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game01 まずはじめに

なんかいろいろ書こうとしてたけど忘れた。

 電車に揺られながらスマホをいじる。いつものようにSNSをみていると、最近はうるさいくらい表示されるスマホゲームの広告が目に留まる。

 昨晩、広告に書いてあった職業の『錬金術師』が目に留まり、どうせ無料だからと思いダウンロードしたが起動してなかった。ゲームではありふれた職業だが、ある漫画の人物が頭の中に浮かんでやってみようと思ったのだ。思い浮かんだのは主人公ではなく頭が逆さになったキメラだが。


 はじめてみようと思いタップしてみると眩い光を放ち意識が途切れた。



 人のざわめきで目が覚める。まわりを見渡すと皆一様にうろたえていた。どうやら皆気が付くとここにいたようだ。何があったかわからず混乱していると中空に人のホログラムのようなものが浮かび上がった。


『ようこそ皆様、お待ちしておりました。混乱していることと思いますが説明いたしますのでご静粛にお願い致します。

 皆様には我が箱庭で遊んでいただきます。心配しなくてもクリアしてくだされば何事もなかったかのように元の世界へ帰してさしあげます。まあ、元の世界に帰りたくない人も出てくるかもしれないのでクリア後にどうしたいかお聞きいたします。

 箱庭というのはゲームのような世界と言いますか。ステータスや魔法、スキルなどがある世界、いわゆる異世界です。詳しいことはヘルプがあるのでご確認ください。

 クリアの条件は魔王を倒すことです。クリアするまではHPがなくなってもデスペナルティがあるだけで死にはしないのでご安心ください。

 さて、では皆様我が箱庭へようこそ。』


 問答無用で飛ばされた。



 飛ばされた先は一人だけでうるさいほどのポップアップウィンドウが視界を埋め尽くしている。

 内容は操作説明や世界観、デスペナルティで何があるのか等々。ステータスはゲームっぽいが掲示板はどうだろうか。チャットと考えればゲームか。

 一通り目を通して消していくとキャラメイクが始まった。名前は……『ショウ』でいいか。そして職業は『錬金術師』。キメラは作れるのだろうか。

 ステ振りは無い。最初に決めた職業で初期値と適正が決まり行動によってレベルアップ時にステータスが上がる。これはスキルも同じで職業で最初から保有しているスキルと適正が決まり行動でスキルが手に入る。剣士や魔術師などは最初にスキルを選んで何を使うかを決めるらしいが錬金術師は関係ない。

 最後に見た目もいじれるが……あの見た目はちょっとな。金髪に金色の瞳にしてもいいけど錬金術師は白髪か銀髪に眼鏡のイメージ。銀髪にしておくか。眼鏡はなかった。

 キャラメイクが終わったので終了を押すと浮遊感とともに場面が変わった。視界の右上には地図と始まりの街という文字、左上にはHPとMPが表示されている。そしてまわりには人だかり。

 まだこの状況を受け入れらていなし、本当に異世界にきてしまったのかわからないが今も続々と光に包まれて新しく人が現れているのをみると現実とは思えない。

 とりあえずあまり人込みは得意ではないので逃げ出すことにした。



 この状況でもかなりの人がすでに冒険者ギルドがある方向に移動してたのであえて逆の方向に歩いているとだんだんと家が少なくなってきて、そのかわりに畑だったり、牛や馬のような生き物が放牧されていたりとのんびりした風景に変わった。

 牛のように見えるがかなり大きいし角が禍々しい。キメラなんて作らなくてもすでになかなかすごい生き物がいる。

 ほのぼのしてるように思うだろうが実は真逆で殺伐としている。まわりと比較しても大きい個体と小さめだが角が一際禍々しい個体が相対しながらすごいプレッシャーを放っている。まさに一触即発という感じなのだがまわりにいる他の牛(のような生き物)はのんびりと草を食んでいる。この状況は日常茶飯事なのだろうか。

 そんなことを考えていると大きい個体がしびれを切らしたのか「ブフォ!」と鳴き頭突きをかました。小さい個体は真正面から受け止めている。だが体格差からじりじりと小さい個体が押されているように見える。このまま大きい個体が押し勝つかと思ったが突如体が浮き始めた。なんと小さい個体が大きい個体を持ち上げ始めた。全身の筋肉を浮かび上げながら持ち上げて大きく振りかぶってこちらに投げてきた。


 って、待て待て待て。とんでもない速度で飛んできた。


 「ぶへぇ」


 避けようもなくぶつかった。大きい個体はぶつかって勢いが落ちたのかすぐ後ろに音を立てて落下した。


 死ぬかと思った。すごく痛いどころか上半身もげたかと。実際HPはいわゆるミリ残しでぎりぎり生きているような状況だ。

 そこに追い打ちをかけるように小さい個体が柵を破壊しながら突進してきた。これは死んだ。ぶつかったところは鈍く痛みがあるし立ち上がって逃げることはできない。どこかまだお遊びのような感覚だったし、死んでもデスぺナがあるだけで生き返ることができると楽観視していたがリアルな痛みと目の前に『死』が迫ってきているという恐怖で動くことができない。



 ……目をつぶり衝撃に備えていたが何も来ない。ゆっくり目を開け確認するとオーバーオール着た人が目の前に立ち、牛の角をつかんで動きを止めていた。


オーバーオールとサロペットは同じらしい。

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