくて啓五郎さんに抱き着いた。
啓五郎さんも、優しく私を抱きしめてくれた。
これで、私たちは付き合う事になった。
◇
次はいよいよ! 私の両親とおじいちゃんおばあちゃんに私たち二人が
付き合っていいのか? 『家族に言う日』が来た。
いざ! 祖父母の家に......。
正直、家族にはダメだと言われると思っていたが、おじいちゃんから先に
一言! 言った言葉で、私の家族が受け入れてくれた。
『俺の孫を大事にしろよ! 俺たちは長い付き合いだ! 昔っから啓五郎の
性格や考えてる事まで俺は分かる! 孫をよろしくな! 啓五郎。』
『あぁ、、、。』
...そう言うと? 啓五郎さんは涙ぐんだ。
『男は泣かんでええ!』
『わかっとるよ。』
『ありがとう! おじいちゃん!!!』
『ツカサは、おばあさんと一緒で! 男を見る目はあるようじゃな~!』
『うん。』
◆
今では、堂々と啓五郎さんと一緒にデートするけど......?
傍からみたら、 『おじいさんと孫』にしか見えないのが、
切ないかな?
でも、好きな人と一緒にいる事が出来るのが幸せだな。
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